サウスピークのセブ島語学留学日誌

「シンガポールで起業するとは?」シンガポールの起業家・関泰二さん講演会書き起こし【前編】

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2015年末、タイ・バンコクで「アジアで活躍する人材とは!?」というテーマでイベントが開催されました。今回は、イベント中のひとつのプログラムであったシンガポールで活躍する起業家であり投資家・関泰二(せき しんじ)さんの講演会の文字起こしを掲載します。

「アジアでキャリアを積みたい!ゆくゆくはアジアで起業したい!という方の一助となれば幸いです。(神農)

前編は、関さんのキャリア、シンガポールという国とシンガポールで起業するメリットについてです。

(以下、関さんの講演会書き起こしとなります。)

インキュベーションオフィス、ラーメン屋、おにぎり屋さん等幅広く経営

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↑関さんの経営するインキュベーションオフィス「クロスコープ」。サウスピーク新宿オフィスも、「クロスコープ新宿」に入っています。

関泰二氏:非常に幅広い活動をしています。 まず、クロスコープというインキュベーションオフィスをやっています。シンガポール・ジャカルタ・マニラ・ホーチミン・東京でレンタルオフィスを運営しています。累計300社程のシンガポール進出スタートアップを支援してきました。

次に、飲食業の業態開発も行い、豚骨火山ラーメンというラーメン屋さん・サムライスというおにぎり屋さんの経営をしています。 また、政策リスクの分析を田村耕太郎さんという元参議院議員・公共政策大学院の先生と共同で行っています。

さらに、シンガポール企業と合弁会社を起こして、対日本の投資活動もしています。コンサルティングサービスを3ヶ月90社程のペースで行っています。また地域創生活動の一環として、新潟の食を応援しています。自己資本の絡まない活動としては、投資銀行であるリサ・パートナーズの役員を務め、日本政策投資銀行と中長期ファンドを立ち上げ、日系企業のシンガポール進出へ投資活動を行っています。

シンガポールの国際企業庁で唯一の日本人として働く

20代前半には国際協力のようなことをしていました。しかし、そこで現状打破を決意し早稲田大学大学院に社会人入学をしました。院の同級生の中国人と上海・東京にて投資コンサルティングの会社を起業したものの、事業撤退(譲渡)しました。その後、東京のコンサル会社で民間企業の新規事業開発を経験しました。

次の転機は、シンガポール国際企業庁(International Enterprises Singapore)にて働く経験ができたことです。ここでは、シンガポール企業の日本進出を支援する等、JETROのシンガポール版のような業務内容でした。そして、30代後半でシンガポール移住し、家族も呼び寄せることになりました。今現在44歳で、先程紹介したようにたくさんの事業を行っています。

シンガポール国際企業庁で支給されたパソコンはExcelまで英語で、どこに何のボタンが有るかわからないほどでした。職場には日本人が全くいない環境下で、そうした状況は非常に苦しかったものの、「これが海外で働くということだ」と実感しました。

誰もが様々なことに挑戦できる国「Red Dot」としてのシンガポール

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今年はちょうど建国50周年なんですね。シンガポールは50年前は普通のアジアの途上国でした。しかし、今では年間1500万人の観光客が来る存在感のある国となっています。シンガポールは観光資源が何もないので、別の側面で競争力をつける必要性がありました。人口もたった540万人で面積も東京23区や琵琶湖くらいのサイズ感です。小さな、小さな国です。何もないところからモノやヒトをかき集めてできた国なんですね。

これは、個人に例えて言えば「色んなモノ・コトと繋がり、価値を発揮する大切さ」がわかると思います。この国はタイ・バンコクと同じく人種のるつぼで、アジアの縮図のようなものです。シンガポールの幼稚園では、一番はじめに「個人は違うものなので尊重・協力する必要がある」と学ぶようです。

そういった国だからこそ、「外国人だから」という意識は全く無く様々なことに挑戦ができる環境があります。「Red Dot」というのは、シンガポール人が自国のこと謙遜してそう呼ぶのですが、自国は小さな赤い点にすぎないという意味です。現首相のリーシェンロンも「自国だけではなんの価値もない」、「世界の様々なものとの繋がりによって価値を発揮する必要がある」ということを言っています。個人にとっても、法人に置き換えても、非常に重みのある言葉です。これは社是で使う会社もある程、重視されている言葉です。

企業・ヒト・モノ・カネ等の色んな物を集積する場を作ることが国家の成長となってきたのです。シンガポールには、色んなものに簡単にアクセス可能な立地条件があります。例えば、空港から家まで30分のアクセスの良さから、色んな人が拠点に使っています。1時間前に出れば飛行機に間に合ってしまうという近さです。私が経営しているレンタルオフィスの人々もシンガポール国内だけに留まっている人は少ないです。今日はバンコク、明日はホーチミンと、飛び回っている人が多いです。飛行機もLCCが台頭していて安価で便利な利用環境が整っています。

また、港も24時間365日稼働していますので、日本食も含めてあらゆるものが手に入ります。年間1500万人の外国人が訪れるシンガポールはビジネスショウケースにもなります。そうして、拡大市場にリーチできる強みがあります。現在、東南アジアは6億人市場にまで成長しました。

例えば、フィリピンは人口1億人を超えて、消費力が急激に増大しています。平均年齢も23.3歳と非常に若く、老人を街中で見ないほどです。単純に考えても、人口=胃袋の数なので、高いポテンシャルを持っていることがわかります。この拡大市場を狙う人々も集まってきます。

「優秀な人材、自己資本比率100%、情報ハブ、税制のインセンティブ」シンガポールで起業をするというメリット

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シンガポールでは、メディア以外の全業種で外資の資本比率を100%にできるため非常に外資にとってビジネスを行いやすい環境です。ここまで外資規制が緩いのは、カンボジアとシンガポールだけです。最近では、ベトナムも一部飲食業が解禁となり話題になりました。

また、シンガポールには様々な情報のハブ地であるという特徴もあります。年間で1000件近くの国際展示会が開かれるので世界からの注目を集めやすいのです。例えば、自社のフランチャイズの拡大をしたいと考えた時に好条件の提携先を探すにはうってつけです。

さらに、東南アジアでは給与が最も高く、優秀な人材が集まりやすいです。GJJでも田村教授の教え子の女性二人が働いています。道路や水道といったものに限らず、インフラも高度に発展しています。特に、IT・金融システムについては日本以上の環境が整備されています。マレー系中華系が多く、英語ネイティブの国ではないため英語が普通に通じるにも関わらず英語の苦手な外人に優しい人が多いです。そういった意味で言語の壁も低いといえます。

他にも、税制等のインセンティブが多いことも大きな要因です。例えば、「法人税が安い・株式譲渡所得税がゼロ・相続税がゼロ」といったものがあります。日本人相手に限って言えば、反日感情が殆ど無いこともビジネスをする上で好条件です。建国の父が「許す。でも、忘れない。」という言葉を残しており戦争の禍根を後世に残さないようにしてくれたこともあると思います。

【後編】へ続きます。

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執筆者
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神農 亮

海外就職アドバイザー。インドネシアでの勤務経験を生かし、海外就職・海外転職対策講座にて海外就職のサポートを行っています。海外就職をメイントピックにした個人ブログ Keep Rockin’!BRO を運営中です。Twitter IDは@kanchan_r

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