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なぜ、英語は音読が効果的なのか?|音韻ループ・構音記憶での補強について

声に出して文章を読み上げる音読学習は、英語力向上に効果的です。

 

一体、なぜでしょうか?

 

本稿では、その科学的メカニズムについてご説明します。

 

音読学習によって英語を英語のまま理解できる

 

サウスピークでは音読学習を取り入れています。音読することによって、英語を英語のまま理解できるようになります。

 

 

「英語を英語のまま理解する」とは、例えば英文を読む際に、いちいち返り読みせず、文頭から文末まで読んで理解できることです。日本人からすると、日本語で書かれた文章を読む際に、わざわざ後ろから返り読む人はいませんね。

 

英語のネイティブスピーカーも同じで、彼らは英語を返り読みすることなく読むことができます。英語を英語をのまま理解するために、音読学習は効果的なのです。

 

記憶に定着するしくみ

 

英語を英語のまま理解できるようになるには、英文法や英語表現を記憶に定着させる必要があります。そもそも、記憶に定着させるしくみはどのようなものなのでしょうか?

 

ヒトの記憶は大きく分けて、3つに分類されます。

 

①感覚記憶(Sensory Memory)

②短期記憶(Short-Term Memory)

③長期記憶(Long-Term Memory)

 

感覚記憶とは、一瞬一瞬の光景や知識を目や耳などの感覚器官が取り入れた感覚的な記憶を指します。感覚記憶よりはもう少し長く留まるものの、よほど意識や注意をしなければ忘れてしまうような知識の記憶を短期記憶と言います。

 

 

例えば、LINEの連絡先を誰かと交換するときに、相手のIDを覚える際は短期記憶が用いられます。また、短期記憶を経て、長期にわたって頭の中で保持され定着した知識の記憶を長期記憶と言います。

 

日々の生活から得た知識を短期記憶から長期記憶に移して初めて、“記憶に定着させた”ということができます。

 

効率よく記憶に定着させるために

 

さて、次に長期記憶に移すための方法をお教えします。

 

 

アトキンソとシフリンの提唱した多重貯蔵モデルによると、知識は、目や耳などの感覚器官を通じて、感覚記憶としてごく短時間保持されます。

 

その中で注意を向けられた情報のみが短期記憶となり、続いて頭の中での復唱をはじめとしたリハーサルと呼ばれる情報処理が行われると、長期記憶となるようです。

 

つまりリハーサルと呼ばれる情報処理を繰り返すとことで、長期記憶になるため、このリハーサルを短期間で効率よく行えるかが、記憶に定着するための鍵となります。

 

複数の記憶を用いて、効率よく記憶に定着させる

 

そこで効率よく記憶に定着させるために注目したいのが、複数の記憶を利用することです。記憶とひとことで言っても、数多くの種類があります。目で見たり、耳で聞いたりして覚える一般的なものは、知識記憶と呼ばれます。他にも運動記憶と音の記憶と呼ばれるものがあり、それらを用いて相乗効果を図るというものです。

 

運動記憶の例として、自転車に乗る行為や、ピアノを弾く行為、タイピングが挙げられます。これらは考えなくても、日々練習することで自然と身につくものですね。また音の記憶とは、何度も同じ音楽を聴いているうちに耳に残ってしまうことが挙げられます。

 

音読学習すると、記憶に定着しやすい理由

 

音読学習が効果的な理由は、運動記憶と、音の記憶を用いて知識の記憶を補強しているからです。

 

 

音読している際の口の運動は構音リハーサルと言って、運動の記憶として保存されます。また口を動かし、自分の声を自分の耳で聞くとき、音韻ループと呼ばれる脳の機能が刺激され、音の記憶に保存されます。

 

英語を思い出す際も、ただ知識・情報として引き出すのではなく、口と音のイメージが密接に結びついたカタチで思い出すことができるので、音読学習によって得た知識は定着しやすいのではないかと考えられるのです。

”視覚”、”聴覚”、”声”など五感を使って音読学習することで、体にその文章を染み込ませるのできます。また黙読だと、無意識のうちに、”理解してしまうフリ”をする可能性がありますが、音読だと、ごまかせません。

 

まとめ

・音読をすることで英語を英語のまま理解することができる

・英語を英語のまま理解するためには、知識記憶に定着させる必要がある。

・記憶に定着させるには、知識を短期記憶から長期記憶に移さなければならない。

・運動記憶と、音の記憶を用いて知識の記憶を補強するため、音読は知識を長期記憶に移しやすい。

 

 - 学習科学研究

執筆者

神農亮