英語力が一番伸びる語学学校

人工知能(AI) 技術トレンド

GAFAに隠れているかのように映る「マイクロソフト」。その逆襲となるAI戦略とは?

IT産業をけん引するアメリカの大企業の総称である「GAFAGoogleAmazonFacebookApple)」。

ここ
10年ほどで規模が拡大し、世界時価総額ランキング上位を占めることから、4つの企業がまとめられて扱われます。


その一方で
ITに昔から取り組んできた大企業に、マイクロソフト(Microsoft)があります。

GAFAに隠れているかのように映るマイクロソフトですが、実はAI(人工知能)分野を含めて、このところの巻き返しには目を見張るものがあります。

そこで、マイクロソフトの
AIの取り組みについて説明していきます。

マイクロソフトによるAIの取り組みの歴史


1990
年代からマイクロソフトを支えてきたのが、WindowsなどのOSWordExcelなどのオフィスソフト、そしてウェブ用のブラウザなどです。

これらのシェアは世界でトップレベルを維持するなど、マイクロソフトの牙城を崩すことは非常に困難でした。

マイクロソフトは収益性が高いにもかかわらず、イノベイティブな事業に弱いといわれてきました。他方GAFAが大躍進を遂げた要因のひとつが、イノベーションです。

ウェブの検索から出発した
GoogleYoutubeAndroidAI関連ベンチャーなどを買収し、新規の事業をどんどん拡大してゆきました。

マイクロソフトにも
OSやオフィスソフトなど資産は膨大にあるにもかかわらず、派手さに欠け、GAFAほどのインパクトがありません。

潮目を変えたCEO交代

マイクロソフトが変わったのは、ここ数年の話です。

ビル・ゲイツが
CEOを降り、スティーブ・バルマーがその座に就いた2000年から2014年のあいだに、GAFAが一気に駆け上ってゆきました。

スティーブ・バルマーから
CEOを禅譲されたのが、インド人のサティア・ナデラです。サティア・ナデラは、マイクロソフトで常識だった考えを打ち破り、ゼロベースで改革を進めていったのが、現在のマイクロソフトの復活につながったと考えられます。

マイクロソフトによる長年のAI研究

マイクロソフトはGoogleが誕生するずっと以前からAI研究を行なっています。Windows 3.1が発売された1991年には、AIのための研究機関であるマイクロソフトリサーチ(MSR)がすでに設立されています。

当時はベンチャー企業と位置づけられていたマイクロソフトが、基礎的な技術の研究の必要性を感じて設立されたのが、
MSRです。MSRで培われてきた研究のなかから、いくつかの先端技術が誕生しています。そのなかには、量子コンピューターや複合現実(MR)技術が含まれています。

MSRの設立目的のひとつとして、当時のCEOだったビル・ゲイツは「人間の話が理解できる未来のコンピューターの研究」と述べています。
音声認識や言語認識に傾倒する方針は現在なお変わらず、マイクロソフトは
AIのなかでも音声認識に着目しています。MSRには約3000人のAI研究者がいましたが、他の領域でのAI研究者を集約して、Microsoft AI and Research Group2016年に設立されました。

マイクロソフトが重視するポイント

クラウドファーストのマイクロソフト

マイクロソフトは現CEOであるサテア・ナディアに代わって、大きく変化しました。収益性の見込めないモバイル事業からあっさり撤退を決めました。その一方で、マイクロソフトが注視するのがクラウド事業です。

マイクロソフトを象徴するのが、デスクトップパソコン事業です。

ビル・ゲイツは「一家に一台コンピューターを」という合言葉を掲げ、実際その目標を達成することができました。しかし、近年注目を浴びるのが、モバイル分野です。計算処理能力ではスマートフォンやタブレットはデスクトップパソコンに及ばないものの、遠隔に設置されたクラウドコンピューターを活用することで、多くのサービスが端末を通じて利用できるようになりました。

この波を受けて、マイクロソフトもまたモバイルファースト、クラウドファーストへと舵を旋回しました。マイクロソフトはクラウド事業でGAFAの後塵を拝し、Windows Azureの提供を開始したのが2008年。Microsoft Officeなどの従来のシステムをクラウド上への移行が始まりました。

2014年にMicrosoft Azureへと名称が変わり、企業向け売り上げ数はトップに躍り出ました。それも影響してか、サテア・ナディアのCEO就任後たった4年で、時価総額が2倍と大躍進を遂げました。

音声認識に賭けるマイクロソフト

Microsoft  AzureでもAIサービスのCognitive Servicesが提供されるなど、マイクロソフトはAIを活用したビジネスモデルを展開しています。マイクロソフトが注視するのが、先述の音声認識技術です。マイクロソフトが開発した音声AIが、Windows OSにも搭載されたCortanaです。

Cortanaでパソコンの操作ができるだけでなく、さまざまなコラボレーションも試みられています。

音声AIの活用が見込まれるひとつに、カーナビなどのインフォテインメントシステムが挙げられます。IoTにも食指を伸ばすジョンソンコントロールズとともに、Cortenaを活用したスマートサーモスタット「GLAS」を開発しました。

