山田暢彦先生連載記事…英語の初級者は “ココ” をやろう!(4)〜学習の心構え編〜

本記事は山田暢彦先生に寄稿いただいたものです

(1つ前の記事)山田暢彦先生連載記事…英語の初級者は “ココ” をやろう!(3)〜単語編〜

本シリーズではここまで、「文法」「発音」「単語」のテーマに沿って英語の初級者が重点的に学習すべきポイントについてお話してきました。今回の最終回では、英語学習に向き合う際の総合的な「心構え」について取り上げたいと思います。どんな気持ちでテキストに取り組めばいけばいいのか?会話の練習相手がいない場合は、どうすればいいのか?資格試験はどう活用すべきか?学習者によく質問されるトピックを中心に、英語力を効果的に伸ばすためのポイントをご紹介します。

POINT 1. 同じことを繰り返す

テキストで文法を勉強したり、長文を読んだりしていると、「わからないこと」というのが当然出てきますよね。そうしたとき、その都度立ち止まって考え込んではいませんか?

完全な理解を追求することはとても大事ですが、一方で、わからないことがある度に立ち止まっていると、なかなか前に進めませんね。

そこでポイントになるのが、「そもそも一発で完璧に理解しようとしない」「繰り返す中でだんだんと理解する」という心構えです。

例えば、文法書の学習に1ヶ月ほど費やすとします。ゆっくり時間をかけて丁寧に1周やるよりも、(はじめは理解があやふやでも)少しペースを速めて3〜4周まわすつもりで学習してみるのです。

テキストの1周目は、全体像をつかむつもりでざっとやります。2周目は、内容が少し頭に入っているので、それが取っかかりとなって、ぐんと理解度が上がります。さらに3周目以降では、少しずつ貯まってきた知識のおかげで、以前わからなかったことがわかるようになったり、「できるところ」と「できないところ」が自分でもわかるようになってきます。全体が頭の中で整理できてくる訳ですね。

文法・単語、長文読解、リスニングなどは、いくら丁寧に勉強しても、1発で身につくものではありません。野球選手が何度も同じ素振りをしたり、ピア二ストが何度も同じスケール練習をするように、英語学習も同じことを繰り返すことがカギです。同じことを繰り返し、少しずつ精度を高めていくのです。同じことをやるからこそ、「ここが上達した」「ここはまだ」「次はこうしよう」といった課題意識を持てるようになります。この課題意識こそが深い学びの原点です。

テキスト学習や音読練習、資格試験対策などをしている方は、例えば次のような方法で「同じことを繰り返す」アプローチを取り入れてみてください。

◆文法・単語のテキスト
上に述べたような方法で、同じ文法・単語のテキストを5周やります。または、同じジャンルの参考書を4〜5冊やるのもいいでしょう。例えば、中学英語を徹底的にマスターしたかったら、中学英語の本を4〜5冊やります。同じ中学英語なのでサクサクと読める一方で、それぞれが少しずつ違う観点で書かれているはずなので、新しい発見や視点がたくさん得られるでしょう。

◆音読練習
1つの文章を、最低10回は音読しましょう。その際、ただ機械的に文章を読むのではなく、「内容の理解を深める」「英語らしい発音で読む」「スピードを上げる」「声の大きさ・間の取り方を改善する」といった感じで、はっきりと課題を決めて、少しずつ精度を高めていってください。

◆資格試験対策
過去問題・模試を1回解いて、答え合わせして、終わり、、、これでは実力は上がりません。答え合わせして解説を読んだあとは、同じ問題を繰り返し解いて、全問正解できることを目指しましょう。長文やリスニングに登場する語彙・文法も、しっかり押さえましょう。過去問題・模試は、50%の理解のまま次の問題セットに移ってしまっては、あまりにももったいないです。せっかく1回解いて頭の中に知識が少しあるのだから、それを取っかかりにして、さらに理解を深めていきましょう。まっさらな状態で新しい問題セットを解くよりも、すでに解いた問題の方が余裕を持って文章を読めますよね。その分だけ負荷が少ないので、新しい知識が吸収しやすくなるのです。

