TOEIC900点のメリット、英語力のレベル、勉強方法、必要時間について

(2019年10月更新)

TOEIC LR試験受験者なら誰もが憧れる、TOEIC900点

しかしTOEIC900点レベルとなると、試験対策をせずに到達するのは難しいです。

そこで当記事では、TOEIC900点に到達するための勉強方法や、TOEIC900点がどの程度の英語力なのかを紹介していきます。

 

本文でも詳しく説明しますが、TOEIC900点を取る大きなメリットは「大学生の就活や社会人の転職活動」の際に、成功する確率が著しく向上することにあります

TOEIC900点を取得していると、企業の国際部門への配属を狙えたり、収入の向上を見込めたりするのです。

さらに、TOEICで高い点数を取得しているというだけで、働ける場所のレベルが上がったり、収入が上がったりするという詳細なデータが出ているため、TOEICの対策をするのは費用対効果の高い選択だといえます。

 

しかしTOEIC900点に到達していても、実際に英語を使う場数を踏んでいないために、満足に英会話ができない人がいるのもまた事実です。

当記事では、TOEIC900点を取得するメリットだけではなく、TOEIC対策の勉強だけしていても、伸びない能力があるのだという点にも着目していきます。

この記事を読み、TOEIC900点の英語力に対する知識を深めて、それを達成するための合理的な勉強方法を理解した上で、自分にあった目標の達成を目指してください。

TOEIC900点を取得するメリット

TOEIC900点を取得するメリットについて、大学生と社会人に分けて紹介していきます。

【大学生の場合】

大学生にとって、最もTOEICスコアを有効活用できるのは、就職活動のときでしょう。

一般的に、就職活動の際に履歴書に書けるスコアは、600点以上といわれています。

2013年には、上場企業の約7割が、新入社員採用の際にTOEICのスコアを参考にしており、その上565点以上のスコアを期待しているというデータが出ています。

上場企業における英語活用実態調査」報告書より

2013年時点で約7割の企業が採用時に「TOEICスコアを参考にしている」と回答
(引用元:「上場企業における英語活用実態調査2013年」報告書

また、企業の国際部門で活躍するビジネスパーソンに期待するスコアが655〜855点といわれているので、その上をいくTOEIC900点を取得していたら、評価はより高くなります。

就活前の大学生が、TOEICで900点を取得していれば、企業からの期待値を大きく上回れるケースが多いので、ぜひ大学生のうちに900点以上のスコアを獲得しておきましょう。

【社会人の場合】

社会人の場合、会社内での「異動・昇進・昇格」の際に、規定以上のTOEICスコアを求められることが多いと考えられます。

上記の写真にある通り、2013年時点で中途採用社員に期待しているTOEICスコアは710点というデータが出ています。

そのため社会人にとっても、TOEIC900点は、自身の能力をアピールする上での武器になり得るのです。

また、英語力と年収は比例します

つまり、TOEICのスコアを上げれば収入も上がるということです。

英語を学ぶことで収入アップに直結するのであれば、学ばない手はないでしょう。

TOEIC900点のレベル感とは?

TOEIC LR試験で900点を取る人たちの英語力は、どの程度のレベルでしょうか?

TOEIC Listeningパート

Listeningパートにおいては細かい箇所は聞き取れないかもしれませんが、質問文にある回答内容くらいであれば理解できます。

英会話慣れしている人の場合は、何回受けてもListeningパートで450点を切ることはありません。

Listeningパートが得意な人であれば、むしろ1問聞き取れなかった箇所があるだけで冷や汗ものです。

TOEIC Readingパート

ReadingパートにおいてはPart5、Part6の文法問題もよほどの難問以外は普通は解けます。

また、Part7の情報取捨選択も「not問題」が若干めんどくさいなと思いながらもScanning(必要な情報を探しだす)、Skiming(ざっくりと大筋の情報を把握する)をしながら最後まで解けることが多いです。

新形式のReadingパート難化に伴う変化

2016年5月に新形式にTOEIC LR試験が変更し、Readingパートの問題が難化しました(トリプルパッセージの登場)。

その結果、Readingパートを全部終わらせられないけれど、900点以上という受験者も出てくるようになりました。

 

具体例を挙げます。Listeningパートで満点近く取れる人の場合だと、「Readingパートが全部終わらなかったけれど、900点を獲得できた」という人も以前より多くいます。

この場合、900点(L480, R420)という得点配分です。

このように新形式のTOEIC LR試験では、Readingパートを全部解き終わらなくても、900点に到達する受験者が増えました。

TOEIC900点は本当の意味での「英語学習のスタートライン」

TOEIC800点過ぎたあたりから「海外の映画を字幕なしで観られるようになりました!」というような発言をする人がいますが「見栄を張るな」と言いたいです。

(関連記事:映画を字幕無しで観るためにはどれだけの英語力が必要?

