山田暢彦先生インタビュー(2) 瞬間英作文を大きく発展させた 『英語のスピーキングが驚くほど上達する NOBU式トレーニング』

インタビュー中に撮影。写真左 Kimie、右 山田暢彦先生。

インタビュー中に撮影。写真左 サウスピーク・スタッフのKimie、右 山田暢彦先生。

この記事は 山田暢彦先生インタビュー(1) 『中学英語をひとつひとつわかりやすく。』40万部越えベストセラー本を執筆した理由 の続きの記事です。

最新刊『英語のスピーキングが驚くほど上達する NOBU式トレーニング』に関して

(柴田 @HAL_J)次は最新刊の『英語のスピーキングが驚くほど上達する NOBU式トレーニング』についてお話を聞かせていただけますか。

英語のスピーキングが驚くほど上達する NOBU式トレーニング

英語のスピーキングが驚くほど上達する NOBU式トレーニング

学習の順番でいうと、下記の順番で進めるのがお勧めです。
1. 『中学英語をもう一度ひとつひとつわかりやすく。(以下『ひとつひとつ』と略)』
2. 『どんどん話せる 驚異の中学英語(以下『どんどん』と略)』
3. 『英語のスピーキングが驚くほど上達する NOBU式トレーニング(以下『Nobu式』と略)』

『ひとつひとつ』は英文法の基礎知識を学び、『どんどん』では学んだ英文法の知識を整理して、そして『Nobu式』は『ひとつひとつ』と『どんどん』で得た知識を使って、英語をたくさん聞いて、話せるようになるための教材です。

(柴田 @HAL_J)『Nobu式』は、アウトプット学習(英会話の練習)とインプット学習(英文法の知識定着)が並んでいるのが良いですね。

『ひとつひとつ』は編集者と作って、『どんどん』もまた別な編集者と作りましたが、『Nobu式』は私の完全オリジナルです。私が思うこと、日ごろのレッスンから「こうなんじゃないか」と思うことを全て取り入れて作りたい、と思っていたところ、『Nobu式』の出版社の社長が「内容は全部任せるから書きませんか」と言ってくれました。私は「是非やります」と快諾しました。

ただ、内容についての自由が許されるが、締め切りまで時間が無かったので大変でした。しかし、時間が無いという重圧の中で、私が伝えたいと考えていたことを全て詰め込みました。

日本人の多くは、英文を組み立てる上で、後半部分、つまり前置詞とか、接続詞とか、to不定詞といった、補足情報が弱いんです。この部分に注力した本を作りたかったのです。

(例) I went to Shinjuku ここで終わらずに、下記のようにto不定詞を使用して情報を補足する。 ⇒ I went to Shinjuku to see my friend

本の構成を考えた時、最低限の必要となる知識の整理だけして、あとは『話すための英文法を身体で覚える』、そして『英会話に必要となる瞬発力を鍛える』という考えが浮かびました。さらに、英語のNative English Speakerとして※、例文の『自然さ・実用性』には徹底的にこだわる。「これはいける!」と思い、ワクワクしました。 ※次の記事で詳細記しますが、山田先生はアメリカ育ちのバイリンガルです

また、今回はリスニング音声も自分自身の声でやろうと決めました。ただ、「私の男性の声だけだと偏る」という編集の意向で、女性の声を入れました。

(柴田 @HAL_J)サウスピークでは、以前に採用していた「どんどん話すための瞬間英作文トレーニング」という教材の内容が更新されないないことへの不満、また現在出版されている類似教材と比べて解説が丁寧でないという理由から切り替えを検討していました。そんな時に書店で『Nobu式』と出会い、『インプット学習⇒アウトプット学習』の構成に感銘をうけて英会話教材として採用させていただきました。

初級者の英会話を見ていて分かるのは『言葉が出てこない』ということです。言葉が出てこないのは、そもそも出すだけの英語(英単語・英文)が脳内にインプットされていないからです。英文法、語彙、フレーズのデータベースが圧倒的に不足しているのです。

