名前:Daigoさん(仮名)
職業、年齢:大学生(1年間休学)、21歳
当時の英語力:TOEIC800点、高校時代にオーストラリア・メルボルンにて交換留学の経験あり。

英文法は理解できる。話せるようになりたいから海外へ

ーー本日はよろしくお願いします。

お願いします。

ーーどういう経緯でオーストラリアの語学学校に通われていたんですか?

英語の教師になりたいこともあって、もともと英文法の知識はありました。また高校時代に交換留学の経験があり、多少なりとも話せたと思います。ただ英語力に磨きをかけたくて、1年間海外で生活することにしました。

初めは海外の大学に通うことを検討したのですが、金銭的負担が大きいため断念。結局、語学学校に3ヶ月通い、残りの9ヶ月はワーホリでお金を稼ぐことに決めました。

ーーなるほど。語学学校は自分で探された?

いいえ。航空券、ビザ、宿泊場所と同様にワーホリ・エージェントを通しました。エージェントを通せば、自分で手続きする手間が省けますからね。

語学学校は自分の希望に沿って5校ほど用意していただき、そのうち1番費用が抑えられるところにしました。3ヶ月で40万円くらいだったと思います。

※ワーホリエージェントとは…ワーホリに関する手続きを代行してくれる会社

ーーどんな希望をされていたんですか?

まずは、メルボルンに位置していること。高校生の時にメルボルンで交換留学していたこともあり愛着があったんです。そして日本人が少ない語学学校を希望しました。日本人に話しかけられると、つい日本語で話しちゃいますからね。

衝撃の事実「語学学校は文法を学ぶところだった」

ーー語学学校に入学した当初の気持ちはどうでしたか?

何もかも新鮮でしたね。今まで味わったことのない環境で、ワクワクと不安が交差していました。ただ日が経つにつれて、語学学校に魅力を感じなくなったんですよ。

ーーというと?

授業回数を重ねるうちに、授業内容が「文法7割+スピーキング3割」だということに気づきました。

ーーはいはい。

しかも授業で習う文法レベルは高校英文法なんです。「高校英文法はわかっていますし、学ぶ必要があるのかな?」と疑問に思っていたんです。

ーーあくまで目的は話す能力の強化だと。

そうなんです。思っていたのと違いました。しかし周りの外国人は、授業内容が高校英文法なのに分かってないんです。

ーーオーストラリアの語学学校では英語力の応じてクラス分けされますよね。ちなみに、Daigoさんはどのレベルでした?

上から2番目の「Upper」というクラスでした。

ーー上から2番目のクラスでも周りの外国人は英文法が分からないんですか?

全く分かっていませんよ。日本がいかに文法中心の教育で、日本人が文法に強いか感じましたね。

ーーおお。日本人は英文法に強い。そうなんですね。

授業のクラスは入学当初にテストを行い、その結果をもとに分けられます。しかし定期的に1つ下のクラスから、何名かの生徒が自動的に上がって来るんです。だから入学してからの期間が長い人は上のクラスに上がりやすく、「Upper」といっても一概に英語力が高いわけではないですね。

ーーなるほど。だから授業も「まずは文法から」となってしまうんですね。

はい。

ーーそれでも授業内容の内訳のうち、文法を除いた残り3割の「スピーキング」の時間はためになったんじゃないですか?

クラスメイトが何を話しているか、イマイチよくわからないんですよね。というのも発音とアクセントが違って当たり前。それだけなら、なんとなく分かりますけど、なにせ文法もできない。

ーー発音とアクセント、加えて文法が違えば、もうそれって違う言語ですよね。コミュニケーションが取れそうにない。

退屈のあまり、落書きをしてしまうDaigoさん

そうなんですよ。それだったら語学学校には通わずに、ローカルレストランで働いたほうが良いなって。英語のネイティブスピーカーであるオーストラリア人とコミュニケーションを取ることこそ、話す能力向上につながると思ったんです。3ヶ月間語学学校に通う予定でしたが、初めの1ヶ月をめどに通わなくなりました。

ーー高校英文法が分かるDaigoさんにとっては、高校英文法をわざわざ勉強する必要はありませんもんね。

日本人の少ない語学学校はそのぶん友達も作りにくい

ーーそれでも語学学校は「友達作り」ができるだけでも価値があるって言いますよね。Daigoさんも語学学校を通して、”かけがえのないお友達”ができたんじゃないですか?

