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コラム

AIは医療にも活用できる!事例を紹介

あらゆる産業の効率化に役立つAI(人工知能)。とりわけ専門性が高いうえに長時間労働が問題視されている医療にもAIの活用が広範囲で検討されています。その一方で医療は安全性にもかかわるため、AIの活用が難しい部分もあります。

そこで、医療においてAIを活用するメリットとデメリットに触れつつ、事例を紹介していきます。

参考記事:
医療・ヘルスケア分野におけるでのIoT活用事例を紹介!医療の現場でIoT技術はどのように活用されているの?

 医療に活用できるAI

医療分野における問題点

医療分野で近年問題視されているのが、労働時間です。厚生労働省は長時間労働の指摘のある業種・職種の実態を調査し公表しています。医師や看護師等の医療関連の業種が対象に含まれています。資料によると、医師の1週間の労働時間が60時間を超える割合が41.8パーセントと、ほかの業種と比べて断トツに高い数字になっています。

このような医療分野における長時間労働の背景には、医師不足の問題があります。医学部の定員を2008年から増やしているにもかかわらず、特定地域や診療科に医師が偏在しています。少子高齢化により、医師の需要が高まる一方でその供給がうまく機能していない状況なのです。

最新テクノロジーが医療分野に革命を起こす

そこで登場するのが、AIIoT、ロボットといった最新テクノロジーです。AIが作業の効率化に貢献するため、あらゆる産業への活用が期待できます。ディープラーニング(深層学習)をはじめとする機械学習は、病院に眠っているビッグデータやウェアラブルデバイスから収集したものを利用し、診断や健康管理、病院の業務改善などあらゆるシーンで効率化を進めてくれます。またAIはロボットの頭脳としても機能し、ロボットを医療分野に活用することも可能です。

参考記事:理系エイゴAI関連記事はコチラ!

医療へのAI活用のメリット・デメリット

AI活用のメリット

AI活用のメリットは、医療業務の効率化です。医師の時間外労働の原因として、急患などへの対処が大きな要因である一方、書類の作成や事務等の雑務に追われているのが実情です。AIは医療の支援や事務手続きなどの効率化にも活用でき、医師への負担軽減にもなります。

また近年注目を浴びるのが、ロボットによる手術の支援です。ロボット技術の高度化により、人間さながらの動作が機械で実現可能になりました。医師のよる手術の場合、手の震えなどが発生する一方、ロボットの活用により精緻な手術が可能になります。このようなロボットがAIにより知能化できれば、ヒューマンエラーの減少が期待できます。

AI活用のデメリット

その一方でAI活用のデメリットとして挙げられるのが、AIによる判断を信用できるのかという問題です。AIの活用のひとつに意思決定があります。囲碁やチェスといったゲームから、自動運転といった安全性に関わる事例まで、意思決定はさまざまなシーンで発生します。

 

医療の場合、手術やガン診断など一回の経験に対しAIによる判断が適用されると想定されます。しかしディープラーニングなどの処理はブラックボックス化しています。ビッグデータから学習により法則性を見出し意思決定を行ないますが、この法則性を人間が理解しにくく、判断の根拠を見出すのが難しいのです。ましてやAI研究者でもない医療関係者がブラックボックス化したディープラーニングの処理を理解するには非常に困難です。

医療分野へのAI活用事例

医療ひとつ取り上げても、医師による診断や手術、医療品開発、ヘルスケアなど多くの分野がかかわってきます。

AIによる診断支援

X線撮影や超音波検査など、医療には機器が使用されます。機器から収集した情報をもとに医師は病変の検出や診断を行ないます。これらの医療診断をAIで支援する研究が行なわれています。

具体的にはAIX線写真やCTで肺癌を検出する試みが行われています。X線写真の影が癌であるかの判断をAIが支援し、医師による見落としや見間違いのリスクを軽減します。ディープラーニングは画像認識や音声認識等のパターン認識に強く、X線写真や超音波画像のデータを学習し、これを病変の検出に生かそうというのです。

病院業務などの効率化

製造業の分野で、工場をネットワーク化し、生産を効率化させるインダストリー4.0。工場内にセンサーを取り付け、取得したデータをAIで学習し、生産性の向上に生かす取り組みを指します。工場同様に病院にもIoTを導入し、ビッグデータの収集が可能です。これにより、病棟ごとの人員配置をAIで効率よく行なえることが期待されます。またカルテの記載や体温計や血圧計などの計測機器のデータを扱う病院情報システム。これを効率化するために、AIRPAの活用が期待できます。

また病院の医師からの助言をAIが学習することで、医師の診断の支援も可能です。IBMが開発したWatsonは、医学論文を学習することで、患者の遺伝子データから白血病を見抜き、抗がん剤の種類の変更まで提案可能だといいます。

ウェアラブルデバイスを活用し高齢者の異常を検知

血圧や体温、体重や体脂肪などを計測するウェアラブルデバイス。デバイスに搭載されたセンサーからデータを取得し、インターネットに接続することで、生体情報がクラウドで管理できるようになります。ウェアラブルデバイスから収集されたデータをAIで学習することによって、異常を検知、主治医や家族などに連絡するシステムが研究・開発されています。

このようなヘルスケアのシステムは、遠隔地に住む高齢者の見守りにも役立ちます。高齢者の見守りだけでなく、寝たきりの予防など、AIを活用することで業務が一部自動化できるのです。

