学校選びの基準 その2「日本人が多い語学学校」か「日本人が少ない語学学校」か。

サウスピークの食事。日本人専用の語学学校であるため、生徒である日本人を考慮して野菜が多めの食事となっています。

サウスピークの食事。日本人専用の語学学校であるため、生徒である日本人を考慮して野菜が多めの食事となっています。

日本人が少ない語学学校=韓国人ばかりの語学学校

フィリピン留学という学習方法は韓国人がもともと考えたものであり、日本人はその流れを追随しています。そのためその他の国ではまだフィリピンに語学留学することは一般的ではありません。

フィリピン留学では「他国の留学生=韓国人」という等式が成り立つくらいに韓国人ばかりです。それ以外の東南アジアからの留学生は台湾、タイ、ベトナム、また、ロシアからの留学生も聞きますが、稀です。各国の留学生を集めた集合写真を撮影して多国籍を宣伝材料にしている語学学校はありますが、実はその語学学校に1人か2人しかその国籍の生徒がいないというのはよくある話です。要は「日本人が少ない語学学校=韓国人ばかりの語学学校」ということになります。

一方、「日本人経営の語学学校では生徒は日本人ばかり」になります。こう言うと「日本人経営の語学学校で、生徒が日本人だけで英語が勉強できるのですか」という質問が来るので回答します。

学習時間を考えてみれば、例えば、語学学校サウスピークの授業時間は8時間です。さらに、レッスン終了後に最低2時間の自習学習をサウスピークでは推奨しています。当然この自習時間も英語学習漬けになります。結果として、1日10時間以上の時間を英語だけで過ごすことになります。

日本人経営の語学学校で、他の生徒が日本人だけであっても、フィリピン留学では英語漬けの生活を送ることになります。だからこそ、英語力は当然上達します。

1日最低10時間の英語学習でも足りない。24時間日本語を使いたくないという方は日本人のいない語学学校を選択されると良いでしょう。ただし、日本人がいない語学学校は別の問題を抱えています。

日本人がいない語学学校の問題点

生徒が日本人同士であれば、英語学習に関するノウハウ共有も簡単に出来ます。

生徒が日本人同士であれば、英語学習に関するノウハウ共有も簡単に出来ます。

「日本人が少ない語学学校」という基準で、語学学校を探す人がいますが、TOEIC(R)試験で800点を取れない人にはこの選択はお勧めしていません。

「日本人がいる語学学校」とはどういう場所かというと、それは「日本人にとって居心地の良い環境」を提供している語学学校だということです。居心地が良いから日本人が集まるのです。一方、「日本人がいない、もしくは日本人の数がとても少ない語学学校」はというと、基本的に「日本人にとって居心地が悪い場所」です。だから日本人が少ないのです。

日本人がいない語学学校では言語・食事・住居・その他生活の全ての面であなたはカルチャーショックを体験することになります。このカルチャーショックは通常あなたの生活を不快にするものであり、勉強に集中するのを妨げる要因になります。だからこそ、英語が出来ない人ほど、なるべくカルチャーショックが少なく英語学習に集中できる環境を選ばれることをお勧めします。カルチャーショックがひどすぎて英語学習に集中できないということになっては本末転倒です。

目安としてTOEIC®試験で800点以上を取得済みで、何か問題が起きても全て英語で対応できる人であれば、日本人が全くいない環境を選ばれても良いと思います。カルチャーショックに悩むことはあるでしょうが、自分一人でもたいていの問題には対処できるでしょう。

どれくらいの英語力が必要か具体的を挙げます。例えば、「急性胃腸炎で倒れて痛くて苦しい中で英語でやり取りをする」といった事態の中でもなんとか出来るかどうか、という事態を想像してみてください。病院に行って自分の症状を英語で説明して、医者の説明を理解できる」くらいの英語力があれば問題が起きても、言語の面では、大丈夫です。

一方、英語力が不十分な人、特にTOEIC試験で600点未満の人が英語しか使えない環境に行くとどうなるでしょうか。英語しか通じない環境に英語ができない人が行くと、問題が起きても満足に対処できません。そのレベルまでの英語力がない人達は、日本人スタッフがいる日本人学校を選択すべきです。

ずっと日本人が多い環境にいる必要はありませんが、「海外にほとんど行ったことがない人」や「英語があまり出来ない人」は異国の環境に適応するために、少なくとも最初の数ヶ月は安全で居心地が良い語学学校に滞在された方が良いのではないでしょうか。カルチャーショックは日々発生し、また英語が満足に出来ないことによるストレスが日々蓄積します。これでは英語学習の効率は落ちます。

英語力が上がって、異国の環境に慣れてから日本人が少ない環境に行かれるのが良いかと思います。

権限のない日本人スタッフ、無給/有償インターンの存在

日本人スタッフがいる語学学校を選択しても、その日本人スタッフは何の責任も権限もない無給/有償インターンかもしれません。

無給インターンとは語学学校の運営を1日4時間程度手伝う代わりに、1日4時間程度のレッスン、住居・食事の提供を受けている学生のことを言います。基本的には無給ですが、中にはインターンをするための費用を支払ってインターンになっている有償インターンもいます。例えば、1ヶ月5万円をインターン先の会社に払ってインターンをさせてもらう、というのが有償インターンです。

