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コラム

「日本を出て海外でキャリアを積む大切さ」シンガポールの起業家・関泰二さん講演会書き起こし【後編】

2019年8月28日

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シンガポールの起業家であり投資家・関泰二さんが語る「日本を出て海外でキャリアを積む大切さ」。後編となります。

【前編】はこちら

(以下、関さん講演会書き起こしとなります。)

活力が失われる日本、テクノロジーが集まるシンガポール

関泰二氏:著名な投資家のジム・ロジャーズは親日的な人物ですが、「もし私が日本人ならば海外へ脱出するか、カラシニコフを持って革命を起こすだろう」ということを言っています。そういった人物も最近日本についてネガティブなこと言い始めているんです。これは内側からはなかなかわからない、外から見て日本はどうなっているのかということを考える一つの手がかりになるでしょう。

今、相対的に日本は小さくなっています。そうした日本の経済をどうしていくべきなのかは外に出るとよく分かります。日本では、生まれる人よりも死ぬ人が多くどんどん活力が失われています。だからこそ、日本を出るタイミングなのかもと思います。シンガポールには、あらゆるテクノロジーが集まります。シンガポールは世界を、シリコンバレーやドイツを見ているので広い視野を持つことが可能です。また、シンガポールではどんどん単純作業が不要になっています。私の会社も単純作業はクラウドワークスでアウトソースしています。必要なのはクリエイティビティの発揮できる人なのです。

有名な話に、子供達は65%が今現在存在しない新しい職に就くというものがあります。例えば、私の下の子供はタクシーの運転手になりたいといっているが、この職に将来性はないです。グーグルやトヨタを筆頭に無人運転が開始されるからです。シンガポールのレストランではドローンによる配膳を試みています。シンガポールでは高度人材は採用しやすい一方、単純作業労働者はそこまで減ってきているのです。Amazonの倉庫もシンガポールにはあるが、無人化が進んでいます。

「これからの時代を生きていくためには、想定外の状況に対応する力が必要」

このように、クリエイティビティがないと東南アジアでもキャリアはつめない状況が広まってきています。働き方も変化が始まっています。クロスコープではレンタルオフィスのスタッフは9時出勤していますが、それはお客様の出迎えが業務に含まれているからです。

一方で、コンサルティングの部隊は基本的にその義務がありません。9時に出勤をするとなると電車やバスの公共交通機関、Starbucks等は必要以上に混雑し非効率的だからです。これは小さい会社だからこそできることですが、「時給で仕事をしてもらっているわけではないので自分で考えて効率のいい仕事をしてくれ」ということを言っています。Skype等を使ったテレビ会話も対応し、テクノロジーの変化にも対応しています。

これからの時代を生きていくためには、想定外の状況に対応する力が必要です。起業や海外で働く意味の一つはそこにあります。例えば、私の収入源は10個あるので、会社に依存することなく建設的な意見を忌憚なくいうことができます。来場者の方々にも、そういった「自分の人生を他人に預けない働き方」を考えてみて欲しいと思います。私も35過ぎて人生が色々好転したので気持ちがわかります。

会社を興す時にどのような形にするのかという話についてです。外資が株式の100%を持てる国はシンガポールくらいです。他にも、現地へ進出してM&Aをする方法や、あるいは進出ではなくても現地の販売委託業者を探すという方法もあります。ここシンガポールではほとんど100%出資の形をとっています。現地で1週間で会社を作ることも現実的に可能です。

その場合現地の在住取締役が必要ですが、大抵は現地の会計事務所の先生などに頼み、増資して自分にVISAが降りれば交代するような方法もとることが出来ます。レンタルオフィスでも300社の手伝いをしてきて思うのは、今やっていることがしっかりしていないとダメだということです。

何かを始めようと思った時時調べる必要があります。今やっていることが現地で通用するか・コスト(人件費・賃料)・インフラ、様々な要件についてです。例えばEコマースなら物流網の整備がどうなっているのか等です。ネットに出ている情報もあるが実際に足で調べる必要があります。色んな人が来て何をやればいいか相談に来るが、いえるのは自分の一番得意なことをやってくれということです。

成熟市場シンガポールでは、「過去の成功体験を捨て、現地を自分の目で確かめ、仮説を立てる」

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あとは、現地でライフスタイルや商習慣を目で確かめて肌で感じて、成功に仮説を持って初めることが大切です。それなしに何となくで進出すれば失敗してしまいます。自分の尺度をもつことが一番大事なのです。ラーメン屋さんをやる時に東南アジアの市場を分類してみました。その結果、成熟市場に当たるのはシンガポールとタイでした。成熟市場は参入障壁が低いことが特徴の一つに挙げられます。

シンガポールの外資規制は殆ど無い一方、消費者は非常に成熟しているので差別化の出来無いサービスは淘汰されることになります。タイは日本人コミュニティが大きくサービスの展開がし易いところが特徴です。潜在市場では拡大する中間層へのアクセスを考える必要があります。

例えば、インドネシアでは大きなモールができたがそういう人が集まる場所での戦略を考える必要があります。 日本のサービスが良いと私達は思っていますが、それだけでは売れないし、お金を払ってくれません。日本のいいものを持っていくことを考える人は多くいますが、現地に合わせて「良いデザイン(=ローカライズ)をする」必要があります。

