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第二言語習得論 英語学習

小学校の英語教育の現在と未来 早期の英語教育とは

 

「小学校の英語教育」はどうあるべきなのでしょうか。英語教育の開始時期は、以前から話題となっていますね。今回は、小学校の英語教育について考えてみたいと思います。

 

現在の英語教育はどのようなものか

 

「29年度版 小学校学習指導要領 外国語編」には以下のように記載されています。

小学校では,平成 23 年度から高学年において外国語活動が導入され,その充実により,児童の高い学習意欲,中学生の外国語教育に対する積極性の向上といった成果が認められている。

一方でこのようなこともまた事実なようです。

①音声中心で学んだことが、中学校の段階で音声から文字への学習に円滑に接続されていない

 

②日本語と英語の音声の違いや英語の発音と綴りの関係、文構造の学習において課題がある

 

③高学年は、児童の抽象的な思考力が高まる段階であり、より体系的な学習が求められることなどが課題として指摘されている。

 

また、小学校から各学校段階における指導改善による成果が認められるものの、学年が上がるにつれて児童生徒の学習意欲に課題が生じるといった状況 や、

 

学校間の接続が十分とは言えず、進級や進学をした後に、それまでの学習内容や指導方法等を発展的に生かすことができないといった状況も見られている。

 

現在の小学校での英語教育は、一定の成果とともに課題も多数存在していることがわかります。

 

英語教育で何を狙うのか。どこまで到達したいのか

 

さて、そもそも小学校でどんな英語教育を展開するのかが問題です。「29年度版 小学校学習指導要領 外国語編」には次のように記載されています。

 

急激な少子高齢化が進む中で成熟社会を迎えた我が国にあっては、一人一人が持続可能な社会の担い手として、その多様性を原動力とし、質的な豊かさを伴った個人と社会の 成長につながる新たな価値を生み出していくことが期待される。

ところで、言語能力について、中央教育審議会答申では、「言葉は、学校という場において子供が行う学習活動を支える重要な役割を果たすものであり,全て の教科等における資質・能力の育成や学習の基盤となるものである。

 

したがって、言語能力の向上は、学校における学びの質や、教育課程全体における資質・ 能力の育成の在り方に関わる課題」であるとし、その育成が求められている。

 

このことを踏まえれば、例えば、初めて外国語に触れる段階である小学校にお いては、母語を用いたコミュニケーションを図る際には意識されていなかった、相手の発する外国語を注意深く聞いて何とか相手の思いを理解しようとしたり、

 

もっている知識などを総動員して他者に外国語で自分の思いを何とか伝えようとしたりする体験を通して、日本語を含む言語でコミュニケーションを図る難しさや大切さを改めて感じることが、

 

言語によるコミュニケーション能力を身に付ける上で重要であり、言語への興味・関心を高めることにつながると考えられる。

 

したがって、小学校における外国語教育においては、先に述べた「外国語によるコミュニケーションにおける見方・考え方」のうち「外国語やその背景にある文化を、社会や世界、他者との関わりに着目して捉える」点を重視すべきであると考えられる。

 

小学生を対象とした早期の英語教育では、他者理解・コミュニケーションを重視した指導が求められるようです。英語嫌いを生み出さず、かつ英語を楽しみ、基礎的な英語力をつけ中学校での英語学習につけていく必要があるようです。

 

発音学習ー教師はネイティブレベルの発音でなくてはいけないか

 

さて、次はよく聞かれるテーマ「発音」について述べたいと思います。「正しい発音を身につけるために、英語発音の専門家ではない英語の先生は英語を使わないほうが良い」「完璧ではない発音を聞かせないほうが良い」という意見がまま聞かれます。

 

これに対しての答えとして、「気にしなくとも良い」と言えるでしょう。子供は見本とするべき発音とそうではない発音を区別し、選択することができるからです。

 

香港では、イギリス英語がよいモデルとされていますが、多くの家庭ではフィリピン人のメイドを雇うので、彼らの話すフィリピン英語が子どもに影響を与えるのではないかという心配があります。

