セブ島の治安は実際には危険? それとも安全?

(1)スリや置き引きなどの軽犯罪には細心の注意が必要

(2)日本と比べると治安は悪いが、国際的に見たら際立って悪いわけではない

(3)大統領が代わって、フィリピン全体の治安は年々良くなっている

フィリピンのセブ島、観光地ではない地域の景色。典型的な発展途上国の街並みです

1.スリや置き引きなどの軽犯罪には細心の注意が必要

フィリピンなどの発展途上国の治安に、危険な印象を持つ日本人の方は多いと思います。

実際に、フィリピンの治安は日本よりも危険度が高いと言えるでしょう。フィリピンは発展途上国なので、貧しい暮らしをしている人が多く、観光客を狙ったスリなどの犯罪が起きることは珍しくありません。

それでも語学学校サウスピークがある地域は、フィリピンの中でも比較的安全です。そもそも語学学校を危険な場所に建ててしまうと、お客さんである留学生は来てくれませんし、そこで働く日本人スタッフを雇用することも出来ないからです。

サウスピークでは今まで4,000名以上の生徒が卒業してきましたが、生徒が重犯罪に巻き込まれたケースは一度もありません。

ただし、先進国(日本)と発展途上国(フィリピン)は違う、ということは必ず頭に入れておいてください。実際に、生徒がお金を盗難されたというケースや、携帯を盗難されたということは何度かありました。

下記のような犯罪が頻度が高いものですのでご注意ください。

スリなどの窃盗

ジプニー(乗り合いバス)の写真

盗難は様々な場面で発生します。ジプニー(乗り合いバス)に乗っている際に、カバンから貴重品を盗まれたり、ダウンタウンなどの治安の良くない場所で高価な物を持ち歩いていると、ひったくりに遭遇する場合があります。

ジプニーはセブ島の公共交通機関ですが、車内は薄暗く、隣の人と密着しながら座ることもよくあります。最初から身体の一部が接触している状況では、自分の持ち物が取られたとしても気づきにくいものです。スリを行う側からすると絶好の環境ですから、気をつけてください。

ジプニーの中でスリがよく使う手口としては「小銭を落としてそれを拾ってもらう間に盗む」「1人がターゲットに話しかけ、反対側にいる人がスリを行う」「髪にガムがついているよ、と教え、その対処をしている間に盗む」などがあります。

このようなシーンに遭遇した場合には、スリの犯行グループに対して絶対に抵抗してはいけません。お金やモノで身が守れれば安いものと考えましょう。素直に犯人の要求に応じることが身を守る1番の方法です。

(※)語学学校サウスピークでは生徒の安全を考慮して、ジプニーの乗車を禁止にしております。

ストリートチルドレンによる窃盗

ストリートチルドレンによる窃盗は、セブ市内で非常に多く報告されている犯罪です。コロンストリートのようなダウンタウンだけではなく、ロビンソンズ等のモールがあるオスメニアフエンテや、そこから少し東に歩いたところにはあるマンゴースクエア周辺にも多くのストリートチルドレンがいます。

このような場所を訪れる留学生や観光客の数は少なくありません。そこを歩いていると、ストリートチルドレン数名が近寄ってきて取り囲まれる場合があります。一方に気を取られている間に、もう一方が鞄の中などから貴重品を盗むという手口です。

これと類似の犯罪としては、単独、あるいは複数名の女性に「マッサージ」などと話しかけられながら、体を触られた際に携帯を盗まれる、というパターンの窃盗も複数報告されています。

ショッピングモールで話しかけられ、話している間に窃盗の被害にあう

人が多く集まるセブ市内のショッピングモールの中でフィリピン人に話しかけられ、話し込んでいる最中に貴重品を盗まれてしまうケースも多く報告されています。

よくあるケースとしては「自分たちの子どもが日本の大学に行っているから話を聞かせて欲しい」などと話しかけて来る中年の夫婦が多いようです。特に、その2人に挟まれるように座られた場合には気をつけてください。片方と話し込んでいる間に、もう片方に貴重品を取られる被害が多いです。

基本的に観光客や留学生がよく行く場所で面識のないフィリピン人から話しかけられた場合、その人達はあなたに「悪意」を持っていることが多いです。会話に応じず、速やかにその場を立ち去るようにしましょう。

