山田暢彦先生インタビュー(1) 『中学英語をひとつひとつわかりやすく。』40万部越えベストセラー本を執筆した理由

山田先生(写真中央)と記念撮影。左 柴田 @HAL_J、右 Kimie。

山田先生(写真中央)と記念撮影。左 柴田 @HAL_J、右 Kimie。

英語が本当に出来ない人の救世主、山田暢彦先生。サウスピークでは初級者向け教材として、山田暢彦先生執筆の教材を3冊採用しています。そんな英語初級者向け英語参考書を多数出版されている山田先生に今回インタビューさせていただきました。

サウスピークで採用している初級者向け、山田暢彦先生の教材紹介

中学英語をもう一度ひとつひとつわかりやすく。

【英文法】中学英語をもう一度ひとつひとつわかりやすく。

40万部越えの中学英文法参考書。英語が苦手な中学生でも理解できる、本当に分かりやすい本。サウスピークでも中学英語からやり直す学習者は本書から学習を開始しています。

どんどん話せる 驚異の中学英語

【英文法・英文読解】どんどん話せる 驚異の中学英語

4コマ漫画とそれに続く解説で英文法を確認。山田先生の音声解説有り。加えて、会話形式の英文で英文読解の学習が出来ます。サウスピークで初心者向け英文読解教材として採用している最初の1冊。

英語のスピーキングが驚くほど上達する NOBU式トレーニング

【英会話】英語のスピーキングが驚くほど上達する NOBU式トレーニング

中学で学ぶ英文法を使用して、基礎的な英会話が出来るようになるための教材。英語力ゼロの初級者がサウスピークに留学した場合、3ヶ月(13週)で本書に書かれている英文を使った英会話が出来るようになります。

山田暢彦先生 対談1
ここからインタビューになります。インタビューは山田先生と柴田 @HAL_J の対談形式でまとめました。

初級者がゆっくりと理解しながら英文法を学べる、中学英文法の参考書

中学英語をもう一度ひとつひとつわかりやすく。

(柴田 @HAL_J)『中学英語をもう一度ひとつひとつわかりやすく。』は、サウスピークでは初級者のほぼ全員が使用しています。また、書店でも平積みにされているのをよく見かけます。本書を書かれた背景を教えていただけますか。

中学英語をもう一度ひとつひとつわかりやすく。(以下『わかりやすく』と略)』はシリーズで40万部超のヒットになり、紀伊国屋で何年か連続で中学生向けの英語参考書でNo.1売上を記録しました。

今でこそ、分かりやすく、やさしく中学英語を教える本は多いですが、出版当時(2009年頃)は内容を詰め込みすぎて分かりにくい本が多かったですね。文法のルールを紙面で説明するのは簡単ですが、それを実際に学習者が吸収して言葉として習得するには、かなりの時間と練習が必要です。その習熟のプロセスを待たずに新しい知識を次々と教え込むことに、私は大きな疑問を抱きました。

そうした参考書を知るにつれて、より学習者の実状に寄り添った「中学英語を本当にやさしく教える本を作りたい」という思いを抱くようになり、「わかりやすく」シリーズを担当編集者の方と二人三脚で作り上げました。

その編集者とは音楽という趣味が一緒だったので、一緒に音楽のセッションをしたり、飲みに行ったりしていましたが、私が日頃から語っていた英語教育における理想について共感してくれ、共に書籍を創りあげることになりました。編集者と私の、どちらが欠けても書けない本だったと思いますので、パートナーとの大切さを思い知りました。

『わかりやすく』が出版された後、「この本で初めてbe動詞が理解できました」といった声を多くいただきました。半歩ずつ、初心者が自分にあったゆっくりのペースで学習する、という「わかりやすく」シリーズが受け入れられて嬉しく思います。

(柴田 @HAL_J)サウスピークでは初級の学生は『中学英語、わかりやすく』を1日6時間は勉強して、だいたい4週間で終わらせています。

アルファベットや、基本的な文法から学ぶという方は、それくらい時間をかけてやったほうが、後からの英語力の伸びが良いと思います。

『わかりやすく』は、私が「この本に人生をかけよう」と思って書いた本です。私は今でこそ、中学英語を中心にやっていますが、昔はTOEIC LR試験対策、英検対策、辞書の編集など、レベルも中学校の初級から超上級までと幅広くやっていました。その上で述べると、高度な英語学習に比べて、初級者に中学英語を教えることはとても制限が多いんです。ごく簡単な単語や文法しか使えませんからね。

なので、中学英語レベルだと、「英語の楽しさを実感する」という点で制約があります。初級者のレベルで、「英文を味わう」という感覚になることはあまりないんですね。

私は昔、教える側のこと、自分のことばかり考えていて、「自分でこの英文を書いて(読んで)楽しいか、楽しくないか」といったことを考えていました。しかし、『わかりやすく』を書いて実感したのは、英語学習者が『わかりやすく』を使うことで英語力の伸びが変わる、それにより人生が変わるということです。

その後の英語学習の基礎となる中学英語を、できるだけ分かりやすく、身になる形で教えると、その後の英語学習全てが順調になっていきます。英語の味わい深さとか、そういったものは置いといて、『わかりやすく』シリーズを執筆することで、「学習者が理解することを手助けする喜び」を知りました。

(柴田 @HAL_J)英語の参考書は多くありますが、受験生向けの参考書を除き、初心者向けに特化している参考書の著者はほとんどないなと感じています。そもそもなぜ初心者向け参考書に絞って、著書を出版されるようになったのでしょうか。