代表的な業務内容は「空港へ生徒を迎えに行くピックアップ(LCC、格安航空を利用する生徒が多いのでたいてい深夜。遅延することが多いです。)」「フィリピン人スタッフが行った部屋の掃除の確認」「生徒向けオリエンテーション」「フィリピン人講師の出欠管理」などの雑用業務を担当します。あと、「日本人生徒の愚痴の聞き役・ガス抜き役」という表立っては言われていないけれど、精神的に応える裏業務も担当します。この学生インターンは1日4時間程度しか業務をしないため、行う業務のレベルは低いですし、また仕事に対する責任感もありません。

経営者は賃金をまともに払っていないため、これら学生インターンに雑用ばかり与えて、基本的に何も指導せずに放置することが多いです。そして、学生インターンは語学学校経営者からは「使い捨ての安い労働力」「アルバイト代の要らないアルバイト」とみなされているという現状があります。

こういった学生インターンですが、なぜか現地スタッフの頭数として数えられていることが多いです。ある日本人経営の大手語学学校では「フィリピン現地の日本人スタッフは20名以上いる」と宣伝文句を書いていますが、その内の2/3以上はこの学生インターンだったりします。つまり権限・責任のある正社員はこの語学学校では20人の半数である10人もいないということです。それにも関わらず日本人スタッフ20人以上と書くのは、不誠実であると私は思います。

また、韓国系語学学校では「日本人スタッフ」が「日本語が喋れる韓国人」だったなどという驚きの事例すらあります。こういった事例があるので、「日本人スタッフがいる」と言ってもそのまま信用しないようにしましょう。権限・責任ある日本人社員が何名いるのかをウェブサイトで調べましょう。まともな語学学校なら社員が何人いるかはウェブサイトを見ればすぐに分かります。そして、社員とインターンの区別表記をしていない語学学校は不誠実な語学学校であるため、選ばない方が良いです。

そしてまた、2015年秋にセブ市でこういった無給インターンを大々的に使用していた語学学校を経営する会社に強制捜査が入り、適切なVISA・許可証を取得していなかった無給インターンたちが逮捕されました。フィリピンの法律の面からもグレーというかブラックなので、こういう無給インターンには関わらない方が良いです。

韓国系語学学校を日本人学生があえて選ぶ意味はあるのか

もともとフィリピン留学は韓国人が始めたものであるため、今でもフィリピンにある語学学校の8割以上は韓国人経営のものです。そしてこれらの語学学校は当たり前といえば当たり前ですが、韓国人のために作られ、韓国人向けに最適化されています。食事は唐辛子やキムチのせいで全体的に赤い、という話は韓国系語学学校ではありふれた光景です。

日本人の受け入れを行っている韓国系の語学学校も多くありますが、やはりもともとが韓国人のために作られた語学学校であるため、生活の多くの面で日本人は違和感を覚えることが多いです。細かいネタを出すと、エアコンのリモコンが全て韓国語で書かれていたので、韓国語が読めない日本人留学生はそのリモコンを勘で使っていたなんて話もあります。

学習カリキュラムに関しても日本人と韓国人の目標は異なります。例えば、日本人にとってはまだまだ馴染みの薄いIELTS試験を専門にする語学学校があったり、そもそも聞いたことがないOPIc 試験(Oral Proficiency Interview-computer)の対策を行っていたりします。また、すでに述べた「子供を遊ばせないためのスパルタ語学学校の存在」など、日本人学習者と韓国人学習者では学ぶ内容・方向性がだいぶん違います。

フィリピン留学黎明期には日本人経営の語学学校がほとんどない、またあってもレベルが非常に低いというものでした。しかし、現在は日本人が日本人向けに創った語学学校が多くあり、高度な学習カリキュラムを提供する語学学校もあります。日本人があえて日本人向けに作られていない韓国人経営の語学学校を選ぶ理由はないと私は考えています。

あえて言えば、IELTS試験の対策に関しては日本人経営の語学学校は遅れています。これはそもそもまだ日本ではIELTS試験の需要がないためです。このIELTS試験の対策をしたいというのであれば、韓国人経営の語学学校を選ばれても良いと思います。ただし、TOEIC試験で最低800点以上に到達していないと韓国系語学学校を上手く活用出来ませんので、これは上級者だけにお勧めする選択になります。

IELTS試験対策も現在需要が徐々に増えてきているため、対応する日系の語学学校が近日登場することでしょう。語学学校サウスピークでも2015年11月からIELTS試験対策のコースが導入されます。

(次の記事へ)留学までの流れ
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執筆者
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柴田 はるじぇー @HAL_J

セブ島にある語学学校サウスピークの英語学習アドバイザー。著書に「3ヶ月でTOEIC300点上げるフィリピン留学」「20歳を過ぎてから英語を学ぼうと決めた人たちへ」