英語力を測る試験として、日本人に最も人気のある試験の一つに、TOEIC LR(以下TOEIC)が挙げられます。
TOEICは主に、英語のリスニングとリーディング力を測る試験で、最高スコアは990点です。
英語学習者の中には就活や転職活動に備えて、TOEIC850点以上の高得点の取得を目標にしている人も多くいると思います。
しかし、TOEIC850点の英語力が具体的にどの程度のものなのか、そして取得するとどんなメリットがあるのかを、理解していない人も多いのではないでしょうか?
そこで今回の記事では、TOEIC850点の英語力と取得するメリット、勉強方法についてご紹介します。
この記事が、英語学習者のモチベーションの向上に繋がれば幸いです。
TOEIC 850点レベルの英語力とは
TOEIC850点は東京大学の文系学部・院生の平均スコアともいわれ、日本人の中では「英語上級者」として扱われるレベルだといえます。
また、企業の国際部門で活躍するビジネスパーソンに期待されるスコアが655〜855点といわれていますから、TOEIC850点を取得していれば国際部門での勤務も可能です。
2012年から英語公用語化を実施して話題となった、楽天社員のTOEIC L&R試験の平均点は830点以上に到達しています。
毎日英語で業務を行っている楽天社員の平均点よりも高い850点なので、TOEIC850点レベルの英語力があれば、基礎的なビジネスにおけるコミュニケーションを取れることがわかりますね。
さらに掘り下げて話していきます。
TOEIC850点レベルの英語力とは、高校で学ぶ英文法・英文読解といった基礎的な内容を確実に身につけ、理解できる水準です。
そのため、時間をかければネイティブが読む英字新聞や洋書なども理解することができます。
基本的な聴き取り能力もあり、ゆっくりであれば、あまり馴染みのない分野の英語であっても耳で聴いてそのまま理解可能です。
背景知識を多く持っていたり、馴染みのある分野や内容であれば、テレビ・ラジオ・映画といったネイティブが普段話すそのままの英語であっても、単語や表現を聴き取ることができ、なんとか全体の意味を推測できるでしょう。
※これは余談ですが、本当に英語力が高い日本人の場合、TOEIC L&R試験を無対策でも800点台には到達できます。
TOEIC850点レベルを目指す勉強方法・教材
TOEIC L&R試験で850点を目指すために必要となる学習方法と教材を「英文法」「英文読解」「リスニング」の3点を軸にご紹介します。
1.英文法の勉強法|TOEIC 850点を獲得するために
TOEIC800点台を獲得するには、高校で学ぶ英文法をもれなく理解している必要があります。
知識がある上で、正確に素早く問題を解いていけるかどうかが、600点から800点へとスコアアップするための鍵です。
以下は、TOEIC850点を取得するために使用すべき教材です。
高校英文法について一通り不明点がないか確認するための参考書です。
学習方法……最低2周し、丸暗記することよりも理解することを優先して読み進めましょう。
別冊の回答英文をリスニングCDを使って暗記するまで聴き込んでください。
品詞分解ができるようになるための本です。
文法が弱い人達は品詞分解ができない人が多いので、自覚がある人は取り組んでください。
「高校英文法をひとつひとつわかりやすく。」で学んだ内容をさらに深く定着させます。
学習方法……最低2周し、丸暗記することよりも理解することを優先して読み進めてください。
また、空き時間には復習としてリスニングCDを聴きこみましょう。
P122からの「音読用英文の一覧」は暗唱できるようになるくらいに音読することをおすすめします。
上記2冊の本で基礎を固めてから、次はTOEIC L&R試験のPart5、6(文法問題)向けの参考書を用いて、学んだ内容を定着させましょう。
※アルクにダウンロード音源有り
※Febeにダウンロード音源有り
一点注意事項を挙げると、上記の英文法参考書は解きっぱなしにしてはいけません。
解けなかった問題はかならず解説を読み、どうして解けなかったかを、しっかりと理解しましょう。
英文法の理解が曖昧だったのであれば、参考書の該当箇所を読み返し、100%理解できているか確認します。
そして、内容を理解した上で繰り返し音読し、リスニング音源を聴き込みましょう。
音読&リスニング学習を通じて、英文法の理解がさらに深まり、試験問題のパターンに慣れることができます。
そうすれば、問題を目にした瞬間にほぼ自動的に答えを見抜くことができるようになるでしょう。
数多くの問題集に手をつけるのではなく、ここで紹介している参考書を着実に仕上げてください。
紹介した英文法教材には全て復習用のリスニング音源が付属しているため、通勤・通学時間に完全に暗記できるようになるまで聴き込むことをおすすめします。
2.リスニング・英文読解の勉強法|TOEIC 850点を獲得するために
リスニング・英文読解の精度を上げるためには、まず英文を読むこと自体に慣れること、そして、英語の語彙を増やすことが必要となります。
この2冊の公式本で4回分の模試をやり込むだけで、TOEIC 800点台に到達することは可能です。
この2冊が難しく感じる人の場合には、下記の3冊を必要に応じて使用してください。
◆Listening Partが300点に満たない人向け
◆Reading Partが300点に満たない人向け
◆英単語力に不安が有る方向けの英単語帳。
特にReading Partの点数が低い人に有効です。
1日100個の英単語の暗記を行い、2周してください。
これらの参考書に登場するすべての英語表現を暗記するくらいに繰り返し解き、英文法と同様、解けなかった問題を次回以降確実に解けるようにしましょう。
それと同時に、問題に使われている英文を精読します。
一文一文を品詞分解した上で、知らない単語・英文表現は必ず辞書もしくは参考書で調べて、暗記するようにしてください。
