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人工知能(AI) 技術トレンド

AIはどんな分野に応用できる?ビジネスの可能性を広げる技術

画像認識やボードゲーム用のコンピュータープログラムにも使用されるAI(人工知能)。応用範囲が広いだけでなく、ビジネスへの活用も着々と進んでいます。

AIの成功事例もメディア等で度々紹介されるため、「AIがあれば、ビジネスのどんな分野でも応用できる」と考える人がいるかもしれません。しかし本当にそうなのでしょうか?
そこでAIがどんな分野に応用できるのか、どんな業務にAIを活用可能なのかについて説明していきます。



AIはどんな分野に応用できる?

AIとは何かをおさらい

近頃、「AI」という用語が氾濫していますが、本来よりも広い意味で使用される例が散見されます。
AIを大まかに述べると、「人間の知能が行なう知的な作業をコンピューターによって自動的に行なうこと」だといえます。この「知的」や「知能」といった用語そのものに確固とした定義がないために、人工知能の定義が定まらず、AIが氾濫しているのが現状です。

近年賑わせているAIは、「ディープラーニング(深層学習)」と呼ばれる機械学習の手法です。2016年に囲碁の世界チャンピオンに勝利した囲碁のコンピュータープログラム「Alpha Go」を支えているのが、このディープラーニングです。実際のところ、ディープラーニング以外にもAIの手法には探索木なども含まれるのですが、区別されることなくAIと一括りに使用されています。

参考記事:
AI (人工知能)とは何?どんな問題が解決されるのか?

【保存版】これだけは知っておきたい!AI(人工知能)初心者向けの世界一やさしい教科書



ディープラーニングで実行可能な処理

では、ディープラーニングによってどのような知的作業が行なえるのでしょうか?

画像処理

ディープラーニングが得意とする代表的な処理のひとつに画像処理があります。カナダ・トロント大学のジェフリー・ヒントン教授がディープラーニングのもとになるアイディアを編み出しましたが、ヒントン教授がディープラーニングのパフォーマンスを確かめるために参加したのが画像認識コンテストILSVRCです。このコンテストでヒントン教授率いる研究グループが従来の誤り率を大幅に更新し優秀したことが、ディープラーニングの名を一躍有名にしたのです。

たとえば特定の人物の顔を認識するために、ディープラーニングでは、ビッグデータが必要になります。何も身につけていない状態や眼鏡をかけた状態など、さまざまな顔データを学習させることで、たとえばマスクをした状態でも特定の人物が判別されるようになります。

画像処理といっても幅広く、たとえば17世紀オランダの画家レンブラントの作風をAIで再現する試みがかつて行われました。実際に完成した絵は、まるでレンブラントが描いたかのようになっています。

言語処理

言語処理もまたディープラーニングが得意とする作業のひとつです。身近な例が、Siriのような音声応答アプリケーションです。音声応答アプリケーションは誰かの発話から得られた音の波を、テキストデータに変換します。次に複数生成されたテキストデータのうち尤もらしい意味をもつテキストデータを推定することで、たとえば「今日の天気は?」と発話されたと認識されるのです。

AppleSiri以外にも、GoogleアシスタントやAmazonAlexaなど、AIを活用した音声認識サービスが提供されています。これらの「AIアシスタント」は、端末から離れた場所にあるクラウドコンピューターに搭載されたディープラーニングで稼働しています。AIによる言語処理は進化を遂げ、翻訳だけでなく、ニュース記事や小説を執筆するAIまで登場しています。



意思決定の支援

意思決定とは、与えられた選択肢から最適なものを選択する行為を指します。経済学や経営学などの分野で研究されてきた意思決定の問題は、複数のプレーヤーが参加するゲームの戦略を分析するゲーム理論とも深い関わりをもちます。囲碁や将棋、チェスといったボードゲームもゲーム理論の観点から分析されるなど、意思決定問題はAIの研究対象です。

実をいうと、ディープラーニング登場以前からAIを使って意思決定の支援をする取り組みが行われていました。代表的なのが、IBMが開発したWatsonです。2011年にクイズ番組でWatson2人のクイズ王に挑戦し最高賞金を獲得したため、その存在を世間に知らしめることとなったのです。ディープラーニングは不確実な状況下で最適な選択肢を見つけ出すのにも力を発揮し、ディープラーニングを取り込んだWatsonはビジネスシーンでの意思決定にも幅広く利用されています。



AIのビジネスへの応用は?