また、バッグ類は、安易に椅子の後ろにかけたりテーブルの下に置いたりせず、常に目の見える場所で確実に管理することが大切です。

仮に自分がスリにあったと気づいた場合でも、犯人を自分で追いかけることは非常に大きな危険を伴うのでやめておきましょう。

2.スリ以外に日本人がよく巻き込まれる犯罪とは

スリ以外で日本人の旅行者や語学留学生が気をつけるべき、フィリピンでの犯罪をまとめました。

トランプ詐欺

トランプ詐欺とは以下のような犯罪です。

見知らぬ人から「自分の妹が日本に今度行くので日本の友人を探している」「日本のことを教えて欲しい」などと言って巧みに誘われ、自宅やその他見知らぬ場所に連れて行かれます。
その後、トランプを使ったギャンブルに誘われお金を騙し取られます。


セブ島に来る語学学校の生徒の中にも騙される人がいるようです。

これは、最初に知らない人についていかなければ防ぐことのできる犯罪です。繰り返しになりますが、基本的に観光客や留学生がよく行く場所で面識のないフィリピン人から話しかけられた場合、その人達はあなたに「悪意」を持っていることが多いです。会話に応じず、速やかにその場を立ち去るようにしましょう。

もしも会話に応じてしまった場合でも、いきなり現地の人に家に招待されたり、他の場所に移動しようと誘われた時には、今一度、相手やその状況を疑ってみてください。

睡眠薬強盗

睡眠薬強盗は、上記のように誘われた後、睡眠薬入りのドリンクを渡され、眠った後に金品を盗まれてしまう犯罪です。上記と同様に、知らない人にはついていかないという基本を守ることが重要です。

サウスピークでは睡眠薬強盗の被害は一例もありませんが、塾長の柴田が以前に所属していたセブの語学学校では大学生が実際に睡眠薬強盗に遭っていました。最悪、命を失う恐れすらありますので、見知らぬ他人と一緒に食事をしたり、また見知らぬ他人からもらったものを口に入れるのは避けましょう。

現地人とのトラブルを起こした末に、恐喝される

旅行客や語学学校の生徒の中には、現地のフィリピン人と口論などのトラブルを起こす人がいます。どちらが悪いかについては様々なケースがあるので一概には言えませんが、フィリピン人とトラブルを起こすと残念ながら外国人はかなり不利になります。警察などが間に入り、最終的には恐喝されるように示談金を請求されてしまうことがあります。

また、フィリピン人女性とホテルへ行ったところ、フィリピン人警官が部屋に来て脅されたというケースや、極端な例ではクラブにて薬物の売買を持ちかけられ、購入した後にフィリピン人警官に「薬物を持ってないか検査する」と言われ、その後脅されてしまうケースなども報告されています。

これらは、フィリピン人と警官(あるいはニセの警官)がグルであると考えられるので注意が必要です。

こういった女性関係や薬物に関わる犯罪は夜の盛り場で起きますので、普通の留学生はこういった場所(セブ島の場合、マンゴーストリートなど)に近づかないようにしましょう。

万が一、お金や貴重品を盗まれてしまったら

盗難に気付いたら、なるべく早く「City Hall」に行き、ポリスレポート(被害届)をもらうための申請書類を取りに行く必要があります。

(※)City Hall……市庁舎。市が行政事務を行うために使用している建物のこと。City Hallはカルボンマーケットの近くにあり、比較的治安の悪いところに位置している。

申請書類を受け取ったら、盗難にあった近くの交番に行き、申請書類と引き換えにポリスレポートを発行してもらいます。ポリスレポートは保険金を受け取る際に重要な書類です。

その後、各自が加入している保険会社に盗難被害を連絡して完了です。後日、保険会社から保険金を受け取る流れとなります。加入している保険内容によっては、被害額全額が支給されない場合もありますので、ご注意ください。

また、上記で警官がグルになっている例を挙げましたが、交番に行く際は、まず語学学校のスタッフに相談して付き添ってもらうか、現地に精通した人と行くことをお勧めします。

3.セブ島の治安指数は、国際的に比較すると実は悪くない!

ここまで、フィリピンで日本人が遭遇する軽犯罪に触れてきました。

では「フィリピンの治安は悪いですか?」と聞かれた場合なんと答えるべきでしょうか?

