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ジョン万次郎ー教材もない鎖国時代のアメリカ滞在・英語学習方法とは

出典:万次郎直系5代目中濱京

みなさん、ジョン万次郎をご存じですか?

幕末に難破から渡米して、アメリカ文化と英語を身につけた彼。教材も無い時代、どのように英語を身につけたのでしょうか?

寺子屋に通えず読み書きもできなかった幼少期

英語とアメリカ文化を修めた彼は幼少期から有名な天才児だったのでしょうか?

いいえ、その真逆です。読み書きもできない状態だったのです。

9歳のときに父親をなくした万次郎は家族を助けるために働きに出ていました。もちろん寺子屋に通う余裕なんてありません。

14歳のある日、いつものように漁の手伝いをしていた彼は乗っていた船が遭難したために伊豆諸島の鳥島に漂着。その後通りかかったアメリカ船に救助されたのです。そこから、彼の人生は変わっていくのです。

アメリカ本土へー英語学習とアメリカでの教育

救助された万次郎は、船の中でアルファベットの勉強をしながら一行とともにアメリカへ向かいます。

船長・ホイットフィールド氏の養子となった万次郎はマサチューセッツ州で暮らします。大学では一般教養と航海術・造船技術などを学びました。努力を惜しまず、首席にまで選ばれるほど。

寺子屋にも通えず、教育を十分に受けることもできなかった彼。どのように英語を習得し、大学で教育を受けるレベルにまで到達したのでしょうか?

ジョン万次郎式発音方法

帰国後のジョン万次郎は長崎、高知を経由し故郷の土佐へ戻ります。そこで土佐藩役人の吉田正誉が万次郎の英語まじりの説明を口述筆記し、それが全3巻の『漂客談奇』としてまとめられるのです

出典:https://www.shikoku.gr.jp/about/12

その後、万次郎は口述筆記集の『亜墨利加詞』や『英米對話捷徑(えいべいたいわしょうけい)』という実用定期な英会話集などを次々と記しました。それらに記載されている彼の発音方法は「ジョン万次郎式英語」として有名なので、ご存知の方も多いかもしれません。

教材もなく、日本人に対応できる英語教師もいない時代、彼は1人で発音習得法を生み出しました。それらが『英米對話捷徑』にまとめられているのです。では、「ジョン万次郎式英語発音方法」の1部をご紹介いたしましょう。

<ジョン万次郎式英語発音法>

anything エネセンキ
well ウワエル
country カンツレ
hundred ハンヅレ

(『英米對話捷徑』より)

また、イディオムはこのようになります。

tune up ツナべ
push down ポヲシタン

(『漂客談奇』より)

では、ジョン万次郎自身の執筆による『英米對話捷徑』(1859)からの例をあげて、彼の英語発音の特徴を分析していきましょう。

<子音の連続([-tr-] や [-dr-])に関して>

 a. contrary:カンツレ  b. hundred:ハンヅレ

赤字部分に違和感を覚えるかもしれないが、調音音声学の視点、すなわち聴き取りの観点からではなく、発音する側の観点から考えると a、bはむしろ現代的な「コントラリー」や「ハンドレッド」よりも正確な表記かも知れないことが判明する。

これらの子音連続では、アメリカ英語、イギリス英語を問わず、[t] や [d] から [r] の調音動作に移る時、舌の位置を後方にずらすような動きをする過程で [r] に摩擦音化 が生じ、結果としてそれぞれ [t] は [ts] に、[d] は [dz] に近い発音となる。

<母音に関して>

英語における弛緩母音(緊張を伴って発音されない、鋭くない響きの母音)に分類される [i] は、日本語における「イ」 に相当するというよりは「イ」と「エ」の中間と 見なすのが適当である。

 thick:セッケ(シック?)

 imagine:エマジン(イマジン?)

 anything:エネセンキ(エニシング?)

 coming:カメン(カミング?)

 happy:ハペ(ハッピー?)

次の万次郎式英語表記はこのことを反映し、英語の [i] を「エ」で表記し、 気息音(aspiration)を伴う激しい子音の発音を表現しているものと言える。

同様に、英語の [u] は「ウ」に相当するというよ りは「ウ」と「オ」の中間となる。次の万次郎式 英語表記はこのことを反映し、英語の [u] を「オ」で表記している

  book:ボック(ブック?) 

  look:ロック(ルック?)

まとめると、以下のように言うことができます。

短い英単語に限定した場合、万次郎式英語表記と現代のカタカナ表記の違いは個々の子音や母音において際だっている。

次のような比較的長い英単語や複合語などを見てみると、韻律構造* における違いが見えてくる。

韻律構造:抑揚、強調、音長、リズムなどのこと。疑問文の文末が特徴的になるのも韻律の一種。

  stocking:シタキ(ストッキング?)

  narrow:ナアロ(ナロー?)

  lightening:ライツネン(ライトニング?)

  earthquake:アアサコエ (アースクウェイク?)

  breakfast:プレクハアス (ブレックファースト?)

  grandchildren:クランチルレン (グランドチルドレン?)

flying fish:フライニフイシ (フライイングフィッシュ?)

一般的に万次郎式英語表記の方が,綴り字に忠実な挿入母音がなかったり、聞こえにくい部分を省略していたりするため短く、英語本来の音節構造を保持している。

逆に現代日本語の外来語表記の方が全体として長くなりがちで、アクセントの位置も英語とずれてくる結果となっている。

ジョン万次郎の英語発音を推測する」より

アメリカに渡りたった1人の日本人として必死に生活し勉学に励んだ彼。そんな彼が編み出した方法なら、説得力がありますね。

ジョン万次郎の晩年

遭難後大活躍を見せた万次郎ですが、晩年には英語を自由に使うことができなくなっていたということです。アメリカ人の友人が訪ねた来たとき、英語での会話に苦労したのだとか。

英語を1度習得しても、使い続けなければ忘れてしまうのですね。

今回は、「ジョン万次郎式英語発音」をご紹介いたしました。「英語の母語話者にも通用する英語発音を身に着けたい!」と思っていらっしゃる方は多いはず。

サウスピーク新宿校では、そんな方をサポートする「発音矯正レッスン」を行っています。フィリピン人講師とのマンツーマンレッスンにて、発音矯正が可能です。全6回の発音矯正レッスンを受講いただくと、発音記号の読み方を一通り習得することが出来ます。

発音記記号に関しては読み方を知らない方が多いかもしれません。しかし英語上級者になるために必須である発音記号の理解を通して、英語が話せるようになってきたという実感が湧くでしょう。その達成感があるからこそ、継続して英語学習できるのです。
  

<参考>

ジョン万次郎の生涯ージョン万次郎資料館

ジョン万次郎の生涯ー土佐清水市

ジョン万次郎ー四国の偉人

ジョン万次郎の英語発音を推測する

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