画像処理や言語処理などに力を発揮するディープラーニングですが、ではどのようなビジネスに応用可能なのでしょうか。

IT企業を中心にビジネス応用の検討が開始

2015年以降、IT企業を中心にディープラーニングの活用が進展しました。
ビッグデータを学習するためには大型の計算機が必要となるため、自前でインフラを整備するのは非常に困難でした。
ところが
AmazonAWSMicrosoftAzureなど、端末からでもAIを利用できるクラウドコンピューターがIT企業から提供されているため、どの企業も比較的容易にAIを使用可能になりました。

製造業から医療、農業まで応用可能

AIを活用できる分野は幅広く、製造業やモビリティ、医療など多くの分野が挙げられます。ここで重要となってくるのが、ビッグデータです。ディープラーニングを稼働させるためには、学習にかけるビッグデータが必要になってきます。ビッグデータとして用いられるのは、Web上で送受信されるデータだけではありません。AIは、IoT(モノのインターネット)との連携で、より多くのデータが取り扱い可能になります。

端末にセンサーを搭載し、そのセンサーから外界のデータが取得可能です。一例として、自動運転が挙げられます。自動運転を行うためには、側道に置かれた障害物や歩行者、前後左右を移動する他の車を検出し、運転経路を決めなければいけません。そのため車に取りつけられた無数のセンサー取得されたデータをもとに、機械学習を行なう必要があります。学習にかけるビッグデータの増大とともに、AIのビジネスへの応用範囲も広がっています。

穀物の生産効率をも向上させる

たとえば、農業分野でのAI活用が挙げられます。アメリカでは大規模に農場を管理しますが、4,500エーカーある農場のどこにトウモロコシを植えるべきかをAIに判別させる農場経営者も存在します。各地点の気温や土壌浸食の観測、予想降水量や土壌の質などのデータをもとに、収穫を最大化する条件をAIが算出するのです。アメリカの穀物生産高はAIにより過去最高を更新したといいます。

この例から示唆されるように、AIは従来のビジネスモデルを根幹から変革するのです。

どんな企業がAIを扱う?

大手IT企業

AIの研究・開発に活発的なのが、大手IT企業です。アメリカの場合、IBMやマイクロソフト、Googleなど錚々たる顔ぶれが並んでいます。
日本でも、富士通や日立、
NECNTTなどが開発に取り組んでいます。

参考記事:
【徹底解剖!】AIをけん引するGoogleの取り組みとは?

AIユーザーも研究開発に参入

またAIを使う側の企業もまた、AIの研究・開発に乗り出しています。

代表的なのがトヨタ自動車です。人為的な運転操作が必要なくとも自律的な運転を可能にする「完全自動運転」の実現には、
AIの力が必要です。
2016年にトヨタはAI研究を行なう「Toyota Research Institute」を設立しましたが、従来の自前主義からの脱却を図っています。
近年オープンイノベーションによる新しい技術開発がトレンドになっています。とりわけ自動車産業では、電気自動車(
EV)やコネクテッドカー、自動運転など、次世代自動車の開発を巡って、世界中で主導権争いが繰り広げられています。
トヨタ自動車もいまのところ(
2017年度)自動車売上台数第3位、売上高が第1位とトップシェアの一角を占めていますが、自動運転車を販売するテスラなど新興勢力も台頭し、予断を許さない状況です。

AI関連企業が大企業を助ける

トヨタ自動車は自動運転の実現のために、AI関連企業との連携や投資を行なっています。代表的なのが、自動運転システムのプラットフォームを開発する半導体メーカーのNVIDIAです。ディープラーニングを搭載したGPUを製品化するなど、現状では自動運転AI分野では先頭を走っています。トヨタはまた、NVIDIAとも連携するプリファードネットワークスへの投資を行なっています。

