TOEIC400点の英語力のレベルと勉強方法とは?就活での評価は?

(2019年10月17日更新)

英語学習者の中には、就職・転職活動で英語力の評価を目指す方も多いと思います。

しかし、大学生もしくは社会人になりしばらく英語学習から離れていた方や、英語が得意でない方が初めて受験をすると、TOEIC400点程度の結果になることも多いです。

これは英語の基礎を忘れていたり、理解しきれていないことが原因であり、決して皆さんの英語力が低いわけではありません。 なぜなら、大学のIPテストや大学院試験で必要に迫られ、無対策でTOEICを受けると「TOEIC400点台」という結果が出ることがあるからです。 それを裏付けるように、過去に広島大学を中心に中堅国公立大学が公開している平均スコアは400点台後半となっています。 つまり現状、本来するべき英語学習ができていない、または対策する内容を間違えている可能性があるのです。 それでは、どのように勉強するのが良いのでしょうか?

そこで、この記事ではTOEIC400点レベルの英語力の特徴と、TOEIC400点から脱出するための最短勉強法を解説します。

この勉強法を学ぶことで、TOEIC400点レベルの方でも、英語の基礎を効率的に身につけことができるようになるでしょう。

初めはTOEIC400点という結果をみて「えっ、これだけしか取れないの?」と自信を失うかもしれませんが、心配ご無用です。

初受験(ほぼ無対策)でTOEIC400点台を取得できた方は、確実に+150〜300点は伸びます。この記事で学習法を学べば、その後の学習も楽になるはずです。

就職・転職活動で英語力の評価を狙うのであれば、最低でも600点以上は必要になります。 700点以上があれば志望先にもよりますが、有利に評価されると行っても良いでしょう。 つまり、TOEICで高得点を獲得しておくことは就職市場において非常に役に立ちます。

本記事を参考に、まずはTOEIC400点の英語力を自身で把握し、さらに高い点数を取れるような正しい学習方法を身につけましょう。

初受験でTOEIC400点以上は大学生の平均超え?

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TOEIC400点台と聞くと「低い」という印象を持つのではないでしょうか?

2018年10月に行われた第234回TOEIC試験の平均点は599.5点と、TOEIC400点台よりも遥かに高いスコアとなっています。

2018年10月度のTOEIC試験の平均点は、599.5点

出典 平均スコア・スコア分布 詳細 (第234回)

直近の新入社員の平均取得スコアを見ても、500点台に近い点数となっています。

新入社員と内定者、それぞれの平均スコア

出典 2018年度 新入社員 TOEIC ® Listening & Reading 最新データ」より

大学卒業を控えた内定者に至っては、500点台中盤とさらに高いスコアを獲得しています。

TOEIC400点だと世間的には、恥ずかしいレベルと考えてしまうかもしれません。

しかし、データの示すTOEIC受験者層の平均は「何度も受験している人達の平均データ」です。

つまり「自主的」にTOEICを何度も受験している人達の平均データなのです。 基礎英語力の鍛錬はもちろんのこと、TOEIC特有の時間配分、単語、回答ポイントなどを十分に抑えて受験している人達が平均点を釣り上げているのです。

では、TOEIC用の対策をしなかった人達がTOEICを初めて受けた場合はどうなるのでしょうか。 中学・高校で学んだ英語を忘れ去るほど、英語から離れている場合、200点台~300点台という目も当てられない点数になるかもしれません。

中高で受験勉強をして基礎英語を抑えた人だと、もう少し点数は上がります。 長く英語学習から離れていて、TOEICを受験した場合400点台~500点台の点数になることもあります。

つまり、TOEIC400点台というのは、中学・高校英語は70%ほど理解しているが、曖昧であり、英語を聴くことに慣れていない層が当てはまる英語力と言えるでしょう。

TOEIC400点レベルの英語力(読む、聞く、話す)