例えば、シンガポールの会社を答えられる人はいますか?ほとんどの人は答えられないと思います。逆に、日本で知られているものでも、シンガポールでは知られていないということです。それは、過去の成功体験を捨てる必要があるということです。昔、ある日本発のうどん屋がありました。本物の味を伝えたいという想いから素材をどんどんいい物に変え、利益体質の悪化から最終的にその店は潰れてしまいました。

「日本の食文化を届けること」と「商売を成功させること」は全く別物だということです。現地の少数の日本人向けのサービスもありますが、ターゲットを誰にするかということは常に考える必要があります。

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↑シンガポールで上場している「栄寿司」。

一方で、栄寿司という会社があります。得体のしれないネタが流れ、いつもおいしいお寿司を食べている日本人からすれば一分で帰ろうと思うような出来ですが、この会社は上場までしています。シンガポールは1人5万円コースの寿司屋ばかりなので、それを食べることのできない人たち向けにサービスを提供したのか勝因です。「誰に売りたいのか」というのを考え抜いているわけですね。得体のしれないものでもターゲッティングに成功して商売を上手く回した例といえます。

また、スープストック東京では当初はボルシチが絶対の美味しいし流行るので看板メニューにしようといったのですが、実際は仏教系の人達は肉の塊は食べないそうです。ターゲットは30代の女性で試食会もしましたが、下から二番目の評価でした。

日本の成功体験を引きずってはいけないということです。シンガポールでドレッシングを売りたいという会社がありました。日本では固定概念でサラダに使うものというイメージですので、当初はその路線でBtoBで売り込んでいきたいという話でした。

しかし、シンガポール人はまだサラダは食べる習慣はありません。若い人はサラダを食べ始めているものの、欧米外資系勤務の一部の人達だけです。マーケットが小さかったのです。そこでシンガポールのソウルフードのチキンライスに目をつけました。

これは色んなタレを付けて食べるものなのですが、試しにシンガポール人の目の前でドレッシングを鶏肉につけて食べて貰ったら評判が良かったのです。売り方や企画をうまくプロデュースすることが大切ということです。ローカライズが肝となる中で製造工程から変更することは非常に困難なので、売り方見せ方というものが大事になります。みんなに常に新しいモノを求めていますので、常に自分のアンテナを高く張っておくことが重要です。

「最初から東南アジア全域を見据えておくこと」

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↑「一風堂」に対して差別化戦略を打ち出す「豚骨火山ラーメン」

あとは、商品やビジネスを作る時に初めから東南アジア全域を見据えたものにすることが大切といえます。新しい物を常に追い求める土壌はあるのでそこにアンテナを貼ることが大切です。豚骨火山ラーメンではスープを300度に熱した器に注ぎフタをすると噴火するというエンターテイメント性を付加しました。食品の差別化要素としては例えば味を変えるという方法もあるが、その路線では一風堂に絶対勝てないと感じたからです。だから食べ方そのものを変えました。

それが、シンガポールで流行しタイではテレビで取り上げられたのです。 自分のやりたいことがその国でできるかどうかが大切です。そういった意味で、起業する地域は大切です。BtoCのビジネスならインドネシアやフィリピン等でやったほうがいいです。コンサルティングや会計などの特殊スキルがあればどこでも食べていけます。

また、事業が決まるまで家族を呼ぶべきではないでしょう。資金調達は私の場合は日本から調達してきました。現地の金融機関からお金を借りるのはむずかしいからです。とはいえ、シンガポールには世界中の金融機関等が集まっているので可能性はあるとは思います。Exitを考えてみることも大切でしょう。日本で起業する数倍は覚悟が必要でしょう。

「その国の第一人者になる」

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福山太郎さんという起業家に注目してみてください。シンガポールからシリコンバレーに移りビジネスをしている、日本人で最も有名な起業家です。彼は現地のアメリカ人を雇って働いています。新卒でシンガポールに現地採用され、様々なことを学び、それを活かしています。

26%、この数字は日本人のパスポート保有率です。一歩踏み出して海外に飛び出た人は、その国の第一人者になれるチャンスがまだまだあるということです。

私の場合はシンガポールに可能性を感じた、そして政府系機関(シンガポール国際企業庁)に採用されるというラッキーが重なったことで、この国の第一人者になることが出来ました。今で言えば、ラオスやミャンマーの第一人者は聞いたことがないのでチャンスでしょう。

また、「空気を読まずに作る」ことが大切です。うまくいかないのはその国の事情のせいではないです。この国はこうだからと言い訳をするようならチャレンジしないほうが良いでしょう。

日本人以外のコミュニティに入り込んで学ぶことや異文化にいることを楽しむことも大切です。身体を鍛えて保証のうすい現地採用として対策をする必要もあります。なんでも食べましょう。その国の歴史を理解しましょう。シンガポール人が日本人によってたくさん粛清された過去を知らずに、シンガポールに来る日本人も多いです。幸薄い人ではなくイキイキした人・熱のある場所に行くことです。そうすることで自ずとチャンスは集まってきます。正しい時に正しい場所にいることが大切なのです。

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以上、シンガポールの起業家・投資家の関泰二さんの講演でした。

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