TOEIC試験しか勉強していない場合、映画を字幕なしではまず理解できません。(※話されている英語の内容を完全に理解しているとは言っていないので嘘ではないですが)

「TOEIC900点=洋画字幕なしOK」は、間違い?

 

これはなぜかというと単純な話で「TOEIC L&R試験に出てこない砕けた言い回しや専門的な語彙が頻繁に登場するから」です。

新形式のPart3やPart4で多少砕けた言い回しが出題されるようになりましたが、それでも全然足りません。

たとえTOEIC900点を取得していたとしても、HuluやNetflix、Amazonプライムで海外ドラマ・洋画を観たら「全然聴き取れなかった……」と呆然とすることでしょう。

ほかにも、fire(解雇する)やreprimand(説教する)といった感情が伴う表現やfabrication(粉飾)のような過激な英単語も出てきません。

step down(辞任する)みたいな日常用語でも、悪い印象を与える恐れがあるからか出題されません。

日常用語でも感嘆表現のAwesomeやHilariousは新形式 Part3, Part4で出てきそうですが、負の感情を伴うRidiculous(ばかげた)とかSilly(愚かな)などの罵り言葉は出てきそうにありません。

このように「TOEIC LR試験は語彙制限試験である」ため、仕事で最低限必要となる英単語しか登場しません。

そのためTOEIC900点を超えている人でも、TOEIC試験対策だけしかしたことがない場合、日常英会話はあまり聞き取れなかったりします。

逆にTOEIC試験と相性の良い「職場で使われる英語表現」であれば、かなりの部分理解できます。

これはReading(英文読解能力)に関しても同じで、CNNやBBCのウェブ記事を読もうとしても分からない英単語だらけで愕然とすることでしょう。

CNNやBBCも分からない単語だらけ。

例えば、政治に関する語彙はTOEICではほとんど出てきません。

基本的な知識が伴う表現democratやrepublicanという超基本単語や、4年に一度頻繁に登場するpreliminary election という基本表現も、米国の政治について理解していないと「なんのことだろう?」となります。

 

※【補足】日本に関する英文記事であれば、なんとなく背景事情が推測できるので、表現が分からなくてもけっこう読めます。

そのため「TOEIC900点に到達すれば、英語ペラペラでなんでもできるんだろう」というのは幻想だといえます。

帰国子女でない日本人の場合、TOEIC900点に到達しても「そんなに自分は英語できないんだけど……」と確固たる自信を持てない人が大多数です。

自信を持つよりもどちらかといえば「TOEIC900点に到達してやっと、英語学習のスタートラインに立てたかな」と思うレベルです。

TOEIC900点の難易度(日本人受験者の上位3%)

客観的なデータとしては、IETS公式サイトの平均スコア・スコア分布 詳細 (第233回)によると、TOEIC900点は受験者の上位約3%であることがわかります(895点の受験者が全体の3.3%)。

企業が期待するTOEICスコアとビジネスパーソンの平均スコアによると、国際部門に期待するスコアは655~865点です。

また、海外部門の平均スコアは679点であり、900点よりはるかに低い点数です。

例えば、長年タイに駐在している社員であっても、TOEIC LR試験は600点台というような例は珍しくありません。

このような例から判断すると、TOEIC900点は海外でバリバリ仕事をこなす人の中でも上位層であるような印象を受けます。

TOEIC900点のスピーキング能力はどれくらい

TOEIC900点ホルダーたちは高いListening能力とReading能力を備えています。

しかしながら、TOEIC900点を取っても、英語で話す経験をしていない人の場合まず話せません。

当たり前ですが、TOEIC LR試験は話す・書くための能力を測る試験でないので、900点を取得しても全く話せない人は結構います。

英語が初級レベルの人は「TOEICで900点以上とれる人というのは『帰国子女』もしくは『英語圏の学校への留学経験者』でみんな英語ペラペラなんだろうな。あと、リスニングやリーディングも完璧なんだろうな」と考えてしまうかもしれませんが、これは過大評価です。