残念ながら、TOEIC400点レベルの英語力(読む、聞く、話す)は、大したモノではありません。

TOEIC400点とは、総合的に言うと個々人の程度の差こそあれ、実用面(読む、書く、話す)において、最低限のことはできると考えられます。 ただ実際のところを言えば、TOEIC400点とは実用面のスタートラインに立ててすらいないのです。

知識面でも中学・高校英語の基礎が完全ではないので、「読む」に関してではセンター試験レベルの長文、簡単な英文の広告文程度が限界です。 ごく簡単なビジネスメールやチャット文などを読むことなら可能かもしれません。

ただ、洋書で英語のまま小説を読んだり、ニュース記事を円滑に読むことはできません。 事前知識がかなりある内容だった場合でも、推測し続けて文章を読み解いていく必要があります。

「聞く」に関しては人それぞれです。 短期のホームステイなどから帰ったばかりの高校生などであれば、基礎英語が乏しくても、耳が英語の音に慣れているのでlisteningパートのスコアで稼ぐことができます。 一方、受験英語の知識がある人だとreadingパートのスコアが高めで、listeningパートのスコアが低い構成となります。

ただ、listenigパートがやや得意でも、ListeningとReading合わせて400点です。 「聞く」も大したレベルではありません。 簡単な英会話や国内バスの英語音声案内が辛うじて理解できる程度だと考えられます。

「話す」に関しても同じです。 会話慣れしている人は、日常会話は可能ですが、少し複雑な内容を伝えることは困難です。 そもそも相手が話している英語を満足に聞き取れないので、会話はすぐに詰まってしまいます。

その日の天気や、今の気持ち、どこにモノがある、など、シンプルな伝達が辛うじて可能なレベルだと考えられます。 ただ、英会話が全く出来ない日本人からすると、これでも「すごい! 英語ができるんだ!」と感心されることはあります。

TOEIC400点レベルから、就職・転職・欧米圏への留学に有利な高得点を目指す勉強法

TOEIC初級者(400点台)の人達が、初心者を抜け出すためには何点を目指せばよいのでしょうか? 現在すでに400点を取れている人の場合は、最低限の基礎を理解しています。 そのためか、どのレベルの参考書に取り組めば良いのか迷う人が多いです。

TOEIC400点台であれば、試験の問題が一問も分からないということはないでしょう。 ですが、それでも試験自体は大部分が分からず、手応えが全くないこともあるのではないでしょうか?

このような段階で実践的な問題集に手をつけても、上滑りの知識が増えるだけで英語力の大きな向上は望めません。 ですので、最初はやや簡単に思えるかもしれませんが、高校英文法の基礎的な復習から始めて、しっかりとその後にも使える英語力の基礎を固めましょう。

高校英文法の復習によって、英語力の基礎を固めましょう。

これまで私が見てきた中で英語力が伸び悩んだ生徒で圧倒的に多いのは、『英文法の理解が曖昧。それにも関わらずTOEIC試験の問題演習を繰り返していた』という生徒です。

この失敗例を繰り返さないように、一見遠回りですが、最初に高校で学ぶ英文法の理解漏れを無くしましょう。 そうすることで、その後の学習を円滑に進めることが可能です。

具体的には、関係代名詞・関係副詞、節と句の違い、仮定法現在・仮定法過去、現在分詞・過去分詞、分詞構文、倒置表現などがよくある理解漏れの項目です。 これら項目に関する知識は大丈夫でしょうか?

その上で、最初に目指す点数に関しては、TOEICの平均得点を上回り、英語を使って業務ができる最低限の水準である600点を設定するのがおすすめです。

TOEIC600点を取得できるだけの英語の基礎力を身につけると、その後の就職・転職活動での評価、ワーキングホリデー、語学留学などが非常に有利になります。

なぜなら、TOEIC600点とは基礎的な英語力を備えた状態であるため、留学生活であれば初心者の方より圧倒的に充実した日々を送ることができますし、学力の伸びも早いからです。

また、TOEICの運営団体であるETSが「上場企業を対象に行った2013年の調査」によると、日本の約7割の企業が採用時にTOEICの点数を参考にしていると回答しています。

