職場は楽しくあらねばならない。驚きの米国職場体験

この記事は「楽しい職場、米国の日本と全く異なる労働観」について紹介します。多くの日本人にとってはきっとeye opening(目が見開かれる)で、jaw dropping(顎が落ちる)な驚きの内容ですので、是非読んでください。この記事の内容を教えて、体験させてくれたのはNoah。Noahは本当に楽しそうに働いている米国人です。彼についてはすでに記事を書いているのでこの記事について読む前に是非そちらの記事も読んでみて下さい

仕事をしている人なら毎日が常に忙しくない、時には暇な時間があることは知っているかと思います。日々の仕事には繁閑があります。でも、多くの日本企業の場合だと暇そうにしていると「評価が下がる」し、悪い場合には「叱責される」のはないでしょうか。だから多くの日本人はたとえ忙しくなくても、忙しい振りをしている人が多いと私は思います。一方、New Yorkで働くNoahの場合(米国の一流金融企業勤務)はというと、彼の職場では仕事が暇な時にはWiiで「大乱闘スマッシュブラザーズX」か「ニュー・スーパーマリオブラザーズ・Wii」で遊んでいると言っていました。?????私は最初Noahが何を言っているのか全く理解できませんでした。「同僚同士集まってWiiのVideo Game大会をしているのが米国の職場!?」とそれを聞いて驚いて顎が落ちました。Noahによると「仕事が忙しくないときは職場でみんなと遊ぶに限るよ♪」と言っていました。そしてまたjaw dropping(驚いて顎が落ちる)という表現はこの時Noahから教えてもらいました。思い返してみると、私のIntern先でも、金曜日の午後くらいになると「勤務時間中に社員の人同士が卓球をしている光景」をよく見ました。卓球をしている彼らは楽しそうでしたね。

確かに「仕事が暇なときに忙しい振りをしている」よりは「暇な時は割りきって遊んでしまう」方が社員の職場に対する忠誠心は上がるし、仕事に対するやる気は増します。日本の常識を捨てて考えてみれば、Noahの職場の方がよほど社員のやる気を引き出す事を工夫している職場なのかもしれません。仕事の効率を追求している「トヨタ生産方式」においても、「現在手元に仕事が無い場合ははっきりとそれが分かるようにしなければならない」と説いています。しかし、たいていの日本企業の事務所においてはこのトヨタ生産方式の教えが守られていません。

もう一つこれに関連した話があります。国連本部にNoahと一緒に観光した後に「この近くで友達が働いているから紹介するよ」と言われて、Noahに連れられて日本人でも知っている有名銀行を訪れました。そして職場を訪問したら、Noahの友人が出てきて「よく来たね♪」と歓迎して、どんな風に仕事をしているか教えてくれました。別にこれくらいならもう驚かなかったのですが、その友人と話した後にその友人の上司の所まで連れていかれて、その上司とも楽しく歓談しました。見ず知らずの日本人観光客を歓待してくれる余裕がある職場って…。なんだかもうこの時は驚きすぎて疲れました。「彼女全然働かないだろ?KAIZENを知っている日本人として彼女の働きぶりはどうかな?」「私は今日は”5時間”は熱心に働きますよ!プンプン」という会話がそこで行われました。私、jaw droppingのままで会話になんとか参加しました。

Twitter上で「余裕のある人は遊んでいても良い文化があるとしても、仕事の偏りがあった時に遊べないくらい忙しい人が『うるさい!』とか『集中できない!』とか言う事になったりはしないのですか??」という質問をもらいましたので、ここで補足説明します。米国と日本の事務所の配置は全く異なります。だから大丈夫です。米国の職場ではたいてい個室が与えられます。そこで周りからの雑音を気にせずに仕事が出来ます。一部屋に全員を押し込んでいる日本とは違います。そして、Wiiの大会や卓球で遊んでいるのはたいてい大会議室です。会議室にある大画面のTVでVideo Gameで遊ぶのは楽しそうですね。

職場が楽しい企業ではサウスウエスト航空が有名ですが、米国でこの企業が生まれるだけの理由があるのだなとNoahとの体験、そして私のInternship期間に体験した事を通じて実感しました。以下、職場が楽しいことで有名なサウスウエスト航空の業務風景です。1分過ぎくらいから面白いです。

[youtube=http://www.youtube.com/watch?v=fD-yyMzF8lI]

サウスウエスト航空では職場環境を良くすることで離職率を低め、また優秀な人材を自社に引きつける戦略を取っているのです。ラップで業務をするサウスウエスト航空も、勤務時間中に卓球で遊ぶ私のIntern先も給料は平均か、それ以下です。別に特別な能力を持っているから、特別な職場環境が与えられている訳ではありません。これは楽しい職場環境を提供することで、高額の賃金を出さなくても社員のやる気・忠誠心を高めようとしているためです。またこの記事で後述しますが、他にも利点として職場の雰囲気を明るくして風通しを良くすることで、社員同士が自由に意見を言える職場環境を作り上げています。

