英語の先生が到達すべきCEFRレベルとは何か?

最近、英語の研究者、特に英語教員の育成にかかわる大学の先生の間で、CEFRという言葉をよく聞くようになりました。本記事では、CEFRとは何か、CEFRは誰にとって大切か、どの程度の英語力が必要かについてご紹介させていただきます。

CEFRとは何か?

cefr_photo

CEFRとは、Common European Framework of Reference for Languages の頭文字を取ったもので、日本語では、「ヨーロッパ言語共通参照枠」と訳されます。CEFRができた背景には、欧州統合が非常に深く関わっています。なお、CEFRは「セファール」と読みます。

ヨーロッパ諸国は、EUを設立し、EU加盟国間で、経済的な統合と人材の流動性を高めることで、経済発展を進めようとしています。例えば、ポーランドに生まれたポーランド人は、多くの収入を得るために他の国で働こうとしても、大きな障壁がありました。しかし、EUに加盟すると、EU内の人の移動が自由になるため、同じEU圏内の所得が高い国、例えばドイツやフランスでも働けるようになります。

経済が統合に向かっていったとしても、各国の国民の言語は異なります。先ほどの例だと、ポーランド人の母国語はポーランド語で、英語とも、フランス語とも、ドイツ語とも異なります。よって、EU圏の他の国で働くということは、母国語以外の言語を使って働く、ということを意味する場合が多いのです。

例えば、このような求人広告があったとします。

「アイルランドのA社で、プログラム開発の仕事があります。EU圏の人は誰でも応募できます。ただ、アイルランドは英語なので、英語力のある方が来てください」

しかし、これだけではどの程度の英語力があれば仕事が勤まるのか、わかりません。また、英語力を示すための試験のスコアも複数あるため、求人者がそれぞれTOEFLとTOEICとIELTSで英語のスコアを書いてきていた場合、いったい誰が一番英語力があるのか、雇用者が都度、点数換算表を引っ張り出さねばならない状況もありました。

cefr_annoy

こうした分かりにくさをなくすために、誰にでもわかる必要な語学力の基準を必要だ、となって作られたのがCEFRです。なお、CEFRは、英語だけの基準ではありません。英語、フランス語、ドイツ語、スペイン語などヨーロッパの言語が網羅されているだけでなく、日本語や中国語といったアジアの言語も基準として定められています。

CEFRは誰にとって大切か?

全国の教育大学、また教育学部ではCEFRについて熱く議論が交わされています。小中高の教員育成を行う教育学系の大学で最も有名な大学の一つ、東京学芸大学で、文部科学省の委託事業として、「英語教員の英語力・指導力強化のための調査事業」が行われています。

現在、小中高の英語の先生は、先生になる時点でもさほど高い英語力が求められていない、そして一度教員になった後は、英語力のチェックがされていません。つまり、一度英語の先生になると、その後の英語力は全く問われないのです。こうした状況で一番可哀想なのは、英語の授業を受ける生徒です。英語力がない先生、または英語力が低下した先生から、英語を学んでも、英語力が高まる可能性が低いからです。東京学芸大学では、研究者の方々が、こうした残念な現状をどう打破するかについて、調査研究して案を出しています。

英語教員としてどの程度のスコアが必要か?

文部科学省向けの報告書の中で、具体的に「英語教員はCEFR B2レベル相当以上の学力を目指すべき」という文言が記載されています。これまでは英語教員の英語力の目標は明確に明記されていなかったので、大きな進歩と言えます。ちなみに、CEFR B2レベルとは下記を示しています(日本語訳はこちらから引用)。

cefr_b2

そして、CEFR B2レベル相当のスコアを、各英語検定会社が発表しています。

cefr_toeic

私たち日本人が、最もなじみがあるTOEICですと、リスニング400点、リーディング385点、合計785点以上を取るべきと明記されていることになります。ただ、リスニングもリーディングも、それぞれ基準点の400点、385点を下回ってはいけません。つまり、「リスニング450点、リーディング350点。合計800点」という場合、リーディングの最低基準385点を下回っているので、B2の英語力があるとは見なされませんので、注意ください。

将来、小学校、中学校、高校の英語の先生を目指す方にとっては、必要な英語力の明確な基準が提示されたので、それがTOEICであれ、TOEFLであれ、このB2レベルを目指すことが必要となります。

なお、サウスピークでは、英語教員の先生も留学し、TOEICスコアを大きく高めています。

「海外ボランティアでエクアドルの子どもたちに英語を教えたShoheiさん、中学の英語教員に戻る前にTOEIC840点までレベルアップ」

*東京学芸大学が作成した報告書は、今後文部科学省とのやり取りの中で、実際導入時に変更となる可能性があります。

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • follow us in feedly
  • LINEで送る

執筆者

村岡英一

北海道生まれ。慶應義塾大学総合政策学部卒。 日本マイクロソフトにて法人営業、ならびマイクロソフトのアジア諸国のシステム導入を行った後、フィンランドのソフトウェア企業にて、日本・台湾・東南アジアのビジネス開拓を行った後、現在フリー。