また、真似すべき「お手本」にも十分触れていないので、いざ話そうと思っても、何をどう言って良いかが分かりません。人間は、スポーツや楽器、料理など、何でも他人の真似をすることで上達しますが、英語も全く同じです。お手本を注意深く観察して、そっくり真似する。これはまさにインプット学習です。

私は自分の子供を見ていて、子供の言語発達習得は非常に面白いなと思いました。人間の言語習得は最初に圧倒的なインプット学習を必要とします。そしてインプットをした上で、間違えながら少しずつアウトプットの練習をして、アウトプット能力を身につける。つまり、インプット学習があってこそのアウトプット学習です。言語習得理論の研究を読んでも、『最初にインプット、そしてアウトプット』です。『Nobu式』は、そうした理論や私がこれまでに教えてきた体験を組み合わせて作成しました。

(柴田 @HAL_J)かゆい所まで手が届く本ですよね。

そう言っていただけることが多いですね。実は昨年末に、好きなX Japanのコンサートに、VIP席で行ってきました。VIP席とは、コンサート前のリハーサルを見られる特典がついているのですが、凄かったです。

マイケル・ジャクソンが亡くなる前のコンサートリハーサル風景が、『This is it』という映画になったのを見られた方も多いと思いますが、マイケルが直接指示を出して、仕切っているんです。X Japanのリハーサルも同じで、リーダーのYoshikiが全てを仕切っています。「自分のコンサートはこうしたい!」という強い思いがあって、はじめてコンサートが実現するんだなと思いました。

私も本の著者として、こうでなければならないと思いました。私が頭の中で描いている通りのもの実現しなければならない。本の隅々までこうしたい、と。『Nobu式』は、出版社の社長がそうさせてくれたので、過去の経験を全部詰め込んでできました。表現者はそれくらいのこだわりや、自己中心的な部分がないといけないのだと思います。

強い思いを持って制作した『Nobu式』は幸い好評で、シリーズ化が決まりました。また、書店でも大きい扱いをして頂けています。自らの思いを信じて執筆した参考書が好評で嬉しく思います。

(柴田 @HAL_J)『Nobu式』では、文法用語をできるだけ使わないようにしていますよね。書籍の中では関係代名詞という文法用語も使っていないですね。

一度はもう学習しているので、あえて触れなくてもいいと思っています。変な苦手意識を引き起こすのもよくないので、さらりと流しました。

(柴田 @HAL_J)次回作では、冠詞についても本の中で言及いただけるとありがたいです。aなのか、theなのかは分かりにくいですし、例えば「先生」だったらa teacher、the teacher, my teacherのどれなのかに迷ってしまいます。

冠詞は深いので、今回は含めませんでした。『Nobu式』は、主語、動詞、修飾語を組み立てることに注力したので、冠詞は後からでいいかなと思い、あえて割愛しました。読者の方が、そうした点に意識が向くようになったら素晴らしいと思います。

(柴田 @HAL_J)本書では、講義も配信されていていますね。

NOBU先生の生講義 NOBU式トレーニング

映像の配信にも力を入れており、現在映像系の仕事を2つしています。1つは、家庭教師のTRYがやっている、オンライン映像配信サービスの『TRY IT』です。こちらは、中学1年から3年までの全項目の映像授業を無料で配信しています。すごい時代だなと思います。

もう1つは、学研とも『わかりやすく』の本と連動した授業をYouTubeで無料配信しています。他は、英語セミナーの仕事もありますね。

長らくやってきた英語教室は、現在映像配信の授業に力を入れているため、数年前に閉じました。機会があれば、また再開したいと思っています。

(次の記事)山田暢彦先生インタビュー(3) 日本語と英語を話すバイリンガルとしての幼少期。そして、大学卒業後に独立し、著書を出版するまでの苦労の道のり

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執筆者

村岡英一

北海道生まれ。慶應義塾大学総合政策学部卒。 日本マイクロソフトにて法人営業、ならびマイクロソフトのアジア諸国のシステム導入を行った後、フィンランドのソフトウェア企業にて、日本・台湾・東南アジアのビジネス開拓を行った後、現在フリー。