英語の聞き流しは効果があるのか?

巷では様々な英語の学習方法が溢れていて、テレビやネットなどを見ていても、日々様々な英語学習の宣伝が目に入ります。

そのような状況の中で、英語を習得したい方は、どういった学習方法がよいのか、悩まれることも多いでしょう。

忙しい日々を送る中で手軽にできる学習方法の1つとして英語の聞き流しがあります。通勤、通学中にも行うことができるこの学習をしている方も多いと思いますが、果たしてその学習方法は本当に効果的なのでしょうか?

本記事では英語の聞き流し学習が効果的なのかどうか検討しました。

(目次)

果たして効果があるのか?
効果がない理由
それでも効果がある場合とは?
聞き流しを効果のある学習に変えるためには
まとめ

果たして効果があるのか?

初心者向けの学習方法として紹介されることが多い「聞くだけの勉強法」ですが、実はどちらかというと上級者向けの学習方法です。そのため、多くの人にとっては英語を聞き流すだけという学習はほとんど効果がないのが実態です。

以下では、なぜ英語を聞き流すだけの学習が効果がないのか、分析しています。

効果がない理由

1.学習方法として間違っているため

率直に言いまして、英語の聞き流しだけで英語が話せるようになるというのは幻想です。

全く理解できないものを聞いているのは、雑音を聞いているのと同じ状態ですので、そこから何か得ることはありません。情報を得るためには、脳が認識する必要がありますが、それすらできていない学習方法ですので、効果があるわけがありません。

聞き流しているだけで効果があるのであれば、以前ひたすら韓国ドラマを見ていた時期がある僕は韓国語を話せるようになっていてもいいはずですが、ほぼ全く話せません。言語を身につけるためには、受動的な学習だけでなく、能動的にその言語に働きかけることが必須です。


子供と大人では効果的な学習方法が異なるので、それぞれに適した学習を行う必要があります。

確かに、子供や幼児であれば、英語環境に置かれ、英語を聞き流しているだけで話せるようになるかもしれませんが、大人になってから英語を学ぼうとしている私たちにはその方法が効果的ではありません。これは脳科学的に証明されている事実であり、言語の学習方法が今後進歩しても変わらないでしょう。

2.教材選定のレベルが合っていないため

英語の学習として、比較的多くの方が取り組まれるのが洋画を多く観ることではないでしょうか。しかし、この洋画から英語を学習する方法、かなりの上級者にしかほぼ効果のない学習内容になってしまいます。

そして、その洋画鑑賞よりも難易度の高い学習方法が英語の聞き流しです。洋画であれば、画面から得られる情報で登場人物が話している内容を推測することもできますが、それすらできないのでかなり高度な言語能力が必要とされます。英語での電話が対面して行う会話よりもはるかに難しいことと同じ原理です。


電話の方が対面のコミュニケーションよりも難しいように、情報量が少ない聞き流しは本来高度な学習方法です。

このように本来であれば非常に高度な学習方法である英語の聞き流しを行う際に、ネイティブスピーカーが自然なスピードで話している場面などを教材として使ってしまうと、何を言っているのか全く分からない、ということになってしまいがちです。

学習方法自体が高度であることを自覚して、今の自分のレベルにあった教材を選定できているのか、確認する必要があるでしょう。

3.学習時間が足りていないため

英語が習得できない場合、方法論の前にそもそもの学習時間が圧倒的に足りない場合が多いです。これは英語の聞き流し学習でなく、他の学習方法で英語習得を目指している学習者の方にも共通して言えることでもあります。


サウスピークへの半年の留学で学習する参考書の量です。
聞き流している音源を書籍に換算すると、十分な学習量に達しているでしょうか?

一般的に想定されている英語を習得するのに必要な時間数と、実際に習得するまでに必要とされる時間数の間には大きな開きがあるので、自分が果たして、十分な学習時間を確保できているのか今一度振り返ってみる必要もあるでしょう。

実際に必要とされる学習時間は下記の記事を参考にしてみてください。ちなみにTOEIC400点から700点レベルの英語力へと上げるためには750~900時間が一般的には必要であり、これは毎日2時間半程度の学習を1年間継続した場合に確保できる学習量に等しいです。

(参考リンク:TOEIC L&R試験の点数を上げるために必要な学習時間

それでも効果がある場合とは?

しかし、このような聞き流すだけの勉強法が全く効果がないかというとそうではありません。英語に関して学習の自動化が生じている場合には効果的な学習の1つになりえます。

学習の自動化とは?