上場企業における英語活用実態調査」報告書より

2013年時点で約7割の企業が採用時に「TOEICスコアを参考にしている」と回答。

引用元 「上場企業における英語活用実態調査2013年」報告書

2013年時点の「新入社員と中途社員に期待するTOEICスコア」は、それぞれ以下の通りです。

  • 新卒社員……565点
  • 中途採用……710点

中途採用者へ期待するスコアは、2011年の600点から110点も高くなっています。

このことから、就職活動で英語力の評価を目指している方は、最低限である600点のスコアを獲得することは非常に有利なのが分かります。

一方、TOEIC600点に満たないようであれば、英語の基礎理解が不足しているため、ワーキングホリデーや欧米圏への留学で効果を得られず、聴くにしろ、話すにしろ伸び代が減少します。 また、就職・転職活動では英語力がないと評価される可能性があるため、履歴書などには書かない方が良いかもしれません。

だからこそ、TOEIC400点台の方はいかに600点台まで自身の英語力を高めるかが重要になってきます。

本記事の冒頭でも書きましたが、TOEIC400点台の方の中には、TOEIC対策をせずに受けた大学生など、TOEICの形式に慣れていないが故に400点台の点数に落ち着く方も多くいます。 そのような方はもう少し高い点数を狙えるだけの基礎力は持っている場合が多いので、それほど時間がかからずに600点台まで到達する方も多いです。

一方、200点台、300点台という中学英語すら怪しい段階から400点台へと上がってきた方は、600点台へと上がるためにさらに英文法の基礎力を蓄える必要があるので、少し時間がかかるでしょう。 より具体的な点数配分でいうと (Listening250点、Reading 150点)というように、Readingの点数が低い方の場合は、基本的な英文法知識が曖昧であることが推測されます。 受験勉強をそれなりに頑張った人達と比べて英語力は伸びにくい傾向かもしれません。

使用する7冊の教材

ではここから具体的な勉強方法をご紹介いたします。使用する参考書は全部で7冊です。

高校英文法の参考書

⇒高校英文法について一通り不明点がないか確認するための参考書です。 特に不明点がない場合(Reading part300点以上の人が該当)、本書にはあえて取り組まなくても良いです。

英文法の参考書

⇒英文法の不明点を確認するための教材です。 英文法で必須となる知識を確実に定着させましょう。

TOEIC LR試験の参考書

⇒品詞分解・スラッシュリーディングを学ぶためのリスニング・リーディング本です。 付属音源のついている箇所を聞き込んだ後、品詞分解を行いながら英文を精読して、英文への理解を深めていきます。

⇒英文を精読するに当たってわからない点があった際に、英文法を復習するための教材です。 この教材か、最初に学習した『高校英文法をひとつひとつわかりやすく。』へ戻って英文法の不明点を確認しましょう。

上記7冊の教材だけで大丈夫なのか?と感じると思います。

この7冊をやり込んでもらえれば、大丈夫です。

まだまだTOEIC400点台では英語学習のビギナーですので、いろいろな参考書に手を出すよりも、学んだ内容を確実にひとつひとつ、自分の中に落とし込んでいきましょう。

具体的な学習方法

それぞれの参考書について、より具体的な勉強方法をご紹介していきます。

「英文法の参考書」の勉強方法

英文法対策の参考書1冊目『高校英文法をひとつひとつわかりやすく。』をまずは2回通読してください。

丸暗記することよりも理解することを優先して読み進めて下さい。

この際には7割程度の内容を理解できていれば大丈夫です。 例えば「態であれば能動態と受動態がある」というようにどのような文法の概念があるのか、全体像の把握とそれぞれの項目の大まかな理解に努めてください。

そして、理解があやふや箇所に関しては集中的に音読・リスニング学習を行って下さい。 目安の回数は「1英文あたり、リスニング20回+音読10回」。これを2周する。 すなわち「1英文あたり、リスニング40回+音読20回」行いましょう。