昔はTOEIC LR試験対策本の執筆の依頼を頂き、模試を作るところから参考書執筆を始めました。でも、TOEIC試験対策本の執筆はもう止めました。

TOEIC試験の点数が伸び悩んでいる人がなぜ伸び悩んでいるのかということ、多くの場合、基礎的な部分がおろそかになっているためです。基礎的な部分が欠けていると、TOEIC試験対策をしても、点数を伸ばすことが出来ません。また、TOEIC試験の点数だけでなく、英語力自体も伸びないのです。

TOEICはいろいろな活用方法はあると思いますが、それ以前の問題、中学英語の基礎でつまずいている人が多いです。そうした基礎的な問題点を解決するためのことを、集中的にやったほうが、結果として学習者のためになると考えたからです。だからこそ、『中学英語をもう一度ひとつひとつわかりやすく。』を執筆しました。

(参考)「中学英語をもう一度ひとつひとつわかりやすく。」から学習を開始して、英語力を大幅に高めた生徒体験談

Taichi
「目的意識、動機、学習環境」TOEIC200点レベルから690点まで向上したTaichiさんが語る、「英語力を上げるための3つの要素」

10週間のフィリピン留学でTOEIC255点から660点まで410点アップ!「英語で話せるようになるために品詞分解した」Takamitsuさん

高専出身のYutaさん、「中学英語すら理解できないという現実を直視する」半年間の留学でTOEIC750点到達!

(参考)「中学英語をもう一度ひとつひとつわかりやすく。」から学習を開始して、英語力を大幅に高めた生徒の英語スピーチ


(TOEIC285点⇒TOEIC570点) 「三単現のs」から初めて英会話ができるまで成長したYoutaさんの留学体験談

※彼らの学習の成果は全て『中学英語をもう一度ひとつひとつわかりやすく。』を最初にやり込んだからこそです。

『わかりやすく』の後に、知識を整理する『どんどん話せる 驚異の中学英語』に着手するのがお勧め。

どんどん話せる 驚異の中学英語

(柴田 @HAL_J)『どんどん話せる驚異の中学英語』を出版された背景を教えていただけますか。

どんどん話せる驚異の中学英語(以下、『どんどん』と略)』は本当に初級者の人向けに書いた本です。『わかりやすく』を書いていて思ったことは、中学1年生から3年生までの内容を順番にやっていくという学習方法は、良い面もあるが、逆に学習の全体像が見えなくなるという面もあるということです。1つ1つの項目を学習した後に、学んだ知識を組み合わせて英文を書くというときに、知識をどう組み合わせれば良いかを実感しにくいのですね。

『どんどん』で意識したのは、「主語がはじめにあって、次に動詞がきて、その後に情報をつけたす修飾語などが来る」という、話すときの語順に沿って文法をおさらいするということです。そのほうが、文法の大切さ、文法がいかに会話に用いられるかを実感しやすいと考えました。

そして、書籍の構成を「主語を見つける」「動詞を選ぶ」「情報をつけたす」という、英会話で必要になる3つの考え方にまとめ直しました。その上で、中学1年から中学3年までで学ぶ内容を、この3つの分類の中で集中的に学べるようにしています。

例えば、最初は主語について学びます。物や人だけでなく、Going abroad is fun.というように、ing動名詞が主語になることも有ります。そして、There is a bee. といったように実は主語で始まらない文章も有ります。このように最初は主語だけに集中して英語を学んで行きます。

(柴田 @HAL_J)『どんどん』はリスニング音源が独特ですよね。通常リスニング音源は英文を読み上げて終わりのところを『どんどん』では英文だけでなく、山田先生自身による文法解説の講義が入っていますね。

これは編集者の意向で、私にはまったく思いつかないアイデアでした。リスニングの講義も、4コマ漫画も、親しみやすさと分かりやすさを追求した結果入れました。

サウスピークでは、初級者は『わかりやすく』が1冊目で、『どんどん』が2冊目という使い方をしています。親しみやすさ重要ですね。

『わかりやすく』をしっかりやっていれば、『どんどん』は楽だと思います。『わかりやすく』を改めて整理しなおした『どんどん』をやると、別な見え方がして、頭の整理に役に立つと思います。

通常の英文法参考書だと、『前置詞』と『to不定詞』と『接続詞』は別々の章で説明されます。が、これらは「実は情報を付け足すという機能で考えると同じもの」に分類出来ます。そのため『どんどん』ではこれらは同じ章で続けて解説しています。

(柴田 @HAL_J)教科書とはまとめ方が違いますね。

あえて中1から中3までに学ぶ英文法を同じ用法・機能毎にまとめ直しました。

そのためか、『どんどん』は読者から直接メッセージを頂くことが多いです。「はじめて英語参考書を1冊終わらせられました」「はじめて英語を話す人達の気持ちが分かりました」といった感想をいただきました。

『ひとつひとつ』は幅広いファンがいますが、『どんどん』は熱烈なファンが多いように思いますね。これまで、『どんどん』のような「英会話を目的にした英文法本」という切り口の本が無かったので、新鮮だったのかなと思います。

(次の記事)山田暢彦先生インタビュー(2) 瞬間英作文を大きく発展させた 『英語のスピーキングが驚くほど上達する NOBU式トレーニング』

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執筆者

村岡英一

北海道生まれ。慶應義塾大学総合政策学部卒。 日本マイクロソフトにて法人営業、ならびマイクロソフトのアジア諸国のシステム導入を行った後、フィンランドのソフトウェア企業にて、日本・台湾・東南アジアのビジネス開拓を行った後、現在フリー。