答えは「Yes」でもありますし「No」とも言えます。

最初に申し上げたように、単純に日本と比較した場合には、間違いなく「Yes」です。しかし、日本は世界でも稀に見る治安が良い国です。高価なスマートフォンをカフェの机に置きっぱなしにしても盗難されない、女性が一人で夜道を歩いても問題がない、こういったことは普通の国では「非常識」とされています。このような「非常識」が許されるほど治安が良いのが日本です。これは先進国の中でも非常に珍しいことです。

そのような日本の特殊性を踏まえて考えると、フィリピンは欧米やその他アジアと比較しても際立って治安が悪いわけではないのです。

ロンドンとセブ島の犯罪率を比較した図。データ元はNumbeo

世界各国の犯罪率が分かる世界最大の情報サイト「Numbeo」(※)によると、汚職や賄賂問題以外の全ての犯罪項目(過去3年間の犯罪の増加、暴行・強盗への懸念、薬物の使用や取引の問題など)でイギリスよりも低い数値に留まっています。

(※)Numbeo……データ元は一般ユーザーの投稿をベースにしており、意図的な操作も不可能ではありませんが、多くのユーザーが投稿しているためかなり公平性・信憑性のあるデータと言えるでしょう。

次にフィリピンの大都市マニラと比べてみましょう。全ての犯罪項目においてセブ島はマニラよりも低い数値に留まっています。

4.大統領が代わって、フィリピン全体の治安は年々良くなっている

フィリピン国家警察が発表した2017年の全国犯罪統計によると、犯罪発生件数は、前年比で約6.5万件(約11%)減少しています。殺人事件は約0.9万件(前年比約23%減)、強盗事件は約1.6万件(前年比24%減)がそれぞれ報告されており、この犯罪件数の減少はドゥテルテ大統領の政策によるものだと考えられます。

ドゥテルテ大統領は、2018年にアメリカの経済誌Forbesによる「世界で最も影響力のある人物」の69位にランクインした人物です。ランクインの理由には、ドゥテルテ大統領の良くも悪くも過激な政策にあります。彼が行った取り組みの1つに「麻薬撲滅運動」があることをご存知でしょうか?

ドゥテルテ大統領は麻薬関連の犯罪者に対して厳しい取り締まりを行いました。

この麻薬撲滅運動で、警察によって殺害された薬物使用者の数は2,166人にもおよびます。その上、ドゥテルテ大統領は民間人による薬物使用者の殺害を認めています。そのため、民間人が殺害した人数を合わせると、6,000人を超えると言われています。

ここまでの話からドゥテルテ大統領の政策はとても残忍に思えるかもしれません。しかし、この過激な運動によって、警察官の数が増え、薬物犯罪以外の強盗や婦女暴行、スリをはじめとした犯罪も連鎖的に減り、治安が良くなったという声も聞こえます。

しかし、日本と比べると犯罪件数は未だかなり多いのが現状です。その件数は、殺人事件が日本の約10倍、強盗事件は日本の約9倍です。そのため、出かける際には細心の注意を払い、行動する必要があります。

5.セブ島を観光する際に気を付けるべき地域・場所はどこか

セブ島危険な地域のマップ

①マンゴーストリート危険度★★★☆☆

マンゴーストリートには日本食レストランをはじめとした飲食店、クラブやバーといったお店が多く、たくさんの観光客が訪れる場所です。しかし、深夜になるとフィリピン人娼婦が多く集まり、日本人などの外国人観光客や留学生がターゲットにされるため、注意が必要です。


レディーボーイ達(女性に扮した男性)がマンゴーストリートでたむろしている様子

レディーボーイとは女装した男性、または男性から女性に性転換した人を指します。彼女たちと目を合わせるとほぼ間違いなく話かけられます。ホテルに行こうと誘われ、その後、金銭を要求されます。もし話しかけられてしまったら、足早で歩いて無視することが対処法です。


②コロンストリート 危険度★★★★☆

深夜のコロンストリート。深夜にもかかわらず多くのフィリピン人がいます

コロンストリートには、サントニーニョ教会やマゼランクロスを目的に訪れる人がいます。しかし、コロンストリートはセブ島のダウンタウンです。周辺にはフィリピンの貧困層が多く集まるため、セブ市内で非常に治安が悪い地域の1つと言われています。特に夜になると娼婦やストリートチルドレン、薬物使用者が集まります。


