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IoT 技術トレンド

IoTは半導体業界を一変させる?IoTと半導体との関連や将来性について解説します!

「半導体産業」は日本の製造業において重要な役割を果たしています。

輸出品では、自動車に次いで半導体電子部品の割合が
5.1パーセントで、約4.1兆円を占める巨大産業です。1990年代までは半導体分野で世界をリードしました。近年半導体産業の低迷が叫ばれる中、半導体需要が増大しています。
データセンター設置によるメモリ需要がバブルをもたらし、市場は活気づきました。

その中でも、最新テクノロジーとしてAIとともに注目を浴びるのが、IoT(モノのインターネット)です。端末や通信ネットワーク、サーバーなどあらゆる機器に半導体が必要で、IoTには不可欠な存在です。

そこで、今回は、IoTと半導体との関連や将来性について解説していきます。

IoTと半導体とのつながり

IoTの仕組みを整理

IoTの要点は、モノとモノとをネットワークで接続することで、その相乗効果を狙うことです。この場合、スマートフォンや自動車、家電製品などが「モノ」に相当します。このほかにも、オフィスや工場などの施設までもモノとして扱われ、製造業ではIIoT(産業分野向けIoT)と呼ばれることもあります。

相乗効果を狙うのに必要なのが、ビッグデータです。

端末に搭載されたセンサーからデータを取得し、そのデータをクラウドコンピューターなど遠隔地に設置されたサーバーで
AI処理します。
この学習結果を再度端末へ送信することで、あたかも端末自身が処理したかのように私たちには移ります。
たとえばスマートスピーカーの場合、発話者の命令を処理するのはスピーカーではなくクラウドコンピューターです。端末自体に高性能なハードウェアが搭載される必要がないわけです。

参考記事:
【必見!】IoTの普及に向けた課題とIoTが持つ可能性とは?

    IoTとビッグデータの関係とは?活用事例や普及の課題を詳しく解説!

IoTで不可欠な半導体

IoT普及に必要なのが、半導体です。

温度によって抵抗率が変化するため、通過する電気量を調節できます。この性質を利用して、複雑な電子回路が生まれます。コンピューターやデジタルカメラなどエレクトロニクス製品には、半導体が不可欠です。

IoTの場合、端末に搭載されたセンサーや、通信装置、ロジックLSIなど、あらゆる半導体部品が使用されます。必要とされる半導体部品の複雑化により、1つの垂直統合型デバイスメーカー(IDM)がすべての分野に関わるのではなく、各分野で強みを発揮する企業が登場するなど、半導体産業も激変しました。

IoTAIの登場により新規の半導体部品が求められるため、半導体需要はますます高まります。

参考記事:
IoTでビジネスはどう変わるのか?IoTの影響力や今後を解説

半導体生産設備におけるIoTの役割

半導体生産の効率化

半導体を語る上で欠かせないのが、半導体の生産設備です。

2018年の半導体メーカーの世界ランキングでは、日本のメーカーは東芝とソニーの2社だけがランクインしています。半導体生産ではかつての勢いはなくなりましたが、その一方で半導体製造設備における日本の位置づけはなお維持されています。

半導体産業調査市場企業であるアメリカのVLSI Researchによる2018年の半導体製造メーカーランキングによると、トップ15社中、3位の東京エレクトロンをはじめ、7社がランクインしています。半導体製造設備において、日本のシェアが低下しているとはいえ、30パーセント代を維持するなど、健闘しています。

4次産業革命

近年注目を浴びるのが、IoTを工場施設に導入することで効率化を図る「第4次産業革命(インダストリー4.0)」です。

少量しか生産できないカスタム製品の大量生産(マスカスタマイゼーション)を
IoTによって可能にするのが、インダストリー4.0の骨子です。
ドイツが
2012年にインダストリー4.0を提唱して以降、アメリカや日本、中国などがその流れに追随しました。

半導体に関しても、大量生産が要求されます。アジア・パシフィックにおける半導体製造のシェアを押し上げたのが、品質をある程度犠牲にして低コストで大量に半導体製造するシステムでした。1990年代まで日本がけん引していたDRAMメモリ生産においては大量生産が可能でしたが、コモディティ化が進み、韓国サムスン電子が半導体分野、とくに大量生産可能なDRAMNANDフラッシュメモリなどの製造をけん引しています。
その一方で、半導体の複雑化は用途ごとの半導体を生産する方向へとシフトさせました。インダストリー
4.0が目指すマスカスタマイゼーションにより、従来少量しか生産できなかった半導体製品の大量生産が可能になります。

参考記事:
インダストリー4.0とは何か?わかりやすく解説
     インダストリー4.0を開始したドイツ 日本はどう対峙すべき?