次に英文対策の参考書2冊目『大学入試英語長文ハイパートレーニングレベル1 超基礎編』に進みましょう。

こちらの本は精読し、リスニング・音読学習でやりこんで下さい。 目安回数は先程と同じく、「1英文あたり、リスニング20回+音読10回」。これを2周する。 すなわち「1英文あたり、リスニング40回+音読20回」行いましょう。

その後、それぞれの本をもう一度ずつ通読して、分からないところは理解するように読み込んでください。 これらの本には随時復習として立ち返るので、この段階で完璧に理解する必要はありません。 7~8割程度理解出来ていれば良いです。 文法を完璧にすることは難しいので、それよりも先に進んで聞くことの方が重要です。

「TOEIC LR試験の参考書」の勉強方法

英文法の参考書を7~8割ほど理解できる状態になったら、次のTOEIC対策の易しめの対策書に移ります。 まずは『公式TOEIC Listening & Reading トレーニング リスニング編』から初めて行きましょう。

このTOEICの対策書の勉強法としては以下の通りです。

付属音源の付いている箇所を聞き込んでください。 その後、品詞分解なども行いながら英文を精読して、9割程度が分かるまで英文の理解を深めてください。

付属音源の付いている箇所を聞き込み、理解を深めます。

その後、読み込んだ文章の音源を聴き、音読を繰り返すことで文章中の表現や使われている単語を自分に染み込ませるようにしてください。 目安の回数は「1英文あたり、リスニング20回+音読10回」。これを2周する。 すなわち「1英文あたり、リスニング40回+音読20回」行いましょう。

この過程を飛ばしてしまうと、単語や表現を使えるレベルまで落とし込むことができないので、見たことはあるけど、正解は選べないという状態にとどまってしまいます。

この際によく分からない文がある場合には、1冊目に用いた高校英文法の参考書か『一億人の英文法 ――すべての日本人に贈る「話すため」の英文法』も参照しながら、疑問を解消してください。

TOEIC400点レベルの人達に向けたカリキュラム作成案

私がTOEIC400点レベルを目指す生徒向け学習カリキュラムを作成する際に意識することは、その生徒の英語学習の根幹を成していく基礎力を漏れなく身につけてもらうことです。 具体的にはまずは高校生レベルの英文法を習得してもらいます。

この記事の筆者 @HAL_J こと、柴田はすべての生徒に対して、まずは高校英文法の理解を再度確認してもらいます。 その後に、英文読解・リスニング学習の参考書に取り組んで、学んだ英文法を定着させて、英単語の語彙を増やしていきます。 そして、ほとんど全ての生徒にTOEIC LR試験の参考書を指定します。 理由はいろいろありますが、一番の理由は「TOEIC LR試験向け参考書が一番よくできている」からです。

そして、TOEIC参考書を使用して『学んだ英文法を定着させ』て、『英単語の語彙を増やして』いきます。

学習の中心となるのは『品詞分解による英文法の定着』『音読』です。 英語学習において両輪を担うこれら2つの勉強法ですが、この両者は同時に取り組むことでより学習効果を高めることができます。

品詞分解を行うことで、文法知識の精度を高めます。 そして、品詞分解をした英文を音読することで英語という言語自体に対する理解を深めましょう。 最初は短くて易しめの文章から取り組みますが、徐々に長く難しい英文に取り組んでいきます。

この学習の過程で蓄積されていく基礎的な英語に関する知識こそが、「英語を話す」ために必要な基礎知識になります。 基礎知識のインプット無くして英語を話せるようになりません。 英語を話せるようになるためにも、まずは英文を品詞分解し、その上で英文を音読していきましょう。

最後に一言

本格的に英語を学習し始める、あるいは久しぶりに英語に触れるという方も多いTOEIC400点台ですが、自力で効率的な方法で語学を学習するのは難しいものです。 短期間で成果を出したいというのであれば、家庭教師なり語学学校を活用するのがおすすめです。

この記事を書いた人

@HAL_J ※英語学習に関する有益な情報を発信しています。もし良ければフォローください。コメントいただければ相互フォローします。