 

この問題に関する研究が、2011年の言語科学会(JSLS)で発表されています(Leung,2011)。

 

結論としては、子どもはフィリピン英語の音素の聞き取りもできるようになるが、同時にイギリス英語の音素の聞き取りもできるようになる。また、子どもが話す時には、フィリピン英語で話すことはない、という結果になりました。

 

つまり、多少先生の発音が悪くても、視聴覚教材などによって、ネイティブもしくはそれに近い発音 を聞く機会が十分に保証されれば、子どもは正しい発音を身に付けることが可能だということです。(1)

 

動画共有サイトや英語学有用CDなどを利用してネイテイブの発音に触れることは容易であり、学校の英語の先生の発音を気にする必要は特にないと言えるでしょう。

 

子供の上達が大人より早いのは「十分なインプットがある場合」

 早期英語教育が功を奏するのは十分にインプットできる環境が確保されている場合と言えます。

 

言い換えれば、小学生の英語力上達を望むならいわゆる「英語のシャワー」が必要なのです。

 

現在では動画共有サイトや各種サービスを通していつでも手軽に英語に触れることが可能ですから、十分なインプットという条件をクリアするのは難しいことではないはずです。

 

また、英語多読も選択肢の1つです。英語多読とは英語で書かれた本をたくさん読むこと。比較的やさしい英語で書かれた本をたくさん読むことで、英語力を向上させることがねらいです。

 

小学生に英語で書かれた本は難しすぎるのではと思われるかもしれませんが、絵本などのやさしい本からはじめていけばよいのです。

 

「国際多読協会による多読指導ガイド」によると、多読の特徴は以下のとおりです。

 

 

  1. 学習者は多読によって自然な文脈の中で使われる表現に出会い、言葉が現実にどのように使われているか、教科書を越えて知ることができます。

 

  1. 多読は語彙を増やします。大量の本を読むことにより数多くの単語や文型に何度も何度も繰り返し出会う ため、その使い方が自然に身についてゆき、次にどんな語句や文型が来るのか予測できるようになります。

 

  1. 多読によって、読書の速度が上がり、より流暢に読めるようになります。その結果、脳内における言語の処理がより自動化され、脳に他のことを記憶する余裕が生まれます。

 

  1. 多読によって、自信、やる気、楽しさが増し、読むことが好きになります。それによって、学習者は、言語をさ らに効果的に使うことができます。また、学習者の言語学習における不安感を下げるのにも役立ちます。

 

  1. 多読では、自分に適切なレベルの英語を大量に読んだり、聞いたりするので、英語の読みや聞き取りのよ い習慣が身に付きます。

 

  1. 多読によって英語のセンスが磨かれ、文脈の中で文法がどのように働くのか、勘が養われます。教科書や 他の学習教材も文法パターンを教えようとしていますが、様々な文脈の中で十分に出現していないので、 文法がどのように使われているか深く理解できるまでにいたらないのです。(2)

多読はまさに「英語のシャワー」であり楽しみながら英語に触れることのできる有用な手段と言えるでしょう。

 

まとめると以下のようになります。

 

・現時点での英語教育は積極性や学習意欲などの点で一定の成果が見られているものの、次段階に進む上で課題があり、音声中心で学んだことが中学校以降の学習で生かされていない。

 

・早期の英語教育はネイテイブレベルの発音で行われなくとも、ネイテイブの発音に触れる機会があれば問題なく、現代においては動画共有サイトなどで手軽にネイティブの発音を聞くことができる。

 

・早期の英語教育は「十分なインプットができる環境」があれば効果を発揮する。

 

諸外国での初等英語教育を参考にしながら、将来を担う子どもたちの英語教育について考えてみることは、日本の行く末や日本と諸外国との違いを考えることにもつながります。

 

今後の日本の小学校での英語教育はどうなっていくのでしょうか。

 

参考 (1)「英語教師の為の第二言語習得論入門」

 

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