観光のためにコロンストリートを訪れる場合には比較的安全な昼頃(11時〜15時)に行くことを強くお勧めします。そのときも、1人では行動せず、集団で行動してください。暗くなると治安は一気に悪くなるので、遅くても18時頃までには必ず帰宅するようにしましょう。

③カルボンマーケット 危険度★★★★☆

コロンストリートのさらに奥には、カルボンマーケットと呼ばれる大きな市場があります。カルボンマーケットはセブ島の観光ガイドブックにも紹介されていますが、このマーケットに集まる主な客層は低所得層のフィリピン人のため、観光客が行くのはお勧めできません。買い物をしている最中にスリの被害に遭う可能性が非常に高いからです。
「地球の歩き方」にも掲載されているため、観光で行くことを検討されている方がいるかもしれませんが、止めておいた方が良いです。


6.サウスピークが行っている治安対策

サウスピークオリジナル校舎(ウィンランドタワー)を警備しているガードマン

学校の玄関の前にはガードマンが常に待機しており、不審者の侵入を防いでいます。

治安対策(1) 指紋認証システムの導入

学校の玄関には、カードキー及び指紋承認システムを導入しています。ガードマンと指紋承認システムがあることで部外者が学内に入れないようにしています。

フィリピンでは、一般家庭においても門などでセキュリティを確保することは一般的ですが、サウスピークではより確実に人の出入りを管理することが可能な、これらのシステムを採用しています。

治安対策(2) 安全対策会議へ出席

セブ島にある語学学校同士が半年に一度集まって安全対策会議を開いています。そこでセブ島の治安情報や、語学学校の生徒が巻き込まれた事案を共有することで、学校の運営に活かしています。

また、この安全対策会議では、フィリピンの日本国大使館や、日本人がフィリピンの病院へかかる際に手助けをしてくれるジャパニーズヘルプデスクなどからの最新情報も共有されています。サウスピークではこれらの情報を元に、留学中に何らかの問題が起きた場合、生徒の方々の問題解決をお手伝いしています。

会議で報告される事案の内容を聞いていると、驚くほど似通った事例が多いです。典型的な犯罪の手口に関しての知識を蓄え、生徒の方々に注意喚起をするだけでも、実際に巻き込まれてしまう事例を減らすことができます。

治安対策(3) 学内オリエンテーション

留学初日の生徒さんにオリエンテーションを実施している様子

新入生にはセブ島到着翌日に実施しているオリエンテーションの際に、セブ島での生活においてどのような治安上のリスクがあるのかを包み隠さず伝えています。語学学校サウスピークでは、乗り合いバスのジプニーを利用すると犯罪に巻き込まれる事例が多いことを踏まえて、ジプニーの利用を禁止しています。移動手段としては代わりにタクシーを使用しましょう。

そしてまた、セブ島でよく報告されている典型的な犯罪の手口も交えながら、具体的な治安対策について説明しています。

犯罪の手口に関する情報を事前に知ることによって、実際に自分が似た状況に陥った際に気づくきっかけとなります。フィリピンという異国にて自分を守ってくれるものは情報・知識です。

具体的な安全対策についてさらに詳しいことを知りたい方は、引き続き下記の記事を読み進めて下さい。

7.最後に犯罪に巻き込まれないための5箇条

(1) 知らない人に付いて行かない

(2) 危険な場所に行かない

(3)貴重品を放置しない

(4) 深夜に外出をしない

(5)日本で普段しないことを留学中にあえてしない

とても基本的な内容のため「馬鹿馬鹿しい」と思われるかもしれません。しかし、この当たり前のことが出来ない人達が犯罪に巻き込まれています。特に危険だと分かっている場所(夜のマンゴーストリート、ダウンタウンにあるカルボン・マーケット)に無計画で行く人が犯罪にあっています。

日本では危険な行動をしない、危険な地域に足を踏み入れないという人も、フィリピン、特にリゾートというイメージのあるセブ島に来ると気が緩んで「少しならいいかな」と思ってしまうこともあるでしょう。自分の身を守るためにも、この記事に記載されている内容を絶対守っていただきたいです。