もちろんSpeaking未経験の人でもさすがにリスニング能力は高いので、相手が何を話しているのかはそれなりに理解できますが、まともな受け答えは困難でしょう。

英語で応答するには「即座に頭の中で英作文を組み立てる能力」が必要ですが、TOEIC対策の学習しかしていない人の場合、この能力が発達していないので話せないのです。

TOEIC900点に到達するための学習方法

TOEIC800点から100点を上げてTOEIC900点を目指すとなると、1日3時間の学習を続けた場合4ヶ月~5ヶ月(400~500時間の学習)が必要となります。

最低限これくらいの学習時間が必要です。

この学習時間は最低限で、実際はより多くの時間がかかるかと思いますが、ともあれまずは長時間勉強しましょう。

【参考記事】TOEIC L&R試験の点数を上げるために必要な勉強時間

次に学習方法ですが、まず『公式TOEIC Listening & Reading問題集(432)』は終わらせる必要があります。

それに加えて自分の弱点であるPartの個別対策本に取り組みましょう。

さらに試験対策の参考書を学習するのに加えて、他に多読・多聴の学習も必要です。

特定のTOEIC参考書を繰り返し解くだけでは、新しい英文に接した時の対応能力が低いままで向上しないので、900点越えのためには、全く未知の英文に接しても、すぐに理解して対応できるだけの即応能力が必要になります。

 

多読・多聴の学習によって、知らない英文への対応力を向上させます。

留学経験者が900点まで到達できるのは、この「全く未知の英文に接してすぐに理解出来る即応能力が高いため」です。

留学して実際に英語でのやり取りを多く経験すると、例えばPart2の短文応答問題であれば、たとえ英語を聞き逃しても「会話だったらこういう流れになるよな」となんとなく答えを推測できるようになります。

『公式TOEIC Listening & Reading問題集(432)』を音読・リスニング学習でしっかりと丸暗記するくらいにやりこんだら、次は『公式TOEIC Listening & Reading問題集(1)』、『TOEICテスト公式問題集 新形式問題対応編』と古めの参考書を軽めに流して取り組みましょう。

3回くらい通しで音読とリスニングを繰り返し、未知の英文に接する練習をしてください。

※もちろん全く知らない英語表現があったら、そこだけは重点的に後で暗記しましょう。

またTOEIC問題集だけではなく、ビジネスに関わる英文の音読とリスニングも徹底して行いましょう。

TOEIC LR試験三昧だと正直気が滅入ってくるので、気分転換に試験以外の英文を読むことをおすすめします。

TOEIC問題集だけでなく、ビジネス寄りの英文にも触れましょう!

教材としては、英語書籍やPodcastでビジネス寄り、もしくはそれほど砕けていない日常英会話表現を取り扱っている教育系のものがおすすめです。

例えば、朝日出版社から出版されているCNN English Expressであれば、そんなに負担にならずに、適度な息抜きとして英語に触れることができるでしょう。

 

 

CNNニュース・リスニング2018[秋冬] ※年に2回発売されます。

他にも900点を目指す人であればNHK英語教材で最難関の実践ビジネス英語に着手されても良いかもしれません。

難易度は非常に高いですが、最先端のビジネス事情や洒落た会話表現について学べるのでおすすめです。

こちらも毎月購入するのが億劫な方は総集編が2016年に発売されたので、そちらを利用ください。

(実践ビジネス英語 総集編 2016年発売)NHK CD BOOK 実践ビジネス英語 ニューヨークシリーズ ベストセレクション 

そして勉強の時間配分ですが、『TOEIC試験対策の参考書に取り組む時間 2時間 + 多読・多聴のための学習 1時間』くらいの比率がおすすめです。

TOEIC試験対策の時間を多めに取るようにしましょう。

語彙力の総仕上げ 単語学習

「TOEIC900点を取るための語彙力」を身につけるためには、ズバリ単語学習こそが1番の近道です。

 

単語帳として『TOEICテスト英単語 出るのはこれ! (講談社パワー・イングリッシュ) 』が、おすすめです。

Ryotaさんもこの教材を7回繰り返して、TOEIC900点に到達されました。

(参考体験談:【TOEIC425→TOEIC900】東北大学のRyotaさん 大学休学→半年間セブ島留学→TOEIC900点取得と英語のスピーキング力UP!

