金持ち父さん貧乏父さん“Rich Dad, Poor Dad”

これまでに紹介した2冊とは異なり、このAudio Bookは要約版(Abridged)です。そのため原書に書かれている本文がそのまま朗読されるというわけではありません。しかしAudio Bookで読まれている英文は、飛び飛びですが本文で書かれている内容と同じです。そのため要約版でも特に問題はないでしょう。

また、使われている英語は平易であるため、TOEIC600点以上の水準があれば十分に理解できます。この“Rich Dad, Poor Dad”は私がはじめて購入した要約版のAudio Bookです。英語書籍の文章に頼ることなく朗読された英文だけで内容を理解しようと努めた1冊なので、とても愛着があります。

金持ち父さん貧乏父さん』はとてもたくさん売れたため、それだけ毀誉褒貶が激しい本です。私個人としてはこの本をとても評価しています。

とはいえ、たくさんの人に読まれたといってもちゃんとこの本の内容を理解して、実践しているという人の話はあまり聞いたことがありません。『金持ち父さん貧乏父さん』の内容が実践されないのは、会計学の基本的な知識(最低限、貸借対照表と損益計算書について理解していること)がないと他の自己啓発書と変わらない扱いをされるためだと思います。

私もはじめて『金持ち父さん貧乏父さん』を読んだときには、会計学の基本的な知識もなかったためまったく理解できていませんでした。会計学の勉強をしてから本書を再読してはじめて、この本が言いたかったことを理解することができました。

具体的にどのような利点があったかの説明をする前に1点補足。金持ち父さん関連の本ではマルチやネットワークビジネスに関連したものを紹介していますがそれは無視してください。米国と日本では事情が違うんだろうなと割りきって無視することを私は推奨します。この点で金持ち父さんが非難されているのを私はWeb上で多く見かけました。そして私自身は、ネットワークビジネスを紹介する部分を「営業能力を身につけることが大切」というふうに置き換えて理解しました。

では金持ち父さんの教えを実践した結果、私にどのような金銭的な効用があったのかを具体的に説明していきます。私は新卒で入った会社では「同期の中では最も貯蓄額が多い人間」だと言われていました。この貯蓄のおかげでNew Yorkに留学することができました。

といっても別に私は外資系企業に勤めて破格の給料をもらっていたわけではありません。ごく一般的な日本企業に勤めていました。後ほど詳細を書きますが、私は「資産」と「負債」について十分に理解をしており、「負債」になるものについてほとんどまったくお金を使わなかったため、けっこうな金額を貯蓄することができたのです。

この本の読者の中には将来英語圏へ留学することを考えている人がおそらくいるはずです。留学費用は決して安くはありません。ですから留学希望者にこそ金持ち父さんで書かれている金銭についての一般的な知識(Financial Literacy)を身につけて、お金をしっかりと貯えてほしいと思います。

また、人も企業(法人)も基本的なお金の流れはそんなに変わりません。ですから将来企業戦略を担うコンサルタントを志望している人は、最低限金持ち父さんで書かれているくらいの会計に関する基本知識は身につけていないと話になりません。

私が新卒で入った会社の同期の一人から、クレジットカードの明細を見せてもらったことがあります。そして彼が毎月クレジットカードで10〜15万使っていることを知りました。この出費の主な原因は「車」でした。彼は入社2年目くらいでloan(借金)で車を購入して、その車を乗り回していました。なんでも「遊ぶために車は不可欠」とのことです。その車のloanと維持費が毎月彼に最低10万円以上の支払いを強いていたのです。彼は車という「負債」のせいでお金を貯めることができないのだなと私は思いました。

ここで金持ち父さんが定義している「資産」と「負債」についての定義を紹介します。この説明は非常にうまいと、大学時代に会計学を学んだ人間としては感心しました。

  • 資産:資産は私のポケットにお金を入れてくれるもの
    • 資産の例:自分がその場にいなくても収入を生み出すビジネス、株、債権、投資信託、収入を生む不動産(貸し家、貸し 駐車場など)、印税などを生む知的財産
  • 負債:負債は私のポケットからお金をとっていくもの
    • 負債の例:持ち家、車、高価な家電(大型TVなど)、高価な服飾品など

車がなんで資産じゃなくて負債なのか補足説明すると、まず「車は買った瞬間に価値が落ちます」。200万円で購入した車を200万円で販売することは通常できません。そして維持費(税金・駐車場代・燃費)がかかり、常にあなたのポケットからお金を奪っていきます。おまけに車を購入する際に一括で購入することなく借金(loan)して購入すると、金融機関に利息を取られ続けます。

ここで少し話を変えて、あなたの手元にお金(給料)が支払われるまでの流れを考えてみましょう。あなたが稼いだお金はまず会社で「株主」に分配されます。その後、給料を受け取る前に「税金(国家)」に一部持っていかれます。そして借金がある場合は「金融機関」にさらに利息としてお金を持っていかれます。借金がなければ「株主」と「国家」にお金を取られるだけで済みます。しかし借金がある場合にはさらに「金融機関」にまでお金を取られて、あなたはラットレース(Rat Race)に巻き込まれることになります。

Rat Raceとは「朝起きて」「働いて」「給料を受け取って」「借金を払う」、それだけで終わる生活、そしてそこから抜け出せない生活のことを言います。借金を払い続けるためにRat Raceに巻き込まれた人たちは働くことをやめることはできません。Rat Raceに巻き込まれないためにも「負債」を購入してはいけない。豊かに暮らすために「資産」だけを購入すべし。これが金持ち父さんで説かれている最も大切な教訓です。

ここで私自身の話に戻ります。いま私の部屋を見ても高価な物品はまったくありません。せいぜいこの原稿を書いているLaptop、そしてiPod touchと電子辞書くらいです。これも高価な贅沢品というよりは必需品と言ってもよいと思います。

あえていえば折りたたみ自転車(BD-1)です。これは付属品込みで約20万円しました。しかしこれもその後の交通費の節約や定期的な運動に役立っているため、決して高価な買い物ではありません。そしてなにより車と自転車を比べると圧倒的に自転車は安いのです。また割と旅行もしたりしていましたが、基本的には「負債」はまったく購入しないという生活をしていました。

また、私は酒・煙草・ギャンブル・風俗などはまったくしません。だから私と一緒に居酒屋に行った人はいつも料金が少ないことに驚いていました。こういう生き方になったのは、大学時代に会計学を学んで、そして卒業後は“Rich Dad, Poor Dad”を聞き続けたからだと思います。このような知識があり、そして金持ち父さんの教えを実践した結果、「同期で最も貯蓄額が多い」という称号を私は得ることができました。そしてその結果、New Yorkへ留学することが出来ました。

金持ち父さん貧乏父さん』ではお金を逃がさない方法だけでなく、お金をいかにして増やすかという方法も説かれています。この件についてはご自身で購入してご確認ください。お金を貯めたいと思っている人、Rat Raceに巻き込まれたくないと思っている人は本書を読むことを強く勧めます。この本のおかげで私は人生が変わりました。

※補足

会計学の基本的な知識を学びたい人には以下の書籍をお勧めします。知識が全くない人でも会計学の基本が学べるのでお勧めです。