POINT 2. インプットとアウトプットの相乗効果

いくらスポーツの解説本を読んでも、実際に自分で練習しなければモノにはできませんね。料理、楽器、美術なども一緒で、何かのスキルを身につけるには、結局は「自分でやってみる」しか道はありません。英語(語学)も例外ではありませんね。

さて、その時に心構えとして持っていただきたいのが、「インプットとアウトプットの相乗効果を生かす」という考えです。

英語を話せるようになるには、インプットした知識(単語や文法)を活用し、「言いたいことを英語で言ってみる」というアウトプットの練習が必要です。こうしたアウトプットの練習を行うことで、いま持っている知識をきちんと活用できるようになります。また、アウトプットをしていると、「◯◯は英語でどう言うんだろう?」という疑問が自然と湧いてきますよね。そうしたアンテナを張った状態で英文をまたインプットすることで、自分が言いたかった内容の表現に出会った時に「そう言えばいいんだ!」「へぇ、面白い!」などとより敏感に反応・吸収できるようになります。つまり、アウトプットによって、インプットの質が高まるのですね。

このように、アウトプット学習を取り入れることで、インプット学習との相乗効果が生まれ、英語力がどんどん底上げてされていきます。

◆英会話は一人でも練習できる
日本で英語学習をする上でよく挙がる課題として、「英語を使いたくても話す相手がいない」というものがありますね。確かに、英会話スクールに通っていたり、仕事で英語を使っていたりしない限りは、日常的に誰かと英語を話す機会を持つのは難しいかもしれません。

しかし一方で、実は「英会話の練習には相手は必要ない」ということを知っていましたか?例えば、その日にやったこと・思ったことをブツブツつぶやく「一人英会話」。また、一人二役になって、頭の中で友人・同僚・店員などとの会話を演じる「ロールプレイ英会話」。その他、英語日記なども手軽に英語を使う練習ができます。実際に目の前に相手がいなくても、「言いたいことを英語で言ってみる」(アウトプットする)という行為を頭の中ですれば、実際の会話と似た学習効果が得られると言われています。生の会話練習ももちろん大切ですが、「常に誰かが必要」では全くないのです。むしろ一人だと自分のペースで話せるので、会話にまだ自信のない人にとって取り組みやすい練習方法です。ぜひ日頃の学習の中に、気軽に一人で英語をつぶやく時間を作ってみてくださいね(声に出さずに、頭の中で言うだけでOKです)。

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POINT 3. 資格試験を活用する

一人で勉強している場合、「会話の相手がいない」ということに加えて、自分が上達しているかがわからないという問題がありますね。そういう人にお勧めしたいのが、英検やTOEICといった資格試験の活用です。客観的な評価を取り入れるのがポイントですね。英検やTOEICは非常によくできたテストで、自分の実力が上がれば、点数も自ずと上がります。努力の成果が数字で現れると、やっぱり嬉しいものですね。こうしてモチベーション維持に資格試験を活用できます。また、試験を通じて自分の弱点を確認することができます。弱点がわかることで、よりはっきりとした課題意識で学習に取り組み、上達を後押しすることができます。

最後に

4回に渡ってお届けした「英語の初心者は“ココ”をやろう!」シリーズ。いかがでしたでしょうか?「文法」「発音」「単語」「学習の心構え」のそれぞれの記事でお話したポイントが、皆さまの今後の学習を良い方向へと導いてくれることを心から願っています。英語は、誰でも何歳からでも話せるようになります。半歩ずつ、日々の進化を楽しみながら、これからもコツコツと頑張っていきましょうね!

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執筆者
柴田 はるじぇー @HAL_J
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柴田 はるじぇー @HAL_J

セブ島にある語学学校サウスピークの英語学習アドバイザー。著書に「3ヶ月でTOEIC300点上げるフィリピン留学」「20歳を過ぎてから英語を学ぼうと決めた人たちへ」