プリファードネットワークスのようなAIスタートアップ企業の存在が、注目を浴びています。海外でもアメリカや中国を中心に多数のスタートアップ企業が、さまざまな分野でのAI事業に取り組んでいます。かつてはAlpha Goを開発した英Deep Mindやディープラーニングのもととなるアイディアを発案したカナダ・トロント大学のジェフリー・ヒントン教授が大学内に設立したDNNresearchGoogleによって買収されました。以前ほどAIスタートアップ企業の買収は減りましたが、これはAI研究・開発が成熟期に入ったからだという見方も可能です。

AI導入で気をつけたいこと

では、どのようなビジネスでもAIを導入できるのでしょうか?

業務の効率化を促すAI

AIを活用しやすいのが、業務の効率化です。

たとえば検品作業が一例として挙げられます。不良品を選び出すのに、従来は人員を投入して作業に取り掛かっていました。ところが
AIを活用した画像処理により不良品を選別できるのであれば、業務は効率化されます。もちろんすべての検品作業をAIに任せるのはリスクがあり、人のよる最終チェックなどを勘案したAIと人との協働が、業務の遂行に欠かせません。

APIで簡単にAIを導入可能

AIの活用は以前よりも容易になってきています。

Googleやマイクロソフト、Amazonなど提供するAPIを活用すれば、すでに学習済みのモデルを利用できるので、一からビッグデータやAIを走らせるサーバーを準備する必要はありません。かつてはセキュリティへの不安からクラウドサービスの利用に二の足を踏んでいた企業も、むしろクラウドのほうが安全と理解を示しています。

とはいえ公開されているAPIをそのままビジネスでは使い道が少なく、別のAIと組み合わせる必要性があります。APIで解決しない場合には、自社独自のモデルを開発しなければいけないでしょう。いずれにせよ、どのようなAPIが公開されているのかなど、専門家の助言が必要になってきます。

AIが必ずしも業務の効率化に必要ない

業務を効率化するために、AIに囚われすぎないのも重要です。

業務はAIによってのみ業務が効率化されるのではありません。業務の効率化で近年注目を浴びているのが、RPA(ロボティック・プロセス・オートメーション)です。PC操作の自動化などにより業務効率を促進するRPAですが、必ずしもAIの助けを借りません。何をしたいのかという目的を明確化したうえで、業務を効率化する選択肢のひとつとしてAIを位置づけるのがベターでしょう。

参考記事:AI がもたらす問題点とは?技術的問題から法的問題まで一挙解説



まとめ〜企業が保有するビッグデータが鍵を握る〜

ディープラーニングは画像や言語といったパターン認識や意思決定の支援などに力を発揮します。
ビジネスへの応用も可能で、
AIスタートアップ企業が国内海外問わず誕生しています。しかしビジネスへの応用で重要なのは、学習させるべきビッグデータです。業務の効率化のためには、必ずしもAIは必要ありません。むしろ企業がもつ資産、つまりデータを可視化できるのであれば、AIが大きな力を発揮するでしょう。

さらにAIについて知りたい方はコチラ!

参考資料

人工知能(AI)の現状と未来

トヨタがNVIDIAと提携、自動運転、脱日本連合へ

ディープラーニング顔認証システムの進化

Siriが話を聞いて答えたり、何かをやってくれるしくみ

トヨタが新規事業を公募、脱・自前主義で“創業以来の変革期”に挑む

[特集] 人工知能の可能性とビジネスへの活用

第2回 AIの活用トレンドとその導入方法

「Watson:クイズ番組に挑戦する質問応答システム」(『情報処理』Vol.52,No.7)
「AIが加速させる自動運転技術」(『Newton』2018年8月号)
「人工知能領域における投資・スタートアップの現状:投資家としての倫理観」(『人工知能』2018年3月号)
「AIの戦略的活用に向けて」(『Strategy&Foresight』Vol.15)
『ディープラーニング活用の教科書』(日経クロストレンド 編)



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Naoki Kitayama

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