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・スウェーデンは安全でアジア人に優しい都市である

・初めて一人で海外旅行に行った ・たくさんの国の友達ができた

こんにちは。亀山頌互と申します。いま大学4年生で、都内の大学で航空宇宙工学を学んでいます。この連載では、私がフィリピンでの1ヶ月を経て、スウェーデンでの交換留学に至るまでの過程を紹介しています。

前回は私の英語学習の動機と交換留学決定までの経緯をお伝えしました。そこで、今回はストックホルムでの留学生活を振り返ってみたいと思います。

⇒ 第一回 航空宇宙工学を専攻する大学生、交換留学を目指してまずはフィリピンで英語留学をする

スウェーデンと「水の都」ストックホルムについて

唐突ですがここで問題です。
問. 「スウェーデンに留学する」と周囲の人に話した時によくある反応はどういったものでしょうか?

? あ、あのムーミンの国?
? アルプスの少女ハイジでしょ?
? へー、そうなんだ。で、ノルウェーって何が有名なの?

答. ?→フィンランドです。 ?→スイスです。 ?→だから、スウェーデンって言ってるんだけど…

別に馬鹿にしているわけではありません。

最近は北欧デザイン等で人気が出てきていますが、それでもノーベル賞のニュースでしかスウェーデンを知らないという日本人がほとんどです。私が住んでいたストックホルムは、美しい街並みと各所で目にする水の流れが印象的な街です。

都市部でも自然が豊かで、寮から徒歩10分の湖でカヤックができるほどです。街の一部が映画「魔女の宅急便」のモデルになっていることも親しみを感じる方もいるかもしれません。どうでしょう、イメージが湧いたでしょうか?

スウェーデンは北欧に位置し、日本から飛行機で11時間以上(搭乗時間のみ)、直行便は2015年10月現在ありません。公用語はスウェーデン語。面積は日本より少し大きく(約1.2倍)、人口は神奈川県程度(960万人)。東京―ストックホルム間の緯度差は東京―稚内間の2倍以上です。(東京:北緯35.6°、稚内:北緯45.4°、ストックホルム:北緯59.3°。Google Mapより)

これだけ数字を並べて何が言いたいのか。それは日本との大きな環境の差です。具体的には、夏は22時頃まで明るく、逆に冬は15時半に日が沈みます。ストックホルムの夏は非常に美しく、みな遅くまで外出して楽しみますが、冬は外に出るのが億劫になります。

私も、季節の変わり目に精神的に参ってしまい、数日間誰とも連絡を取らずに引きこもってしまったことがあります。連絡が取れずに両親を心配させた、留学中で唯一のトラブルでした。

と、ネガティブな側面を強調してしまいましたが、ストックホルムはヨーロッパの都市の中では安全で、かつ移民の受入れに積極的であるため、英語のみで生活する外国人に親切な街です。もちろん、物価が高いという、北欧圏留学生共通の悩み事はありますが。ヨーロッパ内でも、国によってはまだアジア人(ないしは外国人)に対する待遇の悪さを感じることもありますが、スウェーデンではそのような印象を受けたことはありませんでした。街にはSushi barが多く、中心部の公園には桜が植えてあり、意外な日本との繋がりもあります。

はじめての「ひとり○○」の連続

海外に1人で行くのも初めてで、また大学は実家から通学していたため、留学生活は、初めて経験することばかりでした。私が住んでいたのは大学に割り当てられた学生寮のような場所で、12人でキッチンのみ共用となっていました。

住んでいたのは留学生が大半で、スウェーデン人もいますが共通語は英語です。日本の学生生活と大きく異なっていたのは、友人との集まりは基本的に持ち寄りパーティーだったことでした。レストラン等の価格が高く、店も夜早くに閉まってしまうことが理由にあるのですが、それも慣れてしまえば案外気になりません。

料理は気分転換にもなり、友人と自分の国の料理を作りあって交換するのも話題が広がり楽しいものです。ただ、設備の故障やだらしない隣人とのトラブルの話が絶えないのも事実であり、笑い飛ばせる位の図太さは必要でしょう。

