本記事は山田暢彦先生に寄稿いただいたものです

(1つ前の記事)山田暢彦先生連載記事…英語の初級者は “ココ” をやろう!(2)〜発音編〜

「英語の学び直し」と言うと、大半の人が「英文法」の勉強を思い浮かべると思います。1回目の記事(文法編)でもお話したように、文法の基礎を押さえることは、英会話を身につけるために非常に大切です。しかし一方で、文法は文章を作る上でのルールに過ぎず、話したい内容そのものを表しません。なので、文法さえやればいいという訳ではありません。

自分が話したい内容を実際に相手に伝えるのは、今回取り上げる「単語」です。

料理に例えると、文法は「レシピ」、単語は「食材」というような関係です。作る手順や分量を教えてくれるレシピはとても便利ですが、そもそも食材がなければ料理は作れませんね。英語も同じで、いくら文を組み立てる順番やルール(=文法)を学んでも、中身となる単語を知らなければ、言いたいことは言えません。

それにも関わらず、多くの学習者は、(文法に比べて)単語の学習をおろそかにしているようです。それではどうしても思い通りに話せるようにはなりません。単語力不足を感じている方は、ぜひ今日から単語の勉強を始めてくださいね。今回の記事では、単語学習で特に意識したいポイントを2つお伝えします。

POINT 1.「動詞」を優先的に増やそう

英文は「主語+動詞」で組み立てるのが大原則でしたね。主語にはI、you、she、our company、the meetingなど、割と身近な単語(すでに知っている単語)が来ることが多いですが、一方で、動詞は伝えたい内容によってかなりの幅があります。その動詞が言えれば文の続きが言えますが、適切な動詞が見つからなかったらそこで文はストップします。

例えば、「傘を忘れちゃった」という内容を、すぐに英語で言えますか?

答えは、I forgot my umbrella.ですね。「忘れる」はforget。また、過去形はforgotですね。

英語では、文の前半でスパッと動詞を言えることが求められます。主語が「何をしたのか」という情報が大事なのですね。名詞、動詞、形容詞、副詞、、、覚えるべき単語・表現は色々ありますが、特に初級者のうちは、英文の柱を担う動詞を特別扱いすべきでしょう(英語が話せないという人の大半は、動詞のボキャブラリーが圧倒的に足りていません)。

❗ レベルが少し上がり、長めの文になってくると、My mother became angry because I lost the bag that she bought.(母が買ってくれたバッグをなくしてしまったので、母は怒ってしまった)のように、1文の中に複数の動詞が含まれることがよくあります。動詞がサクサクと使える人と使えない人の差は、こうしてどんどん広がっていきます。

なお、学習の目標として、英検5級〜3級レベルをしっかりマスターすれば、日常の会話力はぐっと上がるでしょう。TOEICを中心に学習している方の場合は、TOEICの単語本や参考書に出てくる動詞を中心に覚えればOKです。また、中学英語ならば、私が監修した単語本「中学英単語をひとつひとつわかりやすく。」を活用するのもオススメです。とにかく、一語でも多くの動詞を覚えましょう。

【動詞を上手に使いこなすために】

動詞の学習をする際は、特に次の点に注意すると会話での運用力が高まります。

◆不規則動詞
動詞によっては、過去形が –edの形で終わらない場合がありますね(例えば、先ほどの例のforget – forgot。go – wentも定番)。不規則動詞と呼ばれるこうした動詞は、一語ずつ過去形の形を暗記する必要があります。さらには、実際の会話では瞬時に口から出てこないといけないので、無意識に過去形が言えるまでしつこく反復トレーニングをすることが重要です。これは必ず会話で必要になる力です。

◆動詞を中心とした「熟語」
動詞とよく使う言葉を丸ごとセットで覚えましょう。

例)have dinner(夕飯を食べる)/ take a trip(旅行をする)/ get dark(暗くなる)/ wake up(起きる) / submit a report(レポートを提出する)/ want 人 to 〜(人に〜してほしい)/ send 人 モノ(人にモノを送る)など

こうして動詞のあとに続く語・形にまで意識を向け、決まったフレーズとして覚えることで、文がよりスラスラと組み立てられるようになります。

POINT 2.「形容詞」で気持ち・考えを伝える

POINT1の動詞ほどではありませんが、「形容詞」もまた英会話力をアップするのに大切な言葉です。どんな場面で使えるかを見てみましょう。

・I’m surprised!(驚いたよ!)
・This pasta is really tasty.(このパスタはとても美味しい
・The movie was interesting.(その映画は面白かった
・He’s very thoughtful.(彼はとても思いやりがある

例文の中の下線部が形容詞です。いずれも、主語の様子や性質について説明していますね。こうして、何かに対する自分の感想や評価(主観)を伝えるときに形容詞が活躍します。会話では気持ち・考えを言う場面が多いので、形容詞のボキャブラリーが必要になる訳です。

主語の様子や性質を説明する例文をもう少し見てみましょう。

・I’m nervous.(緊張するなぁ)
・The boss is angry.(上司は怒っているよ)
・The train is late.(電車が遅れている
・Tofu is healthy.(豆腐は体に良い

上記の例文を見てわかるように、形容詞は <主語+be動詞+形容詞.>という形でよく使います。とてもシンプルですね。しかし、be動詞の後の形容詞が出てこないために、I am…uh…と会話が止まってしまう人がたくさんいます。まずは中学レベル(英検5級〜3級レベル)で十分ですので、形容詞をしっかりと覚えましょう。覚えた分だけ、会話力のアップをはっきりと実感できるはずです。

まとめ

いかがでしょうか?単語の勉強をするとき、単語本や長文の単語を片っぱしから気合いで覚えていくのも一つのやり方ですが、一方で今回のように、会話力に直結しやすいテーマから重点的に攻めるのはとても理にかなった勉強法で、上達も実感しやすいでしょう。ぜひ試してみてくださいね。

なお、最後に、単語学習についてもう1点だけアドバイスがあります。それは、「全ての単語を同じテンションで覚えようとしない!」ということです。難しい単語は、自分では使えなくてもいいですが、相手の話を理解するには必要かもしれませんね。ですので、「意味がわかる」ことを目指して覚えるようにします。※「意味は理解できるけど自分では使えない語彙」をpassive vocabularyと言います。passiveは「受け身の、受働的な」という意味。

一方で、中学レベルの単語は、自分で使えるべき単語です。これらは、「意味がわかる」という基準ではなくて、「自分で使える」(例えば、例文がパッと作れる)というより厳しい基準で学習していくことが重要です。※意味を理解し、自分でも使いこなせる語彙をactive vocabularyと言います。activeは「能動的な」という意味。

こうしてpassiveとactiveを意識することで、より目的にかなった効率的・効果的な単語学習ができるでしょう。

一定の文法が身についたら、あとは単語力がものを言います。これから単語のレパートリーを積極的に増やして、相手の言葉が理解できる楽しさ、そして自分が言いたいことを言える楽しさをたくさん味わってくださいね!

★最終回は「学習の心構え」を取り上げます。お楽しみに!★

おまけ 本記事を編集した柴田より

中級者以上になった場合、英単語を暗記する場合に漢字の部首のように分解して暗記する、「語源」の学習法もお勧めです。

(関連記事)「語源暗記法」のすすめ

サウスピークで採用している英単語。語源本も採用しています。

【次の記事】山田暢彦先生連載記事…英語の初級者は “ココ” をやろう!(4)〜学習の心構え編〜