現在、海外のプロサッカーチームでマネジメントのお仕事をされているHidekiさんにお話を伺いました。

英語学習を始めたきっかけや、海外(フィリピン・マニラ)でサッカーの仕事を得るまでの経緯、マニラでの生活などについて話してくださいました。

インタビューに協力してくださったHidekiさん

【この記事のポイント】

・外国人選手とコミュニケーションを取るために海外留学を決意
・TOEIC350点アップ
・二国間の文化の違いの間で仕事するのはとても大変だが希少な経験だと考えている
・さらなる成長のために休日も勉強している

Hidekiさんについて

  • (小3~大学時代) プロの選手を目指したサッカー人生を送る
  • (大学卒業後) プロの道は断念するが、幸運にもプロサッカーチームのマネ―ジャーとして働けることに
  • (8年勤務後) 大好きなサッカーのマネジメントの仕事を辞め、4ヶ月のフィリピン留学
  • (現在) フィリピン・マニラにあるプロのサッカーチームでマネジメントの仕事

プロサッカー選手を諦めて、日本のサッカーチームのマネジメント職に就く。英語ができず、外国人選手との意思疎通に苦戦

―Hidekiさん、こんにちは。本日はよろしくお願いします。

よろしくお願いします。

―現在はフィリピン・マニラにあるプロサッカーチームでマネジメントのお仕事をされているということなのですが、Hidekiさんご自身はもともとサッカーをされていたのですか? 

はい。小3~大学時代まで、プロを目指してサッカーをしていました

結局プロにはなれなかったんですけど、ご縁があって日本のプロサッカーチームのマネジメントをするチャンスを掴みました。その仕事を8年間続けていました。

日本のプロサッカーチームで、一緒に仕事をしていたスタッフたちと(写真一番右がHidekiさん)

―英語学習を始めたのには何かきっかけがあったのですか?

チーム内に外国人の選手がいるのですが彼らは日本語を話せず、僕ら日本人は英語を話せないので、彼らは話し相手がおらず寂しそうにしていました。それを見て「彼らと英語でコミュニケーションを取れるようになりたい、力になりたい」と思うようになりました。

そうしてオンライン英会話を受講するようになったのですが、仕事をしながら英語を勉強するというのは、かなり大変でした。当時は、朝7時30分から22時30分、23時くらいまで働いていたので……。

―1日15時間ほど働いて、その仕事の合間を縫って英語を勉強するのは大変そうです。

大変でした……。留学も検討していましたが、大好きな仕事を辞めたくはないので何年間も留学をするかどうか迷っていました

仕事を辞めないと英語を話せるようにならないので、大好きな仕事を辞めてフィリピン留学へ

―留学をするかどうか、長い間迷われていたのですね。

はい。なかなかこの仕事をできるチャンスはないですし、運があってやっと就けた仕事ですし、なによりこの仕事が本当に大好きでした

試合前のようす。ハイタッチをするHidekiさん(左)と選手(右)

だから辞めたくなかったんですけど20代後半になりオンライン英会話でちまちま英語学習をしている時間は、もう自分にはない」と思ったので、仕事を辞めて留学することを決めサウスピークに4ヶ月間、フィリピン留学をしました。

―4ヶ月の留学で、英語力はどれくらい伸びましたか? 

4ヶ月で、TOEICの点数で言うと400点台から755点まで350点ぐらい伸びました。そして、留学前は知っている単語を繋ぎ合わせて話していたのが、留学後は文章で話せるようになりました。

卒業式にて、フィリピン人講師Chiとの1枚。サウスピークでは、卒業生全員がガウンを着用します

※Hidekiさんの留学ついて、詳しくはこちらの記事をご覧ください。参考:Hidekiさん32歳、英語の勉強ができる最後の機会!4ヶ月のフィリピン留学でTOEICの点数400点台から755点へしっかり結果にコミット

フィリピン留学中、マニラのプロサッカーチームをマネジメントする仕事の依頼。不安だけど、やってみることに

―現在マニラのプロサッカーチームでお仕事をされているのですよね。そのお仕事はどのような経緯で得られたのですか? 