もう1つ、「ひとり」で欠かせないのが旅です。ヨーロッパに留学する1つの利点は、地理的な近さと豊富なLCCの路線網を利用して様々な国を安価に旅することができることです。交換留学中は日本にいる時に比べ自由な時間が増えたため、休みを利用して1人でバックパック旅行をしていました。

完全に日本語の情報をシャットアウトし、英語と少しの現地語で旅するのはとてもよい練習になります。1人で寂しいことも多いのですが、興味のある場所だけを回れますし、ユースホステルの同じ部屋の人と仲良くなれた時の嬉しさは格別です。学業・研究と両立しながらでも、北はスウェーデン・ノルウェーの北極圏内、南はスペイン南部まで12カ国程を訪れることができました。

交換留学での友人関係

留学を語る上で最も重要なものの1つが友人関係についてです。私が学んでいたスウェーデン王立工科大学(KTH)は、毎年1000人以上の留学生を受け入れており、非常に国際色豊かな環境といえます。専攻によって偏りはありますが、ヨーロッパの先進国を中心として、ほぼ全世界の多様な地域から留学生が集まっていました。

今振り返っても、留学してよかったと思える理由の1つです。同じ日本からの留学生、そして日本語を学んでいる学生たちは最も深い付き合いになりましたが、研究でお世話になった教授(オーストラリア)・旅行中に実家に泊めてくれた友達(ベルギー)・ご飯を一緒に食べた友達(韓国、タイ)・授業で教えあった友達(スーダン)・同じ研究をしていた友達(ブラジル)・旅行にいった友達(ドイツ、フランス)・いつも陽気な彼ら(スペイン、インド)などなど、世界地図で塗り絵をしているような感覚さえ覚えます。(書ききれなかった人たち、ごめん!)もはや出身国で語ることは意味をなさないのかもしれません。

他に印象に残っているのは、同じ寮の問題児たち(アメリカ、オーストラリア)ぐらいでしょうか。寮の友達(スウェーデン)ならきっと分かってくれるでしょう。(※注 お分かりだとは思いますが、アメリカとオーストラリアの人が皆そういう訳ではありません。悪しからず。)

こう書いていると、沢山の友人に囲まれ、いつも楽しい留学生活を送ったように聞こえますが、常にそういうわけではありませんでした。1つがコミュニケーションの取り方・話題の選び方の違いです。これは、英語力だけの問題ではないと私は思っています。(この点はまだ私も学んでいる途中なので、むしろアドバイスを頂きたい立場なのですが…)皆さんの中で、もし英語力が完璧ならば、外国の方との意思疎通で苦労することは無いと考えていらっしゃる方はいませんか?どうやら私は留学するまでそう思い込んでいた節があったようで、留学開始後に事実は異なることを学びました。

留学開始後、英語での会話はもちろん苦労します。私はフィリピンの1ヶ月以外、対面で英会話をする機会を持たなかったので尚更でした。しかし、相手が東アジアの学生の時と、ヨーロッパの学生の時で、会話を続ける難しさのようなものが違うことに気づいたのです。共通の話題も影響しますが、会話のテンポのようなものが大きく違いました。

サッカーに例えると、私の普段の会話は「ダイレクトパス」ですが、ヨーロッパの人たちは「ドリブル&パス」の感覚です。彼らはボールをすぐに返さないのです。話す時は発言に反応するだけでなく、自分の意見も加えて伝えます。なので、熱っぽくなるとしばしば話が長くなります。そして、聞く時には日本語に比べて相槌の数は少なく、黙って聞いているので、自分が話していると伝わっているか不安になることが時々あります。自分の意見を伝える「ドリブル」の習慣。これが私にとって最大のカルチャーギャップだったのかもしれません。

実は、この第2回でKTHに留学して良かった理由を紹介しようとしていたのですが、友人関係についてのみで予定の分量に到達してしまいました。研究について、これはもう1つの苦労した点でもありますので、次回に持ち越しとさせていただきます。次回は学業面と将来の進路について書いていく予定ですので、どうぞ宜しくお願いいたします。

⇒ 第三回 スウェーデン王立工科大学の留学生活で感じた日本の大学との違い

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