サウスウエスト航空についてさらに詳細を知りたい方は次の書籍がお勧めです。

もう一つ別の事を紹介します。「本当に使える 実践ビジネス英会話」の不明点についてNoahにいくつか質問をしている際に、転職時の面接についての話題になりました。その話題は”My biggest fault is…”、つまり自分の短所について話す事です。私はその場では正直に「私は考えずに働くことが苦手です。」と言いました。Noahは私が最初何を言っているのか理解できませんでした。補足説明すると、「上司からその仕事をする意味が分からない無駄な作業を与えられた際に、默々とそれに従って仕事をする事が苦手です。」という事です。例えば、新卒一年目にやらされたひたすら伝票にハンコ押し続けさせれる作業、またひたすらダンポール箱を作り続ける作業をしました。これらの業務は結局2年目以降の仕事において全く役に立ちませんでした。こういう業務をするくらいならもっと会社に貢献できるような業務があるだろうにと、当時は、そして今もおかしいと思っています。さらに補足説明をすると「自分で工夫することが許されない仕事が苦手です。」と言いました。具体例にはExcelの単純作業を省力化するためのマクロを組む事を禁止されるような事は受け入れがたい事です。これが冗談なら良いのですが、実際に私も似たような経験をしたことがあるので、全く笑えません。

この時、Noahからは「日本では上司と意見交換をすることはないの?なら上司が明らかに間違っている指示を出した場合はどうするの?」と聞かれました。私はその時思わず黙り込んでしまいました。私は前職の日系企業時代には「明らかに上司の指示が間違っている場合でも、反論したことはありませんでした」。これはNoahの会社と違って上司にモノを言える雰囲気が全く無かったからです。私はよく会社の先輩から「自分のやりたいように仕事をするためには40歳になるまで待て」と言われていました。こんなことを何度も言われる内に馬鹿馬鹿しくなってその会社は会社を辞めてしまいましたが。だって40歳になった頃には自分よりも優秀な20代の若者たちが会社に入ってきています。そしてその頃の若者たちが今の自分と同じように自分の意見が言えないなんてということを想像すると…、なんという不幸の世代間連鎖なのでしょうか。サウスウエスト航空とまるきり正反対の方針を取っている日本企業、職場を自ら面白くない場所にしている日本企業は社員のやる気を著しく低下させます。

この話を聞いた米国人達は全員「日本人はおかしい。私なら絶対”Fxxk you!”と言って会社を辞めてる」と言っていました。日系企業では自身の管理する業務を改善する「改善提案」は許されても、部署全体を改革するような「改革提案」は決して許されないし、口にしてもいけないのかもしれません。一方Noahの場合はというと、「上司が間違った事を言えばその場で反論するし、普段からWiiで遊んでいたり、facebookで友人関係にあるから別に雰囲気が悪くなるなんてことないよ」と言っていました。転職が当たり前で一見冷たく思える米国企業、でもこの風通しの良さはなんなのでしょうか。そして、「社員は家族だ。大事にしないといけない。」という日本企業の方が社員同士言いたいことを言えない閉塞感漂う職場環境が多いというのはなんとも皮肉な現実だと思います。

また、米国企業の場合は「転職が当たり前なので、前任者の業務内容を否定しやすい」という環境もあります。既存の制度/仕組みが時代遅れなったり現状に合わなくなれば、全てを否定することが出来ます。一方、多くの日本企業の場合は「時代遅れの制度」を作った張本人が社内にまだいて、おまけに出世して社内で偉くなったりしている場合があります。そういう場合にその制度を「もう時代遅れだから辞めてしまおうか」と口に出せない雰囲気があります。だからこそ、転職が当たり前でない日本においては「定期的に制度を廃止していく事が必要」だと思います。そうしなけばいつまでも時代遅れの非効率的な制度に苦しみ、仕事の生産性は落ち続けます。流れない水は淀み、腐敗します。

「社会の厳しさ」の9割は「社会は厳しくあらねばならない」という妄想を持った人たちによって作られている。日本社会はこの言葉を文字通りに実行している人が多いのだと思います。社会が厳しくなければいけないなんて誰が決めたのでしょうか。仕事が暇な時に職場で同僚同士、会議室の大きなTVを使ってWiiでゲーム大会をしてはなぜいけないのでしょうか。「職場は楽しい場所であるべき」という考えに基づく米国人達はこれを現実に実行しています。そして彼らの職場は毎日笑いが絶えません。笑いながら楽しそうに働いている、そして労働時間は1日8時間、かつ給料は私達の数倍以上もらっている。現に米国でこういう会社が有るのだから、「米国は米国、日本では実現不可能」と言って現実から目を背けることなく、その差を埋めるためには何をすべきなのか考えるべきだと私は思います。以上で「職場は楽しくあらねばならない。驚きの米国職場体験」について終ります。日本人にとってはeye opening(目が見開かれる)で、jaw dropping(顎が落ちる)な驚きの内容でしたでしょうか。

注意 関連記事の紹介

この記事と次の記事、世界的な人材獲得競争の内容は密接に関わっているため、両方の記事を合わせて読んで下さい。世界的な人材獲得競争にて米国企業はなぜ社員に居心地の良い職場環境を提供しているのか、その背景となる理由について書いています。世界的な人材獲得競争を読まないと、この記事の内容は半分しか理解できません。