抜け漏れがなく、完璧に暗記している状態まで単語帳をやり込みましょう。

語彙力強化のダメ押し 語源学習法

単語学習の後に、最後にもう1つだけ学習すべきことがあります。

それは「語源学習法」です。

膨大な英単語を暗記する必要あるため、暗記を手助けしてくれる語源に関する知識を身に付けましょう。

語源の知識無しで膨大な英単語を覚えるのは極めて困難なので、下記の語源本を早期に終了させることをおすすめします。

 

参考書籍として『語源で英単語 増補改訂版 (連想式にみるみる身につく)』が、語彙力強化におすすめです。

著者の清水 建二先生が2018年に出版した『英単語の語源図鑑』は、Amazonの「英語の単語・熟語カテゴリ」でベストセラー1位となりました。

このベストセラー本はリスニングCDが付いていないため、先程述べた『語源で英単語 増補改訂版 (連想式にみるみる身につく)』の方が良いです。

内容は2冊ともそれほど変わりません。

補足 TOEIC LR試験対策をせずに900点を目指す場合

TOEIC LR試験で800点を超えている方であれば、多読・多聴の勉強だけをしていても、900点に到達する人はいます。

ただ、以下の2点に注意する必要があります。

注意点1. 直接的にTOEIC LR試験の問題集をやり込む場合よりも、3~5倍は時間がかかる。
⇒間接的に勉強することになるので、時間がとてもかかります。

あくまで時間に余裕がある人向けの学習法です。

注意点2. Listening Partの点数は伸びやすいが、Reading Partは伸びにくい。
⇒「L 380, R 420」というような人であれば、多読・多聴で900点に到達可能です。

この場合、「L 480, R 420」の点数配分を目指します。

逆に「L 450, R 350」というような点数の人の場合は、900点に到達することは難しいです。

TOEIC900点を取得するのに必要な学習時間

以下の表をご覧ください。

現時点でTOEIC700点の人が900点に到達するためには「1,000〜1,200時間」英語学習に時間を割く必要があります。

 

関連記事:TOEIC LR試験の点数を上げるために必要な勉強時間

TOEIC900点レベルの世界を目指す人たちへ

私(柴田 @HAL_J )はアメリカ留学中はTOEIC L&R試験対策の勉強はほとんどしておらず、電車での移動時間にTOEIC Listeningパートの勉強はしていたけれど、Readingパートは未着手でした。

Listeningパートはまだ日常英会話に多少関連していたので、勉強する気になれなかったのです。

一方、Readingパートは普段の生活に全く関係ないので帰国してから勉強すれば良いやという認識だったので、TOEIC対策よりはそのときに関わっていたインターン業務の資料を読み込むことを優先していました。

こういう勉強方針であったため、7ヶ月の滞在期間でTOEICは100点弱しか伸びなかったのです。

伸び方について補足すると、Listening Partは日々の生活のおかげで満点近くまで伸びましたが、Readingパートは伸びていませんでした。

TOEIC対策なしでは、Readingパートの伸びはわずかだった柴田

留学生活を振り返って思うのは「普通の日本人がTOEIC L&R試験の点数を上げるためにはTOEIC試験対策をする必要がある」ということです。

当たり前の結論ですね。

試験対策をせずに900点overになるのは「帰国子女」や「長期間英語を使って、仕事が出来ないと首になるというような緊張感を持って仕事をしている人たち」という特別な人だけです。

そして、この記事の冒頭で「TOEIC900点はそんなに凄いものではない」と書きました。

でも「TOEIC900点は英語学習の真のスタートラインにはなり得ます」

ここまで到達すればその後は自分の興味のある分野に関して英語文献・資料を使って学習を続ければ、さらに高い段階まで到達することができます。

また「900点獲得したけれど全く話せない」という人でも、サウスピークに留学すれば、3ヶ月もあれば900点にふさわしいSpeaking能力を身に付けることは可能です。

そういう意味でTOEIC LR試験は「英語学習の真のスタートライン」まで導いてくれる非常に良い試験です。

そのためまずは、TOEIC900点を目指しましょう。

この記事を書いた人

@HAL_J ※英語学習に関する有益な情報を発信しています。もし良ければフォローください。コメントいただければ相互フォローします。