この記事では香港系米国人Noah、そして彼を取り巻く「大家族主義の中国系移民」について紹介します。

NoahはCentral Park、Columbus Circle近くの高級住宅街に暮らしています。広くはないですが、とても高そうなマンションでした。そこでは玄関には警備員が立っていつも出入りする人間を見ていました。そしてそんなNoahの広くないマンションに2週間毎に30人近くの親戚一同が集まって食事会をしています。「あの広くない部屋に30人も入るの?」と聞いたときは驚きでした。

そしてまた先日は従姉妹の1人のSweet16を祝うPartyには親戚が 100人近く集まったそうです。Sweet16は日本の成人式みたいなものだと想像して下さい。他にも叔父の結婚式には米国に住む親戚200人近く集まったとのことです。200人も親族が出席する結婚式って凄いです。日本だと平均何人くらいの親戚が出席するのでしょうか。

ここからNoahの親族が移民した際の歴史を紹介します。最初、1960年代にNoahの祖父母が香港から米国に移民として渡ってきました。その際には幼い叔父・叔母を一緒に連れてきました。Noahの母親はすでにある程度の年齢だったため、その時には同行せずに後から渡米してきました。渡ってきたのはNoahの母親の家系で、母親は6人兄弟です。そしてこの6人兄弟が中心となり、いまではNoahの一族は米国に200人近くもいます。

中国系移民である彼らはセーフティネットがほとんどない米国で一族が協力することでこれまで生き抜いてきました。だから彼らの絆はとても強いです。事あるごとにお祝いして親族が集まるのも、この絆を保つためという理由もあると思います。

Noah自身、これまでの人生で親・兄弟と最も離れたのは「日本に旅行した3週間」だと言っていました。そしてこんなNoahなので「日本では自分の親・兄弟の年齢を正確に知らない場合がある」とか、「年に数回しか家族・兄弟と会わない日本の家族が信じられない」と言っていました。ただ、固い絆と言っても元が中国系なので、米国的なkissやhug抱きしめは全くしないと言っていました。でも、日本人からすると彼ら一族の絆はとても強い絆であると思います。

次にそんなNoahが家族・親族と「どの言語」で交流しているのかを紹介します。Noahは英語と広東語をNative Speakerとして使いこなせます。ただ、広東語は学校では習わなかったため読み書きはほとんど出来ないということです。一方、Noahの両親はNoahによると「小学4年生の英語」しか話せないそうです。だからNoahは両親とは広東語と英語を織り交ぜて交流しています。時にはChinglishで意思疎通しているそうです。そしてまた、Noahの従兄弟達も英語の方が広東語よりも出来るそうです。だから従姉妹同士では英語で交流。誰かに話を聞かれたくない内緒話をしたいときだけ広東語で話すみたいです。あとNoahのマンションで2歳の姪が広東語と英語の学習教材で言葉を学んでいたのを覚えています。果たして移民3世でも、ちゃんと祖父母の言葉は話せるようになるのでしょうか。興味深いです。

Noahは広東語の読み書きは出来ませんでしたが、最近「日本語を学んでいるおかげで」漢字が読み書き出来るようになったそうです。現在常用漢字を約1200文字覚えたと言っていました。そしてNoahは覚えた漢字を親族の前で披露して、親族から「あなたいつの間に漢字が書けるようになったの!?」と驚かせて喜んでいました。「発音が日本語の発音だからすぐにばれちゃったけどね」とNoahはおどけていました。

他にもNoahから親族ネタをたくさん聞かされました。例えば、特売があるときには親族一同店の前で徹夜のキャンプをして買い込む話とか聞きました。並んでいない親族も食事とか毛布を差し入れて助けたりと、彼らは本当に親族の絆が強いです。

また、Noahは香港にも親族が多数います。それもかなりの金持ちの人々らしいです。香港に行った際には、親族の世話になって5階建ての豪邸でメイドに世話されながら過ごしたとか、$300の有名人向けの美容院に行ったとかそういうお土産話を聞きました。ただあまりに金持ちすぎるのか、Noahの伯父は香港から中国本土に行った際には、不当逮捕されて3年間監獄に入っていたそうです。そしてその伯父さんが開放されるまでに親戚一同で数億円を使ったと言っていました。その不当逮捕以来、Noahの親族一同中国に対してとても不信感が強いです。ただその伯父さんはたくましい事に、不当逮捕された中国にまた戻って現在も商売をしているとのことです。

「日本人みたいに会社にばかり尽くして家族を省みない生き方よりは、Noahの一族のように親族で支えあって暮らしていく」先行き不透明な日本においては、Noahの一族のような生き方の方が安全かなと最近は思っています。会社は時に冷酷に個人を切ります。でも、血で繋がった親族の絆はそう簡単に切れません。そして会社に頼ることなく、血の繋がりを重視する中国人は強い。Noahとその一族と接していてそう思いました。

現在の日本においては、会社や親族の他に社会保障を担える共同体はありますでしょうか。もしあるという事でしたらCommentをお願いします。もし他の共同体が内ということでしたら日本人もこれから中国人と同様に親族に頼るようになっていくと思います。以上で「大家族主義の中国系移民、Noahの一族」についての紹介を終ります。

追記

そういえば私と仲の良かった中国人のShu、彼女も「早く母親と会いたい」といつも言っていました。親思いな中国人達です。