Shunさんは、サウスピークに留学をされた後JICAでガーナに赴任されました。今回は、ガーナへの赴任前から、現在のどのような活動をしているのかについてインタビューをさせていただきました。

【この記事のポイント】

  • 教員採用試験に受かりたいっていう打算的な理由でボランティアを決意
  • 海外での経験で新しい世界を知った
  • 問題だらけのガーナの教育事情
  • 海外に住むだけでは英語は向上しないから1日4時間ほど自習していた

 

ボランティアをすれば、教員採用試験に受かりやすくなるという理由で始めたボランティア

– Shunさんが、最初に海外にボランティアに行くようになったきっかけを教えてください。

正直、僕が最初に海外にボランティア活動で行くこととなったのは、打算的な理由でした。大学生の時は教員になることを目指していたのですが、「ボランティアをすると教員採用試験に受かりやすくなる」と聞いて、それなら一度海外のボランティアに行ってみようと思ったのがきっかけです。

– 崇高な志があったわけじゃなかったんですね。

そうですね。正直、打算的な理由でした。

一番最初は大学二年生の時、カンボジアの学校に8日間のボランティア活動に行きました。旅行代理店主催のボランティアツアーで、シェムリアップの学校での教育補助のボランティアでした。ところが、実際に現地についてみて大変だったのが英語でした。入国審査も「Hello」だけでやりすごし、レストランでも注文もできないようなレベルでした。もちろん、ボランティア活動もままなりませんでした。勉強をどうこう教えられるレベルではなく、子供達と一緒にボールを蹴るくらいしかできませんでした。

カンボジアでボランティアをするShunさん

それでも、海外に行く経験は楽しくて、大学三年生の時にはインドのバラナシで日本人が運営しているフリースクールのボランティアに行きました。その時も、英語が全くできないので、駅の構内で迷ってひたすらぐるぐる歩いていました。運良く、日本人を見つけてどの電車か教えてもらって助った経験があります。やっとフリースクールにたどり着きましたが、ここでもたいしてなにもできなかったです。一緒に縄跳びをしたり、ボールを蹴ったり(笑)

インドでのボランティア活動

二つの海外ボランティアを通じて芽生えた世界への興味

– その後、学校の先生になることを目指したんですか?

いいえ、教員にはまだならないでおこうと決めました。教員採用試験に受かりやすくなるという理由で行った海外ボランティアでしたが、海外で新しい経験をすることで自分の知らない世界があるということに気づけました。もっと知りたい、学びたいという好奇心が芽生えました。

そこで、教育学部なので、ゼミの友人の多くは教員の道に進んでいくなかで、一人だけ教員採用試験も就活もせずに、学校を卒業したら海外に行ってみようと考えました。正直、結構不安でした。でも、いま世界を見てみることは自分の糧になるし、もし教員になったとしても十分に役立つ経験になると思ってそう決めました。

サウスピーク留学中に次の目標を見つける

– それで、サウスピークに留学に来たんですよね

そうです。海外には行きたいけど、まず自分の英語のダメさを知っていたので、まずは英語力を身につけるためにサウスピークに留学をしました。その、サウスピークに留学期間中に英語の勉強はもちろん頑張ったのですが、留学後なにをしようかとずっと考えていました。

– すごく頑張ってましたよね。全然英語できないところから、TOEICも600点超えるくらいまでなりましたから。

ありがとうございます。

そんな時に、サウスピークの生徒さんでアフリカでICT教育をしていた経験がある人と出会いました。自分は英語ができなくて、海外ボランティアできっちり教育できなかったという悔しい経験があったので、彼の経験がすごく興味深かったんです。話を聞いているとJICAの海外青年協力隊というプログラムがあって、そのプログラムを利用すれば海外でボランティアができるとのことでした。しかも、ボランティアに必要な費用は支給してもらえるということで、これはやって見たいと思えたんです。サウスピークの留学終了後に、すぐに申し込みをしました。

– いい出会いがあってよかったですね。

*一番最初に留学された時のShunさんの留学体験談
「英語を喋れるようになりたい」「英語を話せるようになりたい」TOEIC270点UPで英語が喋れるようになったShunさん

JICAの試験からガーナに行くまで

– 海外青年協力隊の試験はどうでしたか?

