本章では、香港就職の概要をお伝えし、その中でも本記事では最新の求人動向、産業の傾向についての情報を提供します。

金融、物流、サービスにて求人が豊富。メーカー、商社の求人は減少傾向

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メーカー、商社、金融、物流、サービス業界(小売り等)での求人が主に存在します。但し、メーカー、商社の求人に関しては減少傾向にあります。(※香港は業界の移り変わりが激しいため、常に変動しています。)

例えば、金融業界では資産運用会社にて、日本人担当者としての求人があり、主に日本から香港に資産を移したい人、香港の金融商品を買いたい日本人などが顧客となります。この場合、日本人として、日本語で顧客に対して働けることが求められます。一方、物流業界では人の移り変わりが激しく、常に案件があります。

(参考記事:海外就職のメリット~海外就職を通じてキャリアを積んでいくために~

また、香港は住居費が高く、駐在員をひとり派遣するときのコストが高いため、駐在員を減らす方向性にある企業も、大手・中小問わず多くあります。それにより、香港の現地法人で採用する現地採用を増やす傾向にあります。(また同様に、香港人のマネジメント人材を育てる動きもあります。)

香港で就職して働く現地採用としては、数年勤務し、香港で働いたという経験・実績を得ることは、その後のキャリアを組み立てる上でひとつのステップとなります。なぜなら、日系企業等の外資系企業で働く香港人社員は、優秀な方が多く、そのような社員と働くことはキャリアバリューがあるからです。

経験を重ね、その企業にとって価値の高い人材になれば、本社採用になることもあり、そのまま駐在員として昇進する事例もあります。また、香港から中国に転勤など、他の支社を任される事例も稀にあります。

香港に進出する日系企業は、そこまで上り詰める気概のある人材を常に求めています。よほどの大手企業でない限り、駐在員として香港で働ける人材は多くないありません。英語の素地がある人材も少ないです。中小企業の駐在員であれば、香港に駐在したのはいいものの、あっと言う間に帰国を余儀なくされる方もいらっしゃるのが現状です。

「自分を効果的にプレゼンテーション」できる英語力と、ある程度の瞬発力が求められる

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TOEIC試験の点数は、書類審査上で確認されます。感覚としては、TOEIC700点代はないと、まともに英語で仕事ができないとみなされます。

但し、最重要視されるのは候補者の「バックグラウンド」です。たとえ英語力が高くても、その領域の専門能力が低い場合、採用に至らないこともあります。逆に、英語力が要求水準に届いていなくても、専門能力が高ければ、企業側がその専門能力を欲している場合、採用されることも多いです。
※外資系企業、金融業界であれば、TOEIC800点以上は必須となります。なぜなら、入社してから取得する必要のある資格の勉強を、英語で行い、英語で試験を受験する必要があるからです。

また、求められる具体的な英語力としては、「英語で自らを効果的にプレゼンテーションする力」が求められます。具体的には、下記3点を英語でプレゼンテーションする能力です。

?自分が今までどういう仕事をやってきたのか
?その中で、どのようなことを達成してきたのか
?どういった理由で、企業に貢献できるといえるのか

大前提として、「相手が何を話しているか齟齬なく理解できるリスニング能力」は必要です。面接において、面接官より質問された際、瞬発的にコアとなる回答ができれば、それも評価対象となります。
これには、香港人候補者の質の高さという背景があります。香港人候補者は、何も指定しなくても面接にプレゼン資料を持参し、自らを高く売ろうとする傾向にあります。日本人が香港で就職すれば、彼らと共に働くことになりますが、それゆえ日本人にもこのような能力が求められるのです。

勿論、こういったプレゼンテーションは、事前に用意しても問題ありません。要は、「(準備含めて)自らを効果的にプレゼンテーションできるかどうか」が評価対象となるのです。その際必要となるのは、まずは自己理解を深めることからでしょう。

(参考:海外就職前にやっておきたい「キャリアの棚卸し」とは?)

面接を突破し、評価される英語力さえあれば、あとは実務経験を通してどんどん英語力を高めることが可能です。
※注) 就労ビザの要件には英語力は存在しないため、英語力さえあれば就職できる、ということはありません。

「日本人として日本のビジネスマナー・日本語をもって働ける」「応募業界にて経験、専門能力があること」が必須条件

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香港で求められる日本人像としては、大きく分けると下記2つといえるでしょう。

?香港で必要とされている業種・業界において、経験・専門能力を持っていること
?日本人として、日本の商習慣に則って仕事ができること

?の記事で述べたように、香港では職務経験・専門能力がなければ、たとえ英語力があっても、就職することができません。香港で求められている領域の関連業種・関連職種での経験が必要です。

もし「いつかは香港就職」「海外就職のセカンドステップとしての香港就職」を考えられるのであれば、ベトナムやタイ、シンガポールなどの他のアジア諸国で経験を数年の経験を積み、セカンドステップとして香港就職を狙うことも可能です。例えば、「営業職として扱ってきた商品が似ている」「仕事内容が似ている」「業界が同じである」など、香港での職に繋がっていれば、十分に就労のチャンスがあります。

また、日本人として日本人に対し、日本の商習慣に則って、仕事をすることができることは必須条件です。なぜなら、「香港人ではなく、日本人を採用する理由」が日本企業には必要となるからです。
日本企業で働く香港人の中には、営業職として日本円で35万円相当の給与を得ている人もいます。「優秀な香港人よりも、あなたを採用する」理由が、「日本人として日本のビジネスマナー・日本語をもって働ける」ことなのです。

よって、求められるレベルは高いです。たしかに、就職したばかりのときはいろいろと苦しいかもしれません。しかし、日本人が求められているポジションであることを理解し、数年経験を積めば、外資系企業の日本市場担当者として転職できるかもしれませんし、キャリアアップする道は存在します。

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