この技術で、ルノー・日産といった自動車会社との協業が進んでいます。
自動車に
5G(第五世代移動通信システム)通信対応することで、クラウドを利用できるコネクテッドカー、GLASはクラウドサービスを利用可能で、Cortenaを利用して車の操作や、ドライバーの好みを学習したシート位置の変更などが可能になるといいます。

積極的な業務提携

サプライズだったのが、CortenaAmazonのスマートスピーカーであるAmazon Echoでも使用できるように、同社との提携を始めたことです。

従来競合企業に対しては厳しい態度を取り、
EUなどから独占禁止法違反を指摘されるなど、なにかと悪印象の強かったマイクロソフトでしたが、垣根を取り除きあらゆる可能性を模索しているところに、現在のマイクロソフトの躍進があるといえます。

売上重視から成長重視へ

この背景には、売上重視の戦略から成長戦略へのシフトがあります。

従来、マイクロソフトはソフトウェアのライセンスビジネスが売り上げに貢献してきました。しかし、クラウドへとシフトしたマイクロソフトは、自社のサービスをいかに使ってもらえるかに頭を切り替える必要があります。

信頼関係を築き、長く使ってもらうために、他社企業とのオープンな関係が求められるようになったのです。

ソニーとの連携

AI分野に限ると、マイクロソフトはソニーとの提携を開始しました。

マイクロソフトは
Xboxを、ソニーはPlay Stationを販売するなど、両企業はゲーム機で競合する競争相手でした。ところがゲーム機がなくても、スマートフォンやタブレットなどでゲームをプレイできるようになり、従来のビジネスを維持するのが難しくなりました。事実Amazonはゲーム動画配信サイトを買収し、ゲーム市場に食い込もうと画策しています。

マイクロソフトとソニーによる当面の連携は、クラウド型ゲームの分野に関してです。ですが両者の連携から、AIIoTへ向けた取り組みが垣間見えます。
端末に搭載されたセンサーから取得したデータをAIによって処理することでより効率的なモノの活用を可能にするIoTですが、画像センサー需要は拡大することから、両社の連携は先を見据えてのものだと予想されます。

AI関連の特許数はGoogleよりも多いなどAIで強みをもつマイクロソフトと、CMOSのシェアが世界第1位など画像センサーで強みをもつソニー。
両者の関係はこれからも深く続いていくでしょう。

LINEとの連携

音声認識や言語認識での連携もまた、マイクロソフトは行なっています。メッセンジャーとして国内でシェアを占めるLINEに、チャットボット「りんな」を提供したのもマイクロソフトでした。

チャットボットは相手のチャット(発言)を解釈し、適切なコミュニケーションを行なうシステムです。りんなの言語認識には、ディープラーニング(深層学習)が用いられています。

AIチャットボット市場もまた今後の成長が見込まれています。製品の取り扱いが不明な場合や不具合があった場合に、マニュアルやFAQの確認やカスタマーサービスに入電するのが従来の対処法でした。AIによるチャットボットにより、双方向で効率的なコミュニケーションが可能になるのです。

マイクロソフトの将来性

ディープラーニングやクラウドではGAFAに後塵を拝したマイクロソフトですが、クラウドの売り上げは急増しています。
パートナー数では
AmazonAWS540社なのに対しMicrosoft Azure130社と負けているものの、売り上げは2017年第四四半期には53億ドルとAWSを抜き、いまなおその数字を伸ばしています。

マイクロソフトは従来の資産をAI事業に活用しつつも、新たなパートナーとの連携を通じて可能性を広げつつあります。Cortanaやチャットボットといった音声認識や言語認識分野で長年のAI研究での蓄積がマイクロソフトにはありましたが、ビッグデータの獲得にも手を伸ばしています。

ディープラーニングの力を発揮するためには、学習させるビッグデータが不可欠です。
Googleは検索分野で、Amazonは商取引、Facebookは画像やテキストを使ったSNSで、GAFAを押し上げたのがこのビッグデータでした。マイクロソフトはビジネス用SNSLinkedin2017年に買収しました。ビジネスに関するデータを取得することで、マーケティングやビジネスマッチングなどさまざまな応用が考えられます。

変わったマイクロソフトの戦略に注目

マイクロソフトはここ数年で、売り上げ重視から成長重視へと大きくシフトしました。これに貢献したひとつが、30年にわたる蓄積のあったAI研究です。成長戦略を練っているようにみえます。企業とのコラボレーションやM&Aを通じて、新しい取り組みを模索しています。変革したマイクロソフトの動きから目を離せません。

 

<参考資料>

マイクロソフトとソニーが戦略的提携、クラウドゲームやAIで
Cortana対応のスマートサーモスタット「GLAS」、319ドルで3月に予約開始
センサー市場、18年度6%増 IoTで需要拡大へ
MSのクラウド売上高がAWSを上回る?
マイクロソフトによるLinkedIn買収完了から約2年--統合の進捗は?

「無料説明会」を開催中です。

  • この記事を書いた人
  • 最新記事
サウスピーク編集室

Naoki Kitayama

本気留学サウスピークが「フィリピン・セブ島留学 / 英語試験 / 現地生活」に関する情報をお届けします。すべての英語学習者に役立つ情報が盛りだくさんです!

-人工知能(AI), 技術トレンド

Copyright© ゼロから実現する海外就職 | フィリピン留学、セブ島留学ならサウスピーク , 2020 All Rights Reserved Powered by AFFINGER5.