昔は「海外就職は片道切符」「現地採用は、駐在員の小間使い」とさえ言われていたこともある海外就職という道。しかし時代は移り変わり、海外就職を経験することで、より良いキャリアを積む人たちが増えています。

海外就職をする方々には、下記2つの経験を積んでほしいと考えています。
・日本以外の国で、目の前のことをなんとかする経験
・リーダーとしての経験

この経験・実績がある人材の需要は高く、かつできる人材は決して多くないと言われています。
※海外でいま日本人が求められている理由は、下記記事を参考にしてください。

(参考:なぜ今、アジア海外就職なのか?~日本人がアジアで働く理由~)

「グローバル」・・・日本以外の国で「目の前の仕事をなんとか前に進めていく」経験

海外就職で積める経験のひとつは「日本以外の国で、目の前のことをなんとかする経験」です。これはどういうことなのでしょうか?

それは「異国の、異文化の中で、異なる言語を使い、現地社員と協業すること」です。日本以外で仕事をする場合、目の前で繰り広げられることは、日本とは違うことばかり。そのため「なんとかする力」が求められています。

例えばインドネシアで仕事をする際に、必ずインドネシアに住むインドネシア人社員と一緒に働くことになります。そんなインドネシア人社員には、私たち日本人が共有できる文化的背景、暗黙知は通用しません。

日本人の「一本締め」の意味はわからないでしょうし、なぜ日本人が「飲み会」が好きなのかも、共感できないかもしれません。「ここが踏ん張りどころだ、気合い入れて行くぞ!」と言おうとしても、言い方を考えなければ、彼らには全く伝わらないでしょう。そもそも日本人には「勤労の価値」を尊ぶ空気がありますが、インドネシア人の間では、そうではないかもしれません。

むしろローカル社員・ローカルの文化に自らを調節し、変化しなければなりません。インドネシアはイスラム教国ですが、断食期間中の生産性減退には目をつむることが必要かもしれません。「彼らが持つ文化的背景とはなにか?」ということを考え、彼らとよりよく働けなければ、信頼は得られないでしょう。このことはフィリピンも同じでしょうし、タイ、ベトナム、その他の国でも同じことが言えます。「日本の常識は、世界の非常識」である大前提を理解する必要があるのです。

逆に日本で働く場合、上記のような努力は必要とされません。なぜなら私たち日本人は、文化的背景を共有しているからです。日本国内で働くのであれば「空気を読む」ことがある程度できます。お互いに「空気を読む」社会で働くことがいかに負荷が少ないかは、海外で働いてみた方々はよく感じられるのではないでしょうか。

「リーダー」・・・責任者として、「事業視点」でものごとを考えられること

海外就職で積みやすい経験、そのもうひとつは、リーダーとしての経験です。

ここでのリーダーの定義を「事業視点でものごとを考えられる能力」のこと、とします。違う言葉で表現すれば「事業に対する当事者意識」ともいえるでしょう。

海外にある日系現地法人では、常に人が足りていません。日本本社から駐在員として派遣をしても、任期が3年などと決まっており、かつ本人の希望とは関係なく、派遣されている場合もあります。このことから日系現地法人で求められているのは「現地法人を安心して任せられる人」であるといえます。

海外就職をした場合、それがスタッフとしての採用であっても、管理職として期待されていることが多いです。人が常に足りていない現地法人で、高い給料を出して「日本人を雇う」ということは、雇用側もそれ相応のリスクを負っているのです。
※東南アジアにおいては大抵、日本人の給与はローカル社員の給与よりも高額です。

この状況は、海外就職の経験をキャリアバリューとして次に活かしたい人にとっては、非常にありがたい話です。なぜなら「人が足りていない」「管理職としての機能を期待している」ということは、リーダーとして働く経験を得られやすいからです。

また現地法人で管理職として働くことになると、「ローカルが・・・」「フィリピンが・・・」と愚痴を言っている暇はありません。目の前には「現地法人の事業をどう儲けさせるのか」「どうやって売り上げをあげていくのか」という命題が横たわることになります。「インドネシア人が働かないから、うまくいかない」という愚痴を言っている限り、なにも前には進みません。なぜならそのローカル社員と協業する以外に、成果を上げることはできないのですから。

もちろん海外就職を希望する方の中には「そんな、管理職なんてやったことない!リーダーなんてもってのほか」と思われる方もいらっしゃるでしょう。しかし「リーダーとしての経験を積みたい、やってみたい」という意思表示をする方には責任・裁量が回ってくる可能性が高いです。

海外就職をする人々には、「グローバル」×「リーダー」の資質がある

そして海外就職をする人々には、この2つの能力を身につけられる資質があると考えています。なぜなら今の時代に海外就職する人達は「誰かに言われてやった」わけではないからです。物質的に豊かになったこの時代に、日本で仕事をし食べていくことは十分可能なことであり、むしろその方が安定しています。海外就職者は、自分で決めて、自分で海外に来ているのです。

もちろん海外就職の先にはなにか、わかりやすいロールモデルがあるわけではありません。日本のように「10年したら同じデスクの端にいる、係長になる」という正解などありません。しかし、そもそもこの不確実性に満ちた時代に、キャリアの正解など本当に存在するのでしょうか?事業に正解はありません。海外就職は「自分の正解をつくる」経験という意味でも、リーダーとして働く経験に付与されるといえるでしょう。

誤解を恐れずにいえば、駐在員は「会社に言われたから」という理由で海外に来ているのです。だからこそ待遇を良くしなければいけないですし、とある国ではひとり駐在員を送るために年間1000万円かかるとも言われています。

「自分で決めて、自分で海外に来ている」。そんな海外就職者にこそ、「グローバル」×「リーダー」の能力を身につける資質があると考えています。

 

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