海外青年協力隊の試験は英語と技術面談と性格診断でした。英語はTOEICのIP試験がつかわれていました。僕の希望している要請内容の合格ラインは640点でしたが、780点取れました。その他の技術面談と性格診断をうけて、無事に合格しました。ただ、合格発表から訓練開始までが1年間もあったため、一度、教員として働くことにしたんですよ。

- 日本の学校はどうでしたか?

日本の学校で働いて思ったのは、学校の中で英語が話せる人って本当に少ないということです。その当時の僕の英語力でも重宝され、ALTの先生との会話を頼まれるぐらいでした。ALTの先生は、職員室では、なかなか話せる相手を見つけられず、少し寂しそうに見えることもありました。

学校での勤務が終わったあとにもう一度サウスピークに留学をしました。1回目の留学の時は基礎力が低かったので、基礎力をつけるために行きましたが、2回目の留学では日本語禁止校舎でスピーキングを中心に勉強しました。留学後、やっと、訓練所が始まりました。訓練所では、語学(英語)を中心に、安全対策やワークショップの開催の手順などを学びました。そして2016年9月にガーナに赴任しました。

*Shunさんの二度目の留学の体験談
青年海外協力隊でアフリカで働くために!1年間の英語学習のブランクを埋める二度目のサウスピーク留学 Shunさん

地球の歩き方にも載っていないガーナの生活

– ガーナの生活はどうでしたか?驚くこと多くなかったですか?

僕が赴任したところは、Ghana東部のJasikan districtというところでした。ガーナの中でも田舎で、日本とは全く違います。いや、セブとも全く発展段階が違いました。車から煙がでてくることなんかもしょっちゅうありました。あと、最初よくわからなかったのは家に蛇口があるんですが、蛇口に水道管が繋がってないんですよ。将来、繋げれればいいよねみたいな感じで蛇口が壁についているだけでした。

– 日本では全く想像できないような環境ですね。JICAボランティアとしての仕事はどうでしたか?

現地では、ガーナの先生の理数科の授業の質を向上させるために活動してきました。地域の学校の先生に集まってもらい、ワークショップを開催していました。ガーナの教育事情はもう本当に問題が山積みでした。まず、授業の開始時間に授業が始まらないとか、教科書には理科の実験をしなさいと書いてあるんですが、学校にはそもそもビーカーすらないみたいな状況でした。電池を使った実験をしたくても、電池を買い行ける場所が徒歩1時間かかるとかそういう状況でした。教育省が思い描く理想と地方の現実の大きさに唖然としたことを覚えています。

– それはかなり無茶苦茶ですね。

はい。無茶苦茶でした。でも、こういう経験をすることで、結構いろいろなことが見えるようになったと思います。

– どういうことですか。

ガーナの田舎の情報はインターネットで調べても出てこないんですよ。今の時代、たいていのことは、インターネットで調べればわかると思うんです。でも、インターネットにもなにも出てこないような場所でいろいろ経験ができました。例えば、国連とかユニセフが集めているデータとかも本当に正しいのかなと疑うようになりました。例えば、僕の行っていた学校の場合だと、先生レベルでも、計算やデータ入力で大きな間違えをすることが度々あります。その中で、たとえば「安全な水にアクセスできる人の数」とか、「学校に行けない人の割合」なんてデータを取っていたりしますが、本当にその数字あっているのかなと疑問でした。

このようなミスを減らし、データをより一層信頼の置けるものにするためにも、小学校からの基礎教育の大切さを実感しました。こういう経験は日本にいるだけでは気づけなかったことなので、現地の情報を肌で感じて、理解できたことは良かったと思います。もちろん、こういう状況の中で自分が2年程度頑張っても大きく変えられる訳ではないので、無力さも感じることも多かったですが。

ガーナで苦労した英語の経験について

– ガーナでの英語はどうでしたか?通じました?