半導体の市場動向と日本の位置づけ

日本の半導体産業の低下

1990年代まで日本の半導体産業は隆盛を極めていました。

1988年には、世界の半導体生産額の50パーセントを日本の企業が占め、この状況から現在の凋落へのきっかけとなったのが日米半導体協定です。

海外製半導体を日本の国内市場に広く開放することなどを盛り込んだ協定により、徐々に国際競争力を失っていきました。また同時期の
1992年には、DRAMメモリでサムスン電子がシェア1位になりました。高品質をある程度犠牲にし、低価格大量生産を追求したのが功を奏し、これを足掛かりに一気に業界を駆け上ってゆきました。組み立て型から出発したサムスン電子は、キャッチアップ後には技術革新型にシフトしたことも特筆すべきです。半導体回路技術の国際会議ISSCC 2018での論文採択数で、韓国はアメリカに次いで第2位です。

半導体産業におけるビジネスモデルの変化

サムスン電子やアメリカ半導体企業の雄インテルは、垂直統合型デバイスメーカー(IDM)です。日本が半導体産業のシェアの過半数を占めていた時代の企業もまた、IDMに分類されます。

その一方で、近年注目を浴びるのが、ファブレスとファウンドリです。

ファブレスは工場をもたない企業で、製造を外部委託し、もっぱら設計や開発に特化します。半導体製造のための設備投資には莫大な費用がかかりますが、ファブレスは工場をもたないためその費用が抑えられます。加えて、設備をもたないために、半導体市場におけるトレンドの変化にも対応できます。
代表的なファブレスには、アメリカのクアルコムや中国ファーウェイからスピンアウトしたハイシリコンが挙げられます。どちらの企業も通信分野での半導体製造に強い企業です。とくに中国はファウンドリで半導体分野に攻勢をかけています。

もうひとつのファウンドリは、ファブレスから外部委託された半導体を製造する企業です。ファウンドリに強い国は、2000年代に韓国とともに半導体のシェアを上げた台湾です。台湾のTSMCは代表的なファウンドリで、AppleiPhoneに搭載されるプロセッサの製造などを行なっています。

世界シェアの上位を占める半導体関連企業は、インテルとサムスン電子を除き、ファブレスやファウンドリに分類されます。現在世界シェア1位をサムスン電子と争うインテルですが、かつてのような独占状態ではなく、影響力は低下しています。ブロードコムやクアルコム等のファブレス企業に押され、1つの企業が主導権を握る状態ではありません。半導体部品の複雑化により特定の分野に強みをもつ企業が出現し、群雄割拠状態です。

近年
M&Aが繰り返えされ、業界再編が進んでいる状況です。IoTの場合、多岐にわたる半導体部品が使用されるため、各分野で強みをもつ企業が現れています。IoTの頭脳ともいえるAIチップでは、ファブレス企業のエヌビディアが先行しています。近年はグーグルやアップルまでもが半導体業界に攻勢をかけるなど、群雄割拠の様相を呈しています。

IoT分野での半導体の将来性

後進でも追い付ける半導体企業

IoTひとつとっても、センサーやパワーデバイス、通信デバイスやロジック、メモリなど多くのデバイスが使用されています。DRAMNAND型フラッシュメモリといった記憶素子では、日本企業はかつてほどの勢いがありません。その一方で、例えばパワーデバイスでは欧米や日本の企業が中心です。

とりわけ近年の半導体産業におけるビジネスモデルの変化により、新規参入が容易になりました。ファブレスのようにアイディアさえあれば、設備に莫大な投資を行なうことなく、半導体産業に参入可能です。事実欧米における半導体企業のほとんどがファブレスです。ソフトウェア分野で数多くの資産をもつAppleGoogleまでもが半導体産業に進出しています。