ある日、日本のサッカーチームで仕事をしているとき仲の良かった選手に「今フィリピンにいるよ」と連絡したんですよね。そしたら、その流れで「マニラのプロサッカーチームでマネジメントの仕事をしないか」との誘いを受けたんです。

「マニラのプロサッカーチームでマネジメントの仕事をしないか」と誘ってくれた、柳川雅樹選手

でもそれから半年間、その話を受けるか悩みました

―悩んだのですか? 意外です。

悩みました、すごく。「環境を変える」ということが、とにかく不安でした。留学で学んだ英語がどれくらい通じるか分からないですし、マニラに行っても知らない人ばかりですし。

悩んだ末に、チームを支える仕事ができるというのと英語を実践的に使えるという理由で、引き受けることにしました。

―引き受けて、良かったですか? 

良かったです! できるか分からないことをやってみて「できた」というのは自信になりました。またフィリピンのプロサッカーチームで仕事をしている日本人はなかなかいないので、そういう希少価値のある経験ができたことにも満足しています。

今シーズンの最終戦後、チームの選手やスタッフとの1枚。Hidekiさん写真右上

フィリピン人と働くのは、かなり大変。でもこの経験が、人生の「財産」

―マニラで働いていて大変なことはありますか? 

あります。フィリピン人と働くのは、もう、かなり大変です。

チームで一緒に働くフィリピン人スタッフとの1枚

日本には「相手の言いたいであろうことを察する文化」がありますが、フィリピンにそんな文化はありません。言わないと伝わらないところが日本と違っていて、難しいです。

またフィリピン人は日本人と違って「同じ曜日の同じ時間に、同じことをすること」が苦手ですし、時間に遅れるのは当然です。監督、コーチ、選手、スタッフ皆プロ意識が低いです。

だから問題があれば、その都度話し合っています。

フィリピン人選手との1枚

―話し合う際のコツはありますか? 

はい。まず、彼らに思っていることを全部言ってもらいます。そうするとだいたい言い訳を言ってくるので、それに対して「こうしたら良いんじゃない?」と提案をします。すると、彼らも自分が悪いということを理解し、こちらの提案を受け入れてくれます。

それでも理解してもらえないときは、こちらが歩み寄ります。

―大変そうですよね。

でも、これが良い経験になっているなと感じます。この経験は「財産」です。

選手の集合写真

仕事で英語を使う中で、英語力が伸びている。休日も英語学習というストイックさ

―マニラで仕事をしていて良かったことを教えてください。

「自分の話す英語が通じる」というのが実感できたことです。マニラで仕事をする前は自分の英語力はまだまだだと思っていたのですが、意外と通じました

またサッカー用語を学びつつ、仕事という実践の中でそれを使えるのも良いですね。

英語でリーグの規約が書いてある資料。分からないところを休日や空き時間にチェックしているそうです

以前はTOEICの勉強を中心にしていたので「完璧かつ複雑な文」で話すのが良いと思っていましたが、

実際にマニラで英語を使って働いてみると「シンプルに分かりやすく」話す方が相手に伝わりやすいということに気付きました。

―マニラで働き始めたとき、TOEICは何点でしたか? 

1月にマニラで働き始めて、2月に受けたTOEICが905点だったので、働き始めたときもレベル感的にはだいたい900点ぐらいだったと思います。

―マニラで仕事を始めたときには既に900点を超えていたのに、そのときよりも英語力の伸びを感じているのですね! 

感じています。特にリスニング力は、仕事をする中でさらに上がりました

以前は聞き取れない部分があると、気になってその後の言葉が耳に入ってきませんでした。

でもみんな、そんなのおかまいなしにどんどん話を進めるので、聞かないわけにはいかないじゃないですか。それに慣れて、聞き取れない部分に執着するのではなく全体から内容をつかめるようになりました。

ワークショップの際に他チームのスタッフたちと撮影した1枚。Hidekiさん写真右上

―休日はどう過ごされているのですか? 

休日は、英語学習や読書に時間を使っています

―え! 外には出ないんですか? 

出ないですね。マニラには特に観光地もないので、いつも家で過ごしています。せっかく海外にいるので、英語力を上げたいなと思いますし。

英語のサッカー用語を勉強したり、Youtubeでインタビュー動画を見たりしています。あとは、ポッドキャストでラジオも聞きます。

休日や空き時間に英語のサッカー用語を学ぶために読んでいる、サッカー選手のノンフィクションの物語

マニラでの生活について。生活費や、食生活、マニラの良いところなど

―差し支えなければ、生活費についてお聞きしたいです。

生活費は月2~3万ペソ(約4~6万円)です。住居は、会社のオーナーの家に半額で住ませてもらっていて、月1万ペソ(約2万円)くらい。食費も月1万ペソ(約2万円)くらいです。

―どんなお家か見てみたいです! 