新しい言語を習得する時に、学習者の壁となる段階は多くありますが、その中でも最も大きな障壁となるのが学習開始直後、何も分からない0の状態から、少し知識が付き断片的に理解できるようになる1の段階へと移行するフェーズでしょう。

この壁を超え、好循環のサイクルに入ることができるかどうかで、その後の学習に伴う英語力の伸びが大きく変わってきます。

上のチャートで示しているように、知識が0の状態のままでは英語に関する知識に出会った時に、記憶の中に留めることができないことが多いでしょう。それは、その情報の価値に気づけず、重要であると認識することができないためです。

一方、ある程度の知識がついた状態であれば、英語の知識に出会った時に既に自分が知っている情報と関連付ける、あるいは自分の分からなかった部分を疑問として残し後ほど調べることができる、など効率的に学習に結びつけていくことができます。

このような好循環のサイクルに入った状態では、日常生活の中で見かけた英文や、たまたま見た洋画などからも特段意識することなく英語を学ぶことができる学習の自動化が生じています。このような状態であれば、もちろん聞き流している英語の音源からも学ぶことができます。

ただし、このようなレベルにあるのはTOEICで言えば余裕を持って900点以上を取得でき、旅行などでは特段英語で困ることがないレベルに達しているかなりの上級者に限った話と言えるでしょう。

聞き流しを効果のある学習に変えるためには

では、上級者以外には英語の聞き流し学習は効果がないかというと、そのようなことはありません。ただし、いくつか学習上の工夫が必要なので、以下では聞き流しの学習を効果的な学習に変える方法をまとめます。

1.聞き込む文を事前に精読する

理解していない文章をひたすら聞き流していては全くなんの印象も残らず、新たな知識を得ることはできません。リスニング学習をより効果的にするためには、聞き込む英文を精読し、意味、文法それぞれの観点から理解しておくことが重要です。


精読が終わった後の文章。書き込む、書き込まないは個人の好みですが、この程度までは読み込みましょう。

正確に理解した文章を何度も何度も聞き込むことで、学習した知識の定着やフレーズを身体に馴染ませることができます。

実際にサウスピークでも留学前の事前学習の方法として、平日3時間英語学習を確保してもらう内の2時間はリスニング学習に充ててもらうようにしています。「座学1時間+通勤通学中などのリスニング2時間」を継続的に行うことで、実際に英語力を留学前から伸ばされる方も多くいらっしゃいます。
(参考リンク:英語学習を続けるための3つの時間戦略

2.自分でも口に出して読んでみる(音読)

さらにリスニング学習を効果的にするために必要なのが、音読です。

英語の音源を聞き込むことは自分の中に知識をインプットする行為ですが、そのインプットした知識を自分でも使ってみることで、一層の定着を図ることができます。

知識のアウトプットと言えば、英会話が一般的なイメージにあるかもしれませんが、いきなり英会話だけをしても得るものは少ないです。事前の準備として、何度も言い直して練習ができる音読で詰まらず言えるようになれば、実際の会話においても使用できるレベルに到達できるでしょう。

英会話は勉強というよりはスポーツに近いので、自分の使いたいフレーズが自然に口から出てくるような、身体性を帯びるレベルまでやりこむ必要があります。

十分に理解した英文をひたすら音読して、口が覚えてしまうくらいまで繰り返すことが会話上達への近道です。

しっかりと聞き込んだ音源を自分でも音読することで、英語特有のリズムや音の高低のうねりも習得することができます。相手に理解される英語を話すためには1つ1つの単語の発音も重要ですが、こうしたリズム、抑揚が非常に重要になってきます。完全にコピーするつもりで音読をしましょう。

3.自分のレベルに合った素材を利用する

学習の自動化に関しての説明でも触れたように、音源を聞いた時に自分が知っている部分が取っ掛かりとなり、そこから派生する形で学習は進んでいきます。

ですので、初見で聞いた時に全く分からない音源であれば、それは何も聞いていないのと同じ状態で、そのリスニング学習から得られるものはほとんどありません。

逆に、最初から全て聞き取れて、出てくる表現も知っている音源を聞き込んでも、学習効果はそれほど高くありません。(特定の英文に馴染むことで英語のリズムや音のうねりをつかむことには役立ちます。)


留学中など、教材の選択に関して相談できる人がいる場合は積極的に利用するのもよいでしょう。
サウスピークでは日本人スタッフに使用する教材の相談をすることが可能です。

学習強度を一定以上に保つためには、難しすぎず、簡単すぎずの適切な難易度の学習素材を選択することがとても重要です。最初に聞いた時に6~7割程度理解できる音源がよいでしょう。それ以上分からない部分が増えると、1つの素材を理解するまでに時間がかかりすぎてしまい、学習を続けるのが苦痛になります。

まとめ

うまく活用するにはややコツがいる英語の聞き流し学習ですが、

聞き込む文を事前に精読する
自分でも音読する
自分のレベルにあった教材を使用する

という3点を守って続けてもらうことで英語力を伸ばすことができます。

ぜひ、この記事に書いてある内容を実践して、受動的な聞き流しから、能動的なリスニング学習へと学習効率を向上させましょう。

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執筆者
Shun
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Shun

サウスピーク・ウェブマーケティングインターン。医学部医学科5年生(現在休学中)。インターンの傍でIELTs7.0以上取得、イギリス留学を目標に英語の勉強も継続中です。Twitter IDは@shun_taro_san