一方で、サムスン電子やIntel等のIDMも、生き残りをかけてファウンドリに進出しています。が、思いのほか成果が出ていない現状です。しかし半導体産業は基幹産業です。ヨーロッパでは半導体を利用するエレクトロニクス産業を含めた製造業、ITを活用するサービス業など、あらゆる産業を支えるのが半導体産業だという認識があるといいます。そのため、IDMのような大規模な半導体企業や年間数千億円稼ぐメーカーはないものの、中小企業やベンチャーを中心にファブレス企業が数多く存在します。これらの企業は利益率も高く、シェアだけでその実態の把握を測ることはできません。

参考記事:
IoTを活用したスマートシティとは?事例や課題を徹底解説!

半導体市場の需要の増加

IoTの市場規模は拡大傾向にあります。

野村総研は、
IoTの市場規模は2018年の43.4兆円から202475.5兆円へと大きく成長すると予測しており、そのうち、通信に関するコネクティビティは5.3兆円から8.1兆円、ハードウェアでは13.9兆円から18.5兆円への成長が見込まれています。

クラウド・プラットフォームやアプリケーション程の成長が見込まれない背景には、
半導体のコモディティ化によるユニット単価下落が一因として挙げられますが、それでも半導体がIoTにとって不可欠なのは変わりありません。

近年のエレクトロニクス産業をけん引してきたのが、PCやスマートフォン、テレビなどです。これらの勢いが鈍化する代わりに、産業機器や車載などIoT関連分野での成長が期待されます。エレクトロニクス製品に不可欠な半導体需要も、このトレンドとともにシフトすると予想されます。


IoTを制することが半導体を制する

IoTひとつとっても、メモリから通信デバイス、パワーデバイスに至るまで、さまざまな半導体が必要になります。

半導体市場全体でのシェアという枠組みで眺めると見えにくいものの、パワーデバイスなど特定の分野では日本はなお強みを発揮しています。また半導体製造装置分野でも日本は勢力を維持しています。半導体製造装置の輸出はここ数年大幅に伸び、
2018年には約2.7兆円と、輸出部門で第6位につけています。

重要なのは、ここ数年の産業構造の素早い変化です。
欧米ではファブレスが主流。大規模な設備投資の必要なく、トレンドに対応できるのがファブレスの強みです。アイディア次第では大きく利益率をもたらすことも可能です。
IoTのトレンドに乗ることで、半導体を制することにつながることが期待されるでしょう。

<参考資料>

IoTにより激変する 半導体トレンドを理解しよう

2018年の半導体製造装置メーカーランキング - 日本企業はトップ15社中7社

2022年のIoT市場規模は11.7兆円、スマートホームやスマートグリッド普及でソフトウェア/サービスがけん引

2019年の半導体市場はどうなる?

対世界主要輸出品の推移(年ベース)

半導体製造におけるスマートファクトリー展開

ISSCC 2018 日本の採択数13件で中国を下回る

2018年の半導体メーカーランキング予測 - 日本企業はトップ15中に2社

野村総合研究所、2024年度までのICT・メディア市場の規模とトレンドを展望

「ニッポン半導体敗戦記」(『週刊東洋経済』2017年5月27日)

「存在感を増す台湾ファウンドリ―」(『ジェトロセンサー』2013年2月号)

「分業を嫌ったから日本は衰退した? ファブレス/ファンドリーで成功するには」(『Electronic Journal』2014年9月号)「半導体製造装置の寡占に関する一考察」(『日本経営システム学会全国大会講演論文集』No.58)

「IoTの進展に沸く半導体業界」(『経済の進路』2017年6月号)

「図解で見る IoT・AI時代の主役 電子デバイスの今」(『エコノミスト』2018年8月21日号)

「失われた10年」(『NIKKEI ELECTRONICS』2011年10月17日)

『韓国の工業化と半導体産業』(吉岡英美 著)

『欧州ファブレス半導体産業の真実』(津田建二 著)

『シリコンアイランド九州の半導体産業』(伊東維年 著)

『半導体関連プレーヤーの最新動向調査 2016』(富士キメラ総研 調査・編集)




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Naoki Kitayama

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