手術や訓練用ロボットの知能化

遠隔操作で精緻な手術を行なえるロボット。近年はAIなどを活用し知能化する試みが行われています。熟練した医師の技術をAIで学習することで、精緻な手術が可能になります。ヒューマンエラーによる医療事故の減少だけでなく、医師の負担軽減も期待できます。

また介護用のトレーニングロボットにもAIを搭載することが研究・開発されています。歩行ロボットにセンサーを取りつけ、歩行速度やバランス等を診断。これをもとにAIが学習し、歩行を矯正するロボットが考案されています。

薬の種となる化学化合物の特定

病気に効果のある医薬品の開発。近年は遺伝子レベルで病気の原因を突き止めての医薬品づくりが行われています。病気の原因となるタンパク質とどの化学化合物が結合すれば病気に有効かなどを検証し、薬の種が発見されます。しかしながら化学化合物の種類は膨大なため、ひとつずつタンパク質とうまく結合するかを実験(スクリーニング)すれば、膨大な時間と投資が費やされます。そこでタンパク質を計算機上で実現し、化学化合物と結合しやすいか等を判定するバーチャルスクリーニングが実施されています。 

このバーチャルスクリーニングへの活用が期待されているのがAIです。ばく大な化学化合物やタンパク質のデータからどれが薬の種になるかがAIで判定されるのです。創薬には、薬の種の特定から臨床試験など複雑のプロセスを経て実用化されるのに10年もの歳月がかかります。AIを活用することで、医薬品開発のサイクルの短縮が期待できます。

参考記事:
ベンチャーも触手を伸ばす創薬。AIはどう貢献する?

AI医療に向けた国内外の動向

医療へのさまざまなAIの活用が検討されるなか、国内外の動向はどういう状況なのでしょうか。

ヘルスケアに取り組む日本

日本の動向で注目されるのが、ソサエティ5.0です。日本版インダストリー4.0とも呼ぶべき政府主導の取り組みは、ネットワーク化により生産性を高めるだけでなく、社会の利便性を上げることが目的になっています。そのひとつにヘルスケアへのIoTAIの活用が挙げられます。高齢化社会を迎え、長寿でも安心して健康に暮らせるインフラが必要なります。そこでIoTを駆使して、健康管理や見守り機能、遠隔診断などが期待されます。このようなインフラを支える頭脳がAIになります。

その一方でAI研究や開発に向けた動きは、諸外国と比較し日本は鈍いといえるかもしれません。AIに関する特許数がアメリカや中国に水をあけられている状況です。またベンチャーキャピタルの市場規模も米中に比較して日本は小さいため、スタートアップが育ちにくいのです。

海外のAI医療の動向

では海外の動向はどのようになっているのでしょうか?医療系に限らずAIの研究・開発を主導するのが、GAFAなどの巨大IT企業やスタートアップ企業です。とりわけ資金力をもつIT企業の存在感は光ります。ディープラーニングにいち早く目をつけたGoogleは医療AI分野にも目をつけています。医療機器メーカー大手のジョンソンエンドジョンソンと共同で、手術ロボットを手掛けるVerb Surgicalを設立。、知能化した手術ロボットの研究・開発を行なっています。またGoogle傘下で囲碁プログラムAlpha Goを開発したDeepMindが、薬の種となる化学化合物を発見するために必要なタンパク質の構造を計算機上で再現するAlpha Foldを開発しました。

 

Googleに限らず巨額の投資が可能なアメリカでは、資金力を生かして医療用のAIにも手掛けようとしています。



地下に鉱脈が眠る医療用AI

医療における働き方改革は急務であり、それを支援するのがAIIoTといった最新テクノロジーです。医療診断支援だけでなく、負担となる事務処理などもAIを活用することで効率化が期待できます。

AIのような最新テクノロジーでイノベーションをもたらすのは、スタートアップ企業等の存在です。日本でもバイオテクノロジー分野でベンチャー企業が存在するものの、日本の製薬メーカーは海外のベンチャー企業との連携が進むなど、日本発のイノベーションは生まれてきにくい状況です。しかしながら医療分野におけるAI活用は広範に及ぶので、アイディア次第では斬新な医療用AIが日本から誕生することも期待できるでしょう。

<参考資料>

医師偏在対策について 

ブラックペアン登場の手術ロボ、J&Jはグーグルと組んでどう参入?

GoogleがAIで創る医薬品の未来とは

「ウェアラブルデバイスで何を診るか」(『Heart View』Vol. 22, No. 13)

AIと医療の近未来」(『月刊 保険診療』2019年4月号)

「AI(人工知能)による超音波診断の現状と将来像」(『新医療』2019年5月号)

「沸騰!先端医療ベンチャー」(『週刊東洋経済』2019年4月20日号)

AI搭載歩行トレーニングロボットの概要と導入効果、そして将来展望」(『新医療』2019年3月号)

IoT時代の病院情報システムのこれからの利活用」(『研究開発リーダー』Vol.14, No.3)

「人工知能(AI)を用いたヒューマンリソース・マネジメント能力」(『病院』Vol.77, No.10)

IBM Watsonの現在」(『光技術コンタクト』Vol.55, No.12)

『ドクターがやさしく教える!医療AI入門』(山下康行 著)

『医用画像のためのディープラーニング 入門編』(藤田広志 監修、福岡大輔 編)




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Naoki Kitayama

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