2ヶ月前に引っ越したんですけど、左が以前住んでいたところで右が現在の部屋です。

2ヶ月前まで住んでいた部屋(左)と、現在住んでいる部屋(右)

現在住んでいる部屋から見える景色

―外食はよくされていますか? 

僕はいつも外食です。とは言っても、安く済みます。引っ越す前はカレンデリアという出店で食べていたので一食50~100ペソ(約100~200円)くらいでした。

引っ越す前によく行っていたカレンデリア

―安いですね。おなかを壊したことはありませんか?(笑)

おなかを壊したことは一度もありません。

カレンデリアの中の様子

カレンデリアでHidekiさんお気に入りの料理。フィリピンの家庭料理を代表するチキンアドボ(左)と、もやし炒め風の料理(右)

引っ越した後は、ジョリビーやコンビニのご飯を食べることが多いです。

フィリピンで国民的人気を誇る、ファストフードのチェーン店ジョリビー

―日本で働いていたころと、給与に違いはありますか? 

日本で働いていたころは1年目が20万くらいで、それから増えていったんですけど。今は、日本で1年目のときと同じくらいですが、マニラは日本よりも安く住めるので、十分生活できます。贅沢はしていませんが、贅沢もできるレベルだと思います。

―日本と比べて、マニラの良いところを教えてください。

英語が使えるところ、人柄が良いところ、あと、においです。あまり納得してもらえないんですけど、フィリピン独特のにおいが好きです(笑)

クローゼットとか衣類のジメジメしたようなにおいで、甘い感じです。

―私もフィリピンのにおい、好きです(笑) 人柄が良いというのは、どのようなところですか? 

日本人よりもミスに寛容なところとか、とにかく「ゆるい」ところです。これはフィリピン人の良いところでも悪いところでもあると思いますけど。

HidekiさんのオフィシャルID。名前が間違っている(Hideki→Hideaki)あたり、フィリピンのゆるさを感じます(笑)

今後の目標と、プロを諦めた人にメッセ―ジ

―今後の目標を教えてください。

今後の目標は「チームを支える仕事」をしながら、「英語でコミュニケーションを取る力」をより上げていくことです。

試合中のフィリピン人選手たち

チャンスがあれば、日本語・英語に続いてもう1つ新しい言語を学びたいと考えています。韓国語とか。

サウスピークでのフィリピン留学を通して勉強のしかたが分かったので、独学で新しい言語に挑戦できそうだなと思っています。

―素敵です! 最後に、Hidekiさんと同じように「目指していたプロのサッカー選手の道を断念して、違う道を選ぶ方」に向けて、メッセージをお願いします。

僕はプロになれなかったことは残念ですけど、高い目標に向かって頑張ったことは無駄にはなっていないと思っています。全力で挑戦してやりきったことで、次の道へ進む決断ができました。今はプロになれなかった悔しさがパワーに変わり、新たな目標に向かって全力を捧げることができています

どの分野でも、全力で取り組むことによって見えてくるものや掴めるものが必ずあると思います。皆さんも今を大事にして、よく考えて、よく悩んで目標を決めてください。そして目標を決めたら、それに向かって全力でチャレンジしてください

―本日は、ありがとうございました。これからもマニラ、そして世界でのご活躍をお祈りしています! 

Hidekiさん、本日はありがとうございました。益々のご活躍をお祈りしています!

まとめ

大好きなサッカーの仕事を辞め、留学して英語を話せるようになり、海外で再びサッカーの仕事のチャンスを掴んだHidekiさん

スポーツと全力で向き合ってきた経験があったからこそ、英語学習や仕事に対しても一生懸命になれるのではないかと感じました。

また、英語ができるようになったことで「日本では絶対にできないような貴重な経験」をされているのではないでしょうか。

この記事を読んでくださったサッカーが大好きな方に、「Hidekiさんのように熱い思いと努力があれば、プロサッカー選手という道以外にも、英語を習得し海外でサッカーに携わる仕事をするチャンスがある」ということを感じていただけたら幸いです。

サウスピーク 留学までの流れ

Hidekiさんがマネジメントしている、マニラのサッカーチームの旗