とにかく話せば英語は上手くなる

そんなフレーズよく聞きませんか?

これを聞いて駅前留学、オンライン英会話で受講を検討している方もいるでしょう。

話す、アウトプット重視の学習ノウハウは半分正しくて半分間違ってます

アウトプットは英語学習において非常に重要です。これは間違いありません。しかし、アウトプットだけでなく読み聞きのインプットも英語学習には欠かせないのです。

「アウトプットとインプットの両方大事なんてわかってるよ」と思われるかもしれません。

先に結論を言ってしまうとほとんどの人は大量の英語のインプットができていません。これが英語上達を遅めています。


それは具体的にどういう事なのか、ケースウエスタンリザーブ大学教授の白井恭弘氏執筆の 『英語教師のための第二言語習得論入門』 大修館書店 を参考に本稿で明らかにします。

インプットの重要性

言語学者のスティーブン・クラシェン氏が言語習得においてインプットが重要であることを示す根拠を提示しています。

■インプット中心の外国語教授法が大きな成果をあげている

先生が外国語で指示を出し学生は言われたとおりに動作するという「全身反応教授法」という教授法があります。

授業の7割がリスニングに費やされるインプット中心の教授法です。話す・書く学習には時間をほとんど費やしません。

しかし、最終的には話す・書くといったアウトプット能力は普通の授業と比べて劣らないという結果が出ています。

また、リスニング能力は普通の授業と比べて3倍のスピードで習得されました。

■イマージョン教育が大きな成果を上げている

科目を外国語で教えるイマージョン教育が大きな成果を上げているのもインプットの重要性を示す根拠として提示されています。

カナダにおいて小学校1年生から6年生まで外国語で科目を教えた結果、リスニング力ではその外国語の母語話者とほとんど差がない結果となりました。

子供たちはインプットを与えられ続けることによって言語を習得したのです。

これらの結果は言語習得におけるインプットの重要性を示しています。

大量のインプットによりリスニング/スピーキングに必須の予測文法力がつく

インプットの重要性についてはすべての言語学者の見解の一致するところとなっています。しかし、前提として大量のインプットが求められます。

なぜ大量のインプットなのか。それは大量のインプットによってこそ予測文法力がつくからです。

予測文法力とは簡単に言うと会話において話し相手が次にどのような単語を言うのか予測する能力です。

例えば、会話の中で、I gave him_というフレーズが来ると、無意識に_に当てはまる単語(milk、chocolateなどのパターン)を予測しているのです。

会話では高速で相手の話の意味内容を処理していくことが求められますので、この予測文法力が欠かせません。

予測文法力は言語のリスニング力を左右し、スピーキング力のベースになります。

英語ネイティブ、英語ができる非ネイティブは大量のインプットにより予測文法力を身に付けています。

この予測文法力を養うためには1つの英文に対して「10回音読+10回リスニング」するのを目安にするとよいでしょう。これによりアウトプットの際の英文の出てきやすさが圧倒的に違ってきます。

<文法を理解している>文をインプットする

ただし、インプットではやみくもに大量に読み聞きすると良いわけではありません。

言語学者のビル・バンパタン氏は学習者は文法を理解した上で(言語学的には文法処理と言います)インプットをすべきと主張しています。

インプットにおいて文法処理ができていないと正しい文法で構成された文のアウトプットをできるようにならないことが根拠です。

大量のインプットと少量のアウトプットが重要

ここまで言語習得におけるインプットの重要性について説明してきました。しかし、インプットのみでは十分でないことを示す事実が存在します。

母語と異なる外国語話者が話すテレビを見て外国語を習得した子供は外国語を聞き取ることはできるものの上手く話すことができないのです。

インプットは十分なのにアウトプットができないのです。これを「受動バイリンガル」と呼びます。

インプットは言語習得において非常に重要な役割を果たします。しかし、インプットにプラスしてアウトプットの機会を持つことが言語習得には重要です。

このルールは英語学習にも当てはまります。学習者はアウトプットの機会を持つことで自分が英語で言えないことは何なのか認識できます。自分の英語の単語、文法の知識が不足している箇所を確認できます。

そこを再度インプットで補強してやることで、より効率的な英語学習となります。

インプット→アウトプット→インプット

前述したインプット、アウトプットを組み合わせた効率的な英語学習プロセスは以下のようになっています。

①インプットーリーディング&リスニングで単語、文法を大量にインプット

②アウトプットー話す書くことで不足している単語、文法を認識

③インプットー不足している単語、文法を再度のインプットで補強

上記のプロセスに則り勉強するとより効率的な英語学習となります。

①インプットーリーディング&リスニングで単語、文法を大量にインプット

言語習得では<文法を理解している>文をインプットする必要があると前述しました。それぞれ学習者は自らのレベルに合わせて英文法を学び直す必要があります。

英文法や単語の意味を理解している大量の英文をインプットできるよう多聴&多読する。

②アウトプットー話す書くことで不足している単語、文法を認識

英語の発音や文法を熟知している先生とマンツーマンでインプットした単語、文法を使って話す機会を持つと良いでしょう。これにより自身に不足している単語、文法をチェックする機会を持ちます。

③インプットー不足している単語、文法を再度のインプットで補強

不足している単語、文法を認識し、復習する。