会社を退職してフィリピンのNPO法人セブンスピリットで長期インターンをされたMaoさんに寄稿して頂きました。今回は憧れだった留学から、目的としての留学に変わるまでの意識や考え方の変化について書いて頂いています。

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留学へのあこがれと違和感

ずっと留学をしてみたいなと思っていました。大学生の頃から憧れていて、社会人になったらお金を貯めて自力で実現しよう、という目標を立てて入社をしました。しかし、その目標に対して、徐々に違和感を抱くようになりました。欧米の大学や大学院での社会人留学プランを調べていても、英語を使って「何を」勉強したいのかが分からない。私の描いていた留学プランは、海外で英語を勉強する、ということだけ決まっていて、その以上のイメージがありませんでした。

留学することに固執していた過去

今思えば、これからは英語が使えないと置いていかれる、という漠然とした焦りと、英語を話せる人はかっこいいなぁ、という憧れが強かったのだと思います。当時の私は「海外で英語を学ぶ」以上のことを考える余裕がありませんでした。しかし、留学プランを具体的に検討し始めると、自分の将来像について考える必要性に迫られました。それと同時に、留学という二文字が、私の思考の邪魔をしていることに気付きました。

思い込みとの決別

入社以来、海外留学を夢見て仕事を続けていましたが、4年目の年に「一旦留学のことは諦めよう。留学のことは一切考えず、将来どうしたいかをちゃんと考えよう」と決断しました。漠然と考えるとあっという間に月日が経ってしまうので、1年後までに、少なくとも今の仕事を続けるかどうかを決めることにしました。すぐに答えは出てきませんでしたが、ずっと心に引っ掛かっていた、ある思いと向き合わざるを得ない状況となりました。

音楽で社会貢献?

私は幼い頃から音楽を趣味として続けてきました。プロになるほどの演奏スキルはありませんでしたが、音楽に携わる仕事をしたいと思いつつ、ビジネスのツールとしての音楽には携わりたくないという思いもあり、音楽を仕事にすることは考えないようにしていました。しかし、音楽に何かしら関わりたいな、という思いが、頭から離れることはありませんでした。社会貢献を主軸として考えている団体なら、もしかしたらちょっと違うんじゃないか、と考えていたところ、フィリピンのセブ島にある、あるNPOの存在を知りました。

セブ島のNPOとの出会い

貧困層の子ども達に音楽教育を行うことで、生きていくためのライフスキルを育む、というNPOセブンスピリットの活動内容を見た時、ああこれかもしれない、という直感が頭をよぎりました。私の将来の方向性になんとなく近い気がしました。実は以前、インドでボランティアをした時に、多くのストリートチルドレンに遭遇し、音楽を使ってこの子達に何かできないか、と考えていた時期があり、一つの答えがここにあると思いました。今の会社を辞めて、ここで長期インターンをしよう、と決断しました。

目的ではなく手段としての留学

日本人が運営するNPO団体でしたが、現地スタッフや子ども達との会話では英語が必要でした。当初はインターンと並行して英語を勉強する方法を検討していましたが、短期間で出来るだけ多くの業務に携わりたかったので、インターンが始まる前に、集中的に英語を勉強することにしました。ここでやっと、やりたいことを実現するための「手段」として、留学を考えるようになりました。

真面目に勉強しないと退学?

セブ島にこんなにも多くの語学学校が存在するとは知らず、学校選びは、思ったよりも時間がかかりました。フィリピン人講師との会話レッスンの充実度をアピールする学校が多い中、座学の重要性を強調し、真面目に勉強しない生徒は退学という校則がある、という異色の学校がありました。ここでなら集中して勉強ができそうだと思い、サウスピークへの留学を決めました。

人間は忘却の生き物

会社員になってからは、英語をほとんど勉強していませんでした。TOEICの模擬試験を自宅で解いた時は、大学受験の時に必死に勉強したので、多少は点数が取れるだろうと思っていましたが、結果は想定を遥かに下回る点数でした。英語は継続して勉強し続けないと、驚くほど忘れてしまうと、改めて認識しました。中学英語からやり直さないといけない、長い戦いになりそうだという予感がしました。

迷う必要が無いという安心感

これまでも何度か、自力で英語学習に取り組もうとしたことがありましたが、どの本を選べばいいのか?どうやって進めたらよいのか?と迷ってしまい、結局長続きしませんでした。サウスピークでは、事前に指定教材や進め方についての説明があり、純粋に英語学習だけに集中できそうだ、という安心感がありました。また、フィリピンでの生活についての細かい情報提供もあり、周囲にも安全な場所だと説明することができました。

結局選んだ留学

海外留学を夢見ていた入社時から約5年の月日が経ち、遠回りをしつつも、結果的に「留学」という選択をしました。当初の予定よりも時間はかかりましたが、何のために?を自分の中でしっかり掘り下げることで、留学に対する覚悟がだいぶ変わったように思います。周囲の情報に流されず、自分の意志を、たくさん自問自答して、理解しようとすることが大切なのだと、改めて学びました。

第二回 留学後に現地NPOでのインターンを開始