私のLanguage Exchange Partnerの一人、Kayは日系移民2世のカナダCanada人の父親と日本人の母親の間に生まれた女性です。そしてCanadaで生まれ育った彼女も日系2世になります。小柄で黒い髪で、見た目は日本人と同じです。Kayは大学教授を目指して勉強している20代後半の女性です。そのためNew Yorkにある大学で勉強や研究に励んでいます。大学教授を目指しているだけあって、Kayはとても教養ある女性です。

そしてまたKayは大学関係者に割と多いと言われている※Veganでした(※Vegan 極端な菜食主義者、肉・魚の他、 卵・チーズ・ミルクなどもとらない)。私はそれまでの人生でVeganには出会ったことが無かったので驚きでした。でも、私は「おかわり自由、爆盛りカツ丼!」といった男性しかいない店よりは、Soup Stock Tokyoのように女性が多い健康志向の店の方が好きなので、VeganのKayと一緒に食事をしても特に問題はありませんでした。

Kayは当初Language ExchangeでPartnerを探す際にナンパ目的の男性に当たらないようにかなり警戒をしていました。でも、私はナンパ目的ではなく真面目に勉強するためだったので、無事に打ち解ける事が出来ました。この件については以前に記事を書いたので参考にしてください。

ここから日系2世としてのKayの日本語能力について記します。私はKayの他にも中国系2世、韓国系2世といった人達に多く会いましたが、彼らの中国語・韓国語の水準がどの程度のものか判断することは出来ませんでした。でも、Kayの場合は日系移民なので、彼女の日本語能力がどの程度のものかはっきりと分かりました。

Kayは家庭では日本語を使っているようです。でも、日本語は学校で正式には習ったことがないため日本語能力は、日本人からすると「あまり上手ではない。語彙もだいぶんと不足している」と思われる水準でした。また、日本語を学ぶ日本文化大好きな外国人達と比べると、Kayは日本の文化にあまり興味がありませんでした。だから積極的に日本語を学ぶ機会は無かったとも言っていました。以前に紹介した日本のテレビドラマが大好きなシンガポールSingapore人、Kennyの場合は暇な時間があれば日本のTV番組を観て、色々な表現を学び続けています。Kayはこういった事をしていないのでしょうね。

Kay自身もこれではいけないと思っていたらしく、両親の祖国である日本を理解するために、数年前に東京で2年間弱、英語の教師をして暮らしていました。ただ、その割には4ヶ月しか日本にいなかったKennyよりも日本語はだいぶん劣っています。この差が生まれたのは次の2点だと思います。

  1. 日本文化への関心の強さ。
  2. 日本語の教育を学校で受けたかどうか。

1についてはすでに述べたように、Kennyと比べるとKayはそれほど日本文化に関心がありませんでした。そして2についてはというと、Singapore人のKennyは米国の大学で3年間も日本語を学び続けました。一方、Kayは日本語は学校では習ったことがないと言っていました。私はこの「学校教育の有無」が「日本文化への関心の強さ」と同じように大きな差に繋がったのではないか思います。

そして、Kay自身もまだまだ自分の日本語能力は不十分だと感じ続けているようで、私がNew Yorkを離れた後も日本語学習は続けているようです。この話は後日談がありますので別の記事で紹介します。

日本語能力は微妙でしたが、Kayは教養ある女性なので一緒にいて色々な話しをしていて楽しかったです。研究で忙しくちゃんとしたLanguage Exchangeはほとんど出来ませんでした。でも、彼女の息抜きを兼ねて各地のMuseumに何度か一緒に行きました。教養ある人と話すのはやはり楽しいなと思えるKayとの交流でした。この時の体験についても別記事で紹介する予定です。

子供を海外で育てたら、そしてその子供たちが学校で日本語で教育を受けなかった場合にどのようになるのか、Kayと接していて色々と考えさせられました。山崎豊子の「二つの祖国」に出てくる日系移民達のように、Kayもカナダと日本の二つの国を祖国にして、そして英語と日本語という二つの言語の狭間に生きています。日系2世のKayと話していてIdentityとは何かということを以前よりも深く考えるようになりました。

Kayは少なくとも北米社会にはちゃんと適応しているので良いです。Kayについての記事を書いているうちに、何人かの日本語も英語も中途半端になってしまった帰国子女や移民2世達の事を思い出しました。彼ら・彼女達のように自分のIdentityが曖昧な状態というのはとても危うい感じがします。そしてまた、日本の経済力が弱まるに従って、それによって日本から出る日本人が増えていくにつれて、この問題で悩む人も増えていくと思います。

以下、TwitterでもらったReplyを一つ紹介します。

私の会社の社長さんのお嬢さんは、見かけが小さい頃は西洋人に近かったので、外見で注目を浴びる機会が多く、国際学校に行きましたがどうもなじめなかったようで、アメリカの中学に行きました。とにかく彼女は日本だとアットホームに感じなかったらしいのです。で、アメリカに行きましたが、競争的な社会に今度はなじめずにドロップアウトしてぐれてしまいました。そして日本の文化に対してネガティブなイメージを持ってしまった彼女は、日本語は今でも幼稚園どまりです。もったいないことですがそれを伸ばす意欲も余りないようです。彼女の場合は言語的にはアメリカンになりましたが文化的にはどっちもなじめないようです。