この記事に対するTwitter上での反響と感想を紹介

このblog記事の下書きをTwitter上に投稿した際に本当にたくさんのReplyをもらいました。また、数多くのRTもされました。特に次のTweetはこのblog記事を書いている段階で400人以上にRTされました。

「社会の厳しさ」の9割は「社会は厳しくあらねばならない」という妄想を持った人たちによって作られている。日本社会はこの言葉を文字通りに実行している人が多いのだと思います。社会が厳しくなければいけないなんて誰が決めたのでしょうか。 Twitterへ

日本企業で働く他の多くの人達もこの記事に書いた内容について、各自非常に強い問題意識を持っているのだなと分かりました。以下、Twitter上でもらったたくさんのReplyの中から紹介出来るものを紹介します。

  • シリコンバレー近辺でも昼の卓球はよく見ました。昼休み時間とか適当ですね。あとは社内のジムには何時に行っても誰かが汗を流していました。
  • 日本企業では普段から部署で飲み会や花見をしたり社員旅行で親睦を深めているはずなのに、(親睦が全く深まっていないのは)不思議ですね!
  • 仰る通り。仕事も勉強も人生も、楽しくなければ続きませんよね。恐らく、勉強とは机の前に座ることだと思っている人が社会を作っていくからではかないかと。私「釣りバカ日誌」の浜ちゃん並みに不良社員です。
  • 私の米国企業では、個室が姿を消しています。 阪神大震災の時、貸事務所Rでの大部屋が効率良かったと言う事で、今は社長以下机のみです。
  • 勇気を出して提案してもスルーされるか、面倒なことをいう新人というレッテルを貼られて以後煙たがられるかのどちらかですね。
  • 確かに改善、改善と声高に人事は言いますが改革提案は暗黙の了解みたいな雰囲気あるかもです、私のとこも。
  • 私が米国の研究所にいた時、日本からいとこが遊びに来た時も、私の実験を手伝わせましたが、上司以下皆親切にしてくれました。
  • アメリカ人は、仕事の事で意見が対立しても、それを根に持ってと言う事が余り無いからだと思います。
  • 私は納得いかない上司の指示に対して一度だけ反論したことがあるんです。なるべく上司の機嫌を考えながらも、言葉を選び冷静に。納得できない理由を告げ代替案も提案したのですが、返答は「そんなのいいから、言った通りやれ!」の一言。それ以来、辞める方向で検討します。そして、毎日心の中で泣いてます。もっと強くなりたいですね。
  • アメリカを全部まねしろとは全然思わないけど、いまの日本の息苦しいところは変えていくべきだろって学生ながら思います。社会が厳しいのはそう思ってる人がいるからっていうのは納得でした。なるほど。
  • こちらもUSの職場では社内にトレーニングジムとかあって、いつも誰かトレーニングしてますね。あと、託児所も社内にありました。
  • 正論だと思う。厳しくしているのは社会を回すための手段であって、目的ではないはず。社会を回すに当たってもっといいやり方があるんだったら、取り入れることには何の問題もないはず。
  • どこの国でも甘くはないのは事実だけど。わざわざ厳しくする必要はないし、厳しさを和らげるのが文明だと思う。
  • 戦後からはじまったんじゃないですかね?何も無くなって日本は立ち上がらなくてはいけなかった。鞭打って裕福を目指した。でも今は物質的に裕福になった。そこに矛盾が生まれる訳です。ただ今の裕福は昔の人の頑張りもあったからこそ。全否定ってできないんですよねぇ。
  • 過度の厳しさがいい結果をもたらすとは限らないので、盲目的な「厳しさ」信仰に基づいて非生産的・非効率的なやり方をする人たちに対するアンチテーゼと自分は受け取りました。同感です。それともう一点、このツイートに対して甘いとか世間知らずだとかいう人は、自分が知っている「会社」や「世間」や「社会」を唯一絶対に正しいものだと思いこんでいるのでしょう。

追記

外部から直接このPageを訪問した方へ。私のblogでは他にも下記の記事を公開しているので合わせてお楽しみください。

TOEIC860点を取得、かつ日本の英語教育で欠けている「話す」「書く」ための英語学習方法を紹介しています。私が数百万円の費用と数年の歳月をかけて学んだ学習手法を公開しています。この勉強法のおかげで私はNew Yorkで出会った人々と英語で交流することが出来ました。※この勉強法ははてなブックマークを2,150以上獲得した人気記事です。

私が米国で体験した、日本人が知らない「とんでもないこと」を紹介しています。この記事で紹介したのと同じような驚きの体験を多数記事にしています。日本人とは全く異なる米国で出会った人々の生き方を知ればきっとあなたも驚くと思います。そしてこれまでになかった視点で物事を考えることが出来るようになると思います。

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執筆者
柴田 はるじぇー @HAL_J
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柴田 はるじぇー @HAL_J

セブ島にある語学学校サウスピークの英語学習アドバイザー。著書に「3ヶ月でTOEIC300点上げるフィリピン留学」「20歳を過ぎてから英語を学ぼうと決めた人たちへ」