この記事では「日本人が海外で働く際に有利な職業・専攻は何か」ということについて紹介します。なおこの記事では場所は米国、言語は英語を想定して書いています。

最初に考えつくのが「手に職」系の仕事です。例えば、寿司職人や音楽家など、英語を使わなくても出来る仕事です。これらの仕事をする場合には、日本で身につけた技能はそのまま米国で使えます。料理関係、特に寿司やラーメンはNew Yorkでもたくさん見かけました。そして実際彼らのほとんどは英語をあまり使わずに米国で生きていました。思い返してみるとこの方面の人達は日本語ばっかり使っていました。英語は当然カタカナ英語でした。英語はあまり使わなくても良いという利点があるのですが、「手に職」系の仕事は後述する職業に比べるとあまり給料は高くないのでは、と推測しています。

次に考えられる仕事は理工系の仕事です。技術者やProgrammer、医療や看護の仕事が該当します。この人達も比較的英語を使わずに生きていくことが出来ます。しかし、その専門技能ゆえにそれなりの高給を得ることが出来ます。私は日本人で海外で働くことを目指している人には、たとえそれが文系の人であろうと理工系の仕事を薦めます。また、理工系の場合はVISAの取得も容易です。

最後に紹介するのは「文系の仕事」です。「文系の仕事」は日本人が海外で働く際に最も難しい仕事だと思います。ここで言う「文系の仕事」とは営業、広報、そしてMBAを活かした仕事、つまり言葉を使って相手を説得する必要がある仕事」を指します。ただ金融や会計、また日本とつながりのある商社は「文系の仕事」の中でも比較的容易な仕事です。日本とつながりのない「文系の仕事」は日本人にとって本当に困難です。それは米国人と比べて「言葉」と「人脈」の点で圧倒的に不利なためです。例えば、営業という仕事で一番難しい事はお客さんから「信用」を獲得することです。一度信用を獲得さえすれば、多少値段が高くても製品は売れます。しかし、日本人は英語圏で仕事をしようと思った場合に「言語」と「人脈」の点で劣っているため、信用を得ることがとてつもなく難しいです。私が仮に米国で製品・Serviceを販売しようと思ったら、自分では直接売らずに現地の米国人を雇うと思います。営業・広報の仕事を英語でしようとしても普通の日本人にはまず無理だと思います。

補足としてこれまでに紹介した職業に該当しない職、言葉も専門技能も必要としない職業を選んだ場合についても説明します。この選択肢を選ぶ日本人はまずいないと思いますが、この場合時給$3という最低賃金で長時間働く仕事しかありません。ヒスパニックHispanicやAsiaの移民達がこの場合あなたの競合になります。そしてあなたの代りはいくらでもいるので、賃金はとてもとても低くなります。また、女性の場合は性産業で働くことになるかもしれません。

ここから今回の記事に関連した参考記事をいくつか紹介します。

【引用】シリコンバレーに引っ越してから10年経つけれど、ここで一橋のOBに会うことはこれまで稀だった。ニューヨークでは、金融・商社などの人がたくさんいたが、私のつきあいの深い、通信・携帯・IT・ウェブ・コンテンツといった業界で、アメリカで仕事をしている人はあまり多くない。

【引用】一橋大学は、商・経・法・社という、社会科学系=文系だけしかない大学だから、なのだろう。

【引用】機械いじりが好きだから機械学科に進むのは良い選択だろう。数学が好きだから、数学科に進むのも悪くはない。海外が好きだから、英文科に進むのは最悪の選択だ。

おそらく英語の勉強が好きな人の大半は「数学の勉強が嫌いで文系を選んだ人」だと思います。でも、海外で働きたいのならあなたが考えもしなかった「理工系」の分野で働く方が職ははるかに得やすいし、給料も高いです。もしあなたがそれでも流暢に英語を使いこなして米国で仕事をしたいというのなら、その役割はあなたの子供に期待しましょう。子供を米国の学校に入れて、Native English Speakerにしてください。米国にいる多くの移民はそのようにしています。

追記 実際に英文学科に行った英語の先生がこの記事についての補足記事(1)を書いてくれました。英文科に興味のある人は参考にしてください。また、私自身の体験も記事(2)にしました。合わせて参照下さい。

  1. 参考記事  英語「できる」ようになりたいの?無理かな英文科じゃ
  2. 私の実体験 私とShuの「狐と針鼠の関係」