3.多読・多聴の勉強法|TOEIC 850点を獲得するために
2.で紹介した参考書の読み込みが一段落した時点で、多読・多聴学習にも着手してください。
これは、TOEIC 700点台対策の学習では行わなかった、800点以上を目指す人のための学習方法です。
TOEICテスト新公式問題集で使用していないVol.5以前のものを、片っ端から読み、またリスニング音源を聴き、未知の英文を理解する能力を高めましょう。
入門ビジネス英語を毎月購入するのが億劫な方は、2015年のものが総集編として出版されているので、そちらを使ってみてください。
ニュースで英会話に関しては、下記に詳細情報が記載されているので参考にしてください。
「TOEIC L&R試験向け参考書を使った精読」と「興味が持てる教材を使った多読」を交互に繰り返すことにより、語彙を増やし、英文を読むこと自体に慣れます。
それによってより速く、かつより正確に英文を読み、聴けるようになります。
TOEIC 850点レベルに届いた卒業生たち
地道な学習を重ね、見事TOEIC 850点相当に到達した卒業生のサウスピーク留学体験談をご紹介します。
上記のテキストや勉強方法に沿って学習を進めることで、英語力UPに成功したみなさんです。
ぜひ彼らの体験談を読んで、今後の英語学習の道のりをイメージする手助けとしてください。
3ヶ月で平均TOEIC226点UPする語学学校
今回はTOEIC850点レベルの学力分析、スコアを上げるための勉強法をご紹介しました。
3ヶ月でTOEICのスコアを平均226点上げるサウスピークでは、TOEICスコアの向上だけではなく、英語の4技能(話す・聞く・読む・書く)のすべてをバランスよく向上させる学習カリキュラム、学習環境を用意しています。
授業以外も「24時間英語漬け」の校舎で、EOP(English Only Policy)つまり徹底した日本語禁止の生活をおくることができます。
サウスピーク・日本語禁止校では、入学条件としてTOEIC(R)試験 600点以上(もしくはそれに相当する英語力)という条件を設けることで、どの語学学校も徹底することができなかった完全な英語環境を実現しています。
日本語禁止校で発音指導をするフィリピン人講師。
条件を設けない誰でも入学できる環境であれば、日本語で話し出したり、あるいはずっと沈黙してしまう生徒が出てきてしまい、英語でのコミュニケーションが成立しません。
そのためサウスピーク日本語禁止校では「最低TOEIC 600点」という入学条件を設定しました。
英語力向上だけでなく、英語学習の成果を就職・転職を含めた皆さんの人生におけるキャリアパス開拓に繋げることが我々サウスピークのミッションであり、やりがいだと考えています。
サウスピークの留学を通して英語力という武器を得ることで、人生におけるアドバンテージを獲得していただければと思っています。
TOEIC850点の就活・転職における評価
TOEIC850点を取得するメリットについて、大学生と社会人に分けて紹介していきます。
【大学生の場合】
大学生にとって最もTOEICスコアを有効活用できるのは、就職活動のときでしょう。
2013年には、上場企業の約7割が、新入社員採用の際にTOEICのスコアを参考にしており、その上565点以上のスコアを期待しているというデータが出ています。
2013年時点で約7割の企業が採用時に「TOEICスコアを参考にしている」と回答
また一般的に、就職活動の際に履歴書に書けるTOEICスコアは、600点以上といわれています。
そのため就活前の大学生が、TOEICで850点を取得していれば、企業からの期待値を大きく上回れるケースが多いので、ぜひ大学生のうちに850点以上のスコアを獲得しておきましょう。
【社会人の場合】
社会人の場合、会社内での「異動・昇進・昇格」の際に、規定以上のTOEICスコアを求められることが多いと考えられます。
上記の写真にある通り、2013年時点で中途採用社員に期待しているTOEICスコアは710点というデータが出ています。
そのため社会人にとっても、TOEIC850点は自身の能力をアピールする上での武器になり得るのです。
つまり、TOEICのスコアを上げれば収入も上がるということです。
英語を学ぶことで収入アップに直結するのであれば、学ばない手はないでしょう。
おわりに
今回の記事では、TOEIC850点に到達するための学習方法やメリットについてお話しました。
このレベルの英語力に到達するには、長時間の英語学習が欠かせません。
400点スタートの場合……約1,250時間の学習が必要
600点スタートの場合……約750時間の学習が必要
仮に日本で1日3時間の学習を毎日続けたとした場合、1ヶ月約80時間なので、TOEIC400点台の人が800点まで到達するには、1年3ヶ月程度かかってしまう計算になります。
そもそも毎日3時間の学習を、1年以上続けるのはなかなか難易度が高いですよね?
その点サウスピークであれば、1ヶ月で平均して250時間もの時間を英語学習に割くことができるので、5ヶ月の留学で必要学習時間を満たします。
この数字で比べた場合、サウスピークの留学のほうが3倍も学習効率が良いのです。
短期間で効率的に英語力を伸ばしたい方は、ぜひサウスピークへの留学をご検討ください。
また以下の記事では、フィリピン留学のメリットや失敗パターンについて詳しく紹介しています。
せっかく留学するからには、有意義なものにしたいですよね?
フィリピン留学を成功させて圧倒的に英語力を伸ばしたい方は、ぜひ一度ご覧ください。
TOEICスコア別分析記事シリーズ
今回はTOEIC850点台についての学力分析、スコアUP勉強法をご紹介しました。
サウスピークではTOEICスコア別にその英語力や学習方法をご紹介していますので、ぜひ英語学習の参考にしてみてください。