最初はかなり苦労しました。英語がガーナ独特の部分が多くて、なかなか会話がうまく成立しないことにも苦労しました。ガーナ独特の発音・文法、たまに現地語まぜてくるので難しいんですよ。また、知識背景、文化背景の違いもありました。たとえば、” You are invited”って日本人の「いただきます」の代わりに言ってたりして困惑しました。本当にご飯に参加しようとしたらダメなんですよ。まあ、実際に仕事で英語を使い始めたのが、僕自身、初めてだったので、僕の方の英語力にも当然まだまだ問題はあったと思います。もちろん、今でも、まだまだ発展途上ですが。

– どのくらいでガーナの英語に慣れましたか?

半年ぐらいすると、ガーナ英語に慣れたり、人前で堂々と話すことに慣れたりして会話の問題を解消していきました。もちろん、英語の勉強を毎日4時間ぐらいはしていたんですが。やっぱり、海外に住むだけでは、英語力は向上しないですね。

– やっぱり英語の勉強はしましたか?

活動に必要な知識を英語でインプットするように心がけました。教科に必要な算数と理科の知識はもちろん、活動の後半には、自分の活動を任地で定着させるための知識も英語でインプットするように心がけました。たとえば、(心理学や自己啓発系、国際開発の情報)を英語でインプットしたり。『The 7 habits』 を読んだりとか。これが本当に大事だと思いましたね。普段から、英語でインプットして、それを元に思考しておかないと、会話で自然に出てこないですね。

2年近くの活動を通しましたが、会話に関しては、どれだけ基礎動詞など簡単な単語を上手く使いこなせるかが、途上国では鍵になると思いました。非ネイティヴ同士の会話で難しい単語を使うのは、会話がスムーズに進まない原因になと思います。たぶん、ネイティヴとの会話とかは別なんだとおもいますが。まあ、だからと言ってレベルの高い語彙力が不要かといえばそうではないと思います。

情報収集の段階ではTOIECレベルの単語力では、到底およばないですね。BBCのニュースアプリを毎日使っていますが、分からない単語が0の記事は未だにないですし。論文を読むときなんて、辞書を使ってる時間の方がまだまだ長いぐらいですね。会話では、そこで得た知識を簡単な単語にパラフレーズして使う力が本当に大切だなーって思います。英語の悩みは尽きないですね。

アフリカには、本当に日本語媒体の情報は皆無なので、日本語で検索しても情報はほとんど無いです。地球の歩き方もガーナは無いし、観光地、乗り物、歴史などなど、英語で検索するしかないので英語ができないと情報収集もできないですね。昨年ルワンダに旅行に行った時も英語のツアーガイドでしたし、今月も南アに行くつもりですが、現地の情報はほぼ英語ですね。英語の必要性を再実感しています。

サウスピークの最初の留学から、英語を本格的に学習し始めてもう4年くらいたちますが、まだまだ辞書を使わない日はないですね。語学学習は一生終わらないなーと日々思っています笑。

– そうですよね。海外で生活するとさらに英語の重要性が再認識されますよね。残り2ヶ月でJICAの活動も終了となりますが、振り返ってどうでしたか?

振り返ってみて、めっちゃ安易な考えで海外にいったんだなと思います。でも、今はガーナで教育をするということができていることに、感慨深いものがあります。最初に一歩踏み出したら、自分が想像もしてなかった経験ができるようになった。これからの進路はまだ分からないですが、ガーナで得た経験と英語の二つを活かしていきたいです。

日本語と英語の両方で情報をインプットし、思考して、アウトプットしていきたい。そのための、土台は出来たように感じています。

まとめ

英語が全然できない状態でサウスピークに留学に来られたShunさんですが、英語力もしっかり高めて、海外で活躍できるまでになっていることに嬉しく思いました。次の進路はまだ決まっていないと話されていましたが、ガーナでの経験と英語力が必ず次にも役立つと思います。