うーん、どうですかね。友達といっても表面上の付き合いですよ。話しかけられれば、話します。でもお互い積極的に話しかけようとしない。

ーーそうなんですか?語学学校に行けば、友達ができると思っていましたが。

日本人の多い語学学校に行けば、日本人の友達はできると思います。私は日本人が少ない語学学校を選んだので、クラスにいる日本人は私だけでした。

ーー日本人以外のクラスメイトとは友達になれそうになかったですか?

結局、同じ国籍の人同士で集まるんです。日本人もそうじゃないですか。それは他国の人も一緒ですよね。

ーーそうなんですね…

休み時間になるとグループができて話をしているんですが、同じ国籍の人たちで固まっているので会話の中に入りづらい。よほど積極的な気持ちがないと、あの輪の中に飛び込むのは難しいでしょうね。だから友達といっても表面上の付き合いなんです。

ーーそんなDaigoさんは休み時間どうされていたんですか?

結局1人でタバコを吸って時間をつぶしてましたね。

ーー授業だけでなく、休み時間も面白くなければ、語学学校に通う気は無くなりますよね。

面白くなかったんです。本当に。

語学学校は1ヶ月間、環境に慣れるために利用するのがオススメ

ーー最後に、「それでも語学学校に通いたい」という方にアドバイスをお願いできますか?

本当の気持ちを言えば、高校英文法まで理解できている人は、語学学校に行かなくてもいいと思うんですよね。

ーーそれは語学学校が「英文法を学ぶところ」だからですか?

はい。話す能力を上げるのが目的で語学学校に通ってしまうと、私と同じような気持ちになるかもしれません。

ーーそういう人でも、友達作りにおいては語学学校は意味があるのではないでしょうか?

そうですね。ぶっちゃけて言えば、語学学校に行かずにいきなり働き始めるのは、ものすごく大変だと思います。というのも分からないことが多く、生活するのに精一杯で仕事どころではないからです。

ーーそれを踏まえると、環境に慣れるために、また現地のことを教えてくれる友達を作るために語学学校は利用すべき。

語学学校をそういった目的で利用されるのは素晴らしいですね。1ヶ月もあれば十分です。英文法を理解されている方は、英語力を伸ばすことに期待しないほうがいい。それでも授業を気に入れば、通う期間を延長すればいいですからね。

ーーそれいいですね。まずは1ヶ月、英語力向上にはこだわりすぎず、環境に慣れるため語学学校に通ってみる。これが英語上級者がワーホリを成功させるための、良い時間の使い方かもしれません。

まとめ

・授業内容は「文法7割+スピーキング3割」

・海外の人は文法への理解が弱いので、授業では文法に対して多くの時間が割かれる。
(文法中心の教育によって、日本人が異常に文法を理解しているだけとも言える。)

・海外の人も同じ国籍同士でグループを作る。そのため日本人の少ない語学学校だと日本人は友達が作りにくい。

・語学学校は1ヶ月程度、現地とワーホリの情報を手に入れるために利用すべき

・高校英文法まで理解できている人は、語学学校に行かなくてもいい

インタビューをしている際に、
「Daigoさんが文法ばかり教える語学学校に入学しただけで、他の語学学校はスピーキング中心じゃないんですか?」と聞いたことがありました。しかしDaigoさんは、他の語学学校も同じく文法中心だと考えているそう。

というのも他校もDaigoさんが使用した参考書を同じく指定しているのだとか。また海外の方が文法への理解が弱いのであれば、たしかに文法